shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Zozoi / フランス・ギャル

2010-03-02 | European Pops
 春のフレンチ祭り(←何か食パンみたい...笑)、今日はフランス・ギャルの登場だ。901 さんに聴かせていただいた「夢みるシャンソン人形」の中に私を魅了する昭和歌謡と同質の哀愁を感じ、「娘たちにかまわないで」や「アイドルばかり聞かないで」、「涙のシャンソン日記」etc、ギャルのキュートな歌声とゲンスブール・メロディーが醸し出すザ・ワン・アンド・オンリーな世界にすっかりハマッてしまった私は彼女のイエイエ・アイドル時代のヒット曲が集中するフィリップス時代(1963-1968)のEP盤を1枚また1枚と集めていった。当時のフランス音楽界はLPでもシングルでもなく、4曲入りEP盤が中心だったし、何よりもチャーミングなEP盤のジャケット(何故かシングル盤は2色刷りの味気ないジャケットばかり...)にすっかり魅了されてしまったからだ。結局、フィリップス時代の音源はほぼ制覇し、ある時は天真爛漫な、またある時はクールでジャジーなギャルの歌声を楽しんでいた。
 そんなある時、ネットのギャル・サイトで気になる記事を発見; “ギャルにはフィリップスを離れた後に「Zozoi」というサバービアなフレンチ・ブラジリアン・グルーヴ・ナンバーがあって、それはLPにも入ってないしもちろんCD化もされていないマニア垂涎の激レア・シングル盤” とのこと。 “サバービアなギャル” やと??? 何じゃいそれは? 当時の私は “サバービア” という言葉に弱かった。弱いと言っても別に大好きで目がないという意味ではなく、ワケがわからんけど何となくカッコ良さそうで、ヤフオクでよく見かける “オルガンバー” や “クボタタケシ” 同様、そーいった言葉を添えるだけで後光が差してくるように感じてしまう必殺のキーワードだった。今にして思えば情けない話だが、とにかく興味をひかれた私が eBay で検索してみると、たま~に出品されはするものの、ビッドが殺到して落札価格がハンパではない(>_<) いくら何でもシングル盤1枚に$100も出せへんよ(>_<) 今なら YouTube から DL して MP3 変換し、CD に焼くという悪知恵も浮かぶが(笑)、当時の私は MP3 って言われても RX-7 みたいな車の型番と勘違いするぐらいの知識しかなかったので(←ホンマです。今でも MP4 とか FLV とか、何のこっちゃよぉ分かりません...)、何とかならんか考えを巡らせた結果、通常の eBay ではなくフランス人しか見ない eBay fr. で網を張って辛抱強く獲物を待つことにした。その甲斐あって、ついにこの「Zozoi」を39ユーロでゲット、少々値は張ったが流通価格の半値以下だ。英語のめっちゃ怪しいフランス人とメールで苦闘した価値は十分あったというものだ。
 送られてきた盤は La Compagnie というよく分からないフランスのレーベルから1970年にリリースされたもので、何とブラジル録音だ。 “サバービアなギャル” ってどんなんやろ?と思いながらターンテーブルに乗せると、いきなりラテン・モード全開のイントロが爆裂!サンバのノリでガンガン飛ばすグルーヴィーなパーカッションに華麗なる高速ピアノが絡みつき、妖しげな男声コーラスが “ケスクセェ~♪” (←私にはどうしても “ケツ臭ぇ” に聞こえてしまうのだが...笑)と執拗に繰り返す。うわぁ~、コレは確かに凄いわヽ(^o^)丿 更にホーン群まで乱入してブラジリアン・サンバのうねる様なグルーヴが炸裂する中、ギャルがキュートなウィスパー・ヴォイスでスキャットをばっちりキメるという、まさに必殺のキラー・チューンだ。特にエンディング近くになって笑い転げるギャルがめちゃくちゃ可愛い(≧▽≦) “オルガンバー・サバービア系” の中には何でこんなんがエエねん?と首をかしげたくなるような過大評価盤もあるが、コレは正真正銘の大アタリ。私に “フランス・ギャルはゲンスブールのイエイエだけやない!” と痛感させてくれた、 “フロアDJのマスト・アイテム” の看板に偽りなしの名曲名演なのだ。

FRANCE GALL / ZOZOI