shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

タミー / デビー・レイノルズ

2009-07-24 | Oldies (50's & 60's)
 毎日色々な曲を聴いていると、その曲の出自が何となく想像出来るようになってくる。これはあの曲をベースにしてるなぁとか、ギターでジャムってて出来たような曲やなぁとか、これは無理やりくっつけてでっち上げたような感じやなぁとか、まぁ色々である。少し前に “J-Popsの世界には日本人好みの王道コード進行がある云々...” という話をネットで見た記憶があるが、最近の曲なんてまぁ大体そんなもんだろう。
 それに比べ昔の曲、特にオールディーズの楽曲には作曲したというか、あまり “考えた” ような形跡は見当たらない。例えばこの「タミー」という曲、まるで最初からそこにあったかのような、そんな錯覚に襲われるほど自然なメロディの洪水である。聴いているだけで心が洗われるような美しいメロディだ。さすがはshoppgirl姐さんご推薦の大名曲である。オリジナルのデビー・レイノルズを筆頭に、どのカヴァー・ヴァージョンも名唱なのだが、それもこれもこの「タミー」という曲の持つチカラのなせるワザなのだろう。

①Debby Reynolds
 ジーン・ケリーの「雨に唄えば」でブレイクした女優デビー・レイノルズが1957年の「タミーと独身者」の主題歌として歌ったのがこの曲で、プレスリーやポール・アンカを始めとする男性ヴォーカルの天下だった56年夏から58年冬までの2年半で唯一の女性歌手による全米№1ソング。思春期の淡い恋心を歌ったデビーの甘酸っぱい歌声にはオールディーズ・ポップスのエッセンスが詰まっている。特にストリングスのイントロに続いて滑り込んでくる彼女の “アイ ヒア ザ カァトゥンウッズ ウィスパリィ ナバァ~ヴ♪” は胸キュンものだ(≧▽≦)
Debbie Reynolds : Tammy


②Teddy Bears
 あのフィル・スペクターがハイスクール卒業後に結成した男女混成3人組グループが「会ったとたんに一目ぼれ」の全米№1で有名なこのテディ・ベアーズ。彼らがインペリアル・レーベルからリリースした唯一のアルバム「テディ・ベアーズ・シング!」でカヴァーしていたのがこのヴァージョンで、ヴォーカルのアネット・クラインバードの初々しい歌声、そしてそのひたむきな歌い方に好感が持てる。
テディ・ベアーズ タミー


③Joni James
 デビー・レイノルズの「タミー」のようにオリジナル・ヴァージョンが完璧と言っていいほど素晴らしいとカヴァーする方は辛い。ましてや同じソロ・女性ヴォーカルというフォーマットでは尚更だ。そんな中で健闘しているのが “アメリカの恋人” ジョニ・ジェイムス。自らの持ち味であるコケットリーな魅力全開で迫るジョニの愛くるしい歌声がたまらない。
Joni James - Tammy


④Beverley Sisters
 “お姉さま声” が主流の女性コーラス・グループ界において “唯一のキュート派コーラス” といえるのが、このベヴァリー・シスターズ。ヴォーカル通から“3人ペット・クラーク” と絶賛されるのも頷ける素晴らしさで、私は一聴してそのドリーミーなコーラス・ハーモニーにハマッてしまった(≧▽≦) デビー・レイノルズで聴き慣れたメロディが、まるで天上の音楽のように優雅に優しく私を包み込んでくれて、寝る前に聴くと心地良い眠りが約束される。夢見心地とはこのことだ。
ベヴァリー・シスターズ


⑤ザ・ピーナッツ
 ザ・ピーナッツ63年のアルバム「ピーナッツのポピュラー・スタンダード」に入っていた名唱で、④のベヴスといい、このザ・ピーナッツといい、この曲は美しいコーラス・ハーモニーで更に映えるように思う。そして当時の日本でこの曲をこれほど見事に歌いこなせるのはザ・ピーナッツをおいて他にはいなかった。宮川先生もその辺のところを十分承知されていたのか妙な小細工をせずに実に自然なアレンジで、ザ・ピーナッツの魅力を存分に引き出していると思う。
タミー
コメント (2)