shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

いしだあゆみ・筒美京平ウルトラ・ベスト・トラックス

2010-03-22 | 昭和歌謡
 以前このブログでも書いたが私はいしだあゆみの大ファンである。彼女の「ブルー・ライト・ヨコハマ」を抜きにして昭和歌謡を語るのはビートルズを抜きにして20世紀の音楽を語るようなものだ。この曲も含め彼女の大ヒット曲は1968年~71年に集中しているので、残念ながら私にはリアルタイムの記憶がほとんど無いのだが、この曲だけは別。何と言っても9週連続№1を独走し、まだレコードが貴重品だった時代に100万枚を売り上げた国民的ヒット曲である。この “街の灯りがとてもきれいね ヨコハマ~♪” で始まる橋本淳=筒美京平コンビが生んだ日本音楽史上屈指の大名曲は、その歌詞もメロディーも、まだ子供だった私の心にしっかりと刻み込まれた。だから私はその後 “いしだあゆみ=「ブルー・ライト・ヨコハマ」の懐メロ歌手” という認識でずーっと生きてきたのだが、数年前に昭和歌謡に開眼して色々買い集めたCDの中の1枚「筒美京平ウルトラ・ベスト・トラックス」を聴いて私はその認識を改め、すっかり彼女の虜になってしまった。
 私は何度も言ってきたように女性歌手はジャケ買いすることも多いのだが、ミニスカ姿で膝をつきニッコリ微笑むあゆの何とキュートなことか!口の悪い世間はすぐに整形がどーのこーのと陰口をたたくが、そのようなタワゴトは彼女の美しさの前には一瞬にして砕け散る。女性ヴォーカルはジャケットを含めてトータルでその雰囲気を楽しむもの。何と言われようと私はコロムビア時代の華麗なあゆが大好きだ。このCDはそんなあゆの筒美作品を完全網羅した2枚組で、シングルB面やライヴ・ヴァージョンなんかも収録した逸品なのだ。
 Disc-1 はやはり①「ブルー・ライト・ヨコハマ」からスタート。鼻歌歌謡の最高傑作と言っていい名旋律、情景が目に浮かぶような見事な詞、そして曲の良さを最大限に引き出すゴージャスなバックのサウンドと、制作陣も最高の仕事をしているが、この曲は彼女の鼻から抜けるようなあの声を得てこそ人々の心に残る名曲になったのだと思う。とにかく私にとって筒美メロディーの、いや昭和歌謡の究極がこの曲なのだ。
 続く②「太陽は泣いている」こそコロムビアにおける彼女の 1st シングルなのだが、エミー・ジャクソンの「涙の太陽」を彷彿とさせるアップテンポなナンバーでノリノリの歌声を聴かせるあゆにビックリ(゜o゜) 「ブルー・ライト・ヨコハマ」のイメージが強すぎたせいもあるが、風雲急を告げるようなイントロからリズムに乗って気持ち良さそうに歌いまくるあゆはまさに “ひとりGS” 状態で、この手の音楽が大好きな私にはたまらない1曲だ(^o^)丿 
 ①の大ヒットの余韻冷めやらぬうちにリリースされた④「涙の中を歩いてる」も彼女のアンニュイな魅力が横溢する佳曲でスマッシュ・ヒット。続く⑬「今日からあなたと」も①で確立した “あゆみ節” を存分に味わえるあゆファン御用達の隠れ名曲。特に “口づけしたいの したいのぉ~♪” と繰り返すところがめっちゃ可愛い(≧▽≦)
 CMソングにもなった⑰「あなたならどうする」は一度聴いたら忘れられないようなサビのメロディーと、なかにし礼の十八番である「恋の奴隷」や「人形の家」路線のドMな歌詞が強烈だ。 “捨てられてしまったの 紙クズみたいに~♪” って、どんなヒドイ捨て方やねん! “泣くの 歩くの 死んじゃうのぉ~♪” って、何も死ぬことはないやろ(>_<) そんな歌詞とメロディーが見事に融合してインパクト抜群のキラー・チューンが生まれたのだ。しかし何回聴いても凄い曲やなぁ(≧▽≦)
 これら超有名曲以外にも、浅田美代子もカヴァーしていた単純明快なアイドル系歌謡⑤「恋はそよ風」、アンニュイな歌声に身も心も蕩けそうになるボッサ歌謡⑨「ひとりにしてね」、彼女のどこか投げやりな歌い方が絶妙な味わいを醸し出す⑭「ある日街角で」、ポップな曲を軽やかに歌うあゆがキュートな⑮「誘惑的な午後」、あゆのしっとり癒し系ヴォーカルがたまらない⑯「ブルー・パール」、西田佐知子の「アカシアの雨がやむとき」を筒美京平スタイルでアレンジしたような⑱「何があなたをそうさせた」など、佳曲が揃っている。
 Disc-2 では何はさておき⑮「ブルー・ライト・ヨコハマ」、⑯「涙の中を歩いてる」、⑰「太陽は泣いている」、⑱「ブルー・パール」というヒット曲のライヴ・ヴァージョンに大注目。以前このブログでも取り上げた彼女の「いしだあゆみリサイタル」からの音源で、アルバムとしては未CD化だけに非常に貴重なトラックだ。
 それ以外では同じ筒美京平門下生の平山ミキティーが「マジック・ロード」というタイトルで歌った①「さすらいの天使」、独特の浮遊感を持った歌声がたまらない⑥「愛よ行かないで」、モロ歌謡曲なイントロと気だるい歌声が印象的な⑨「待ちわびても」、彼女の突き離したような歌唱スタイルが小唄調の曲と絶妙なマッチングをみせる⑩「時には一人で」、中島みゆきっぽい歌唱が新鮮な⑫「ちょっと淋しい春ですね」など聴き所満載だが、どれか1曲と言われれば、クロディーヌ・ロンジェを彷彿とさせるウィスパー・ヴォイスにメロメロになりそうな⑭「絵本の中で」が最高だ。やっぱり女性ヴォーカルは雰囲気やねぇ... (≧▽≦)

いしだあゆみ/太陽は泣いている


いしだあゆみ ブルー・ライト・ヨコハマ


あなたならどうする
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