shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

P-Legend Vol. 1 / ザ・ピーナッツ

2009-07-10 | 昭和歌謡
 私はネット上で既発の音源を探し当てて出来るだけ安く手に入れるのは得意なのだが、その一方で新譜情報には滅法弱い。新聞・雑誌の類はまったく読まないしテレビもほとんど見ないので、頼りはヤフーのニュース欄のみである。だからこのザ・ピーナッツ50周年企画DVDが発売になることも知らなかった。しかし持つべきものは友人である。私の“昭和歌謡好き” “ザ・ピーナッツ・マニアぶり” を知る同僚のKさんが「今度ザ・ピーナッツのDVDが出るって新聞に出てたよ!」と教えて下さったのだ。「えっ、マジっすか??? それはえらいこっちゃ!!!」と寝耳に水の私はすぐにアマゾンで検索... “「ザ・ピーナッツ / P-Legend THE PEANUTS DVD BOX」ただいま予約受付中” とある。2枚組ボックスセットで、Vol. 1が「シャボン玉ホリデーからモスラまで」、Vol. 2 が「さようならピーナッツ完全版74分」だとぉ...??? しかも30p豪華ブックレット付きってか...??? これは絶対に買わねばならない(>_<) “ザ・ピーナッツ関係は全部イク” 宣言をしている私はその場で即予約した。(←なんかこのパターン多いよな...)
 ということで今日はまずそのVol.1、「シャボン玉ホリデーからモスラまで」を取り上げたい。60年代前半当時はまだ今のようなプロモーション・ビデオという発想は浸透していなかったが、このディスクにはそんな中製作されたクリップの数々と、「シャボン玉ホリデー」を始めとする懐かしいテレビ放送の映像が収録されている。①③⑤は昨年出た「ザ・ピーナッツ・メモリーズBOX」のボーナスDVDで既出だが、それ以外はほとんどが初めて見るお宝映像が満載だ。
 まずは①「恋のフーガ」、②「恋のロンド」、③「愛への祈り」とモノクロのクリップが続くが、いかにも60’sというユニークなファッションに身を包み、噴水のそばで歌い踊る①がインパクト大。②は家族連れでごった返す遊園地で撮影されており、物珍しそうにカメラを覗き込む一般ピープルの姿が微笑ましい。揺れるオットセイの人形も気になるなぁ...(>_<)   何故か屋外で撮られた④「インタビュー」は二人でお互いの性格分析をするという面白い企画なのだが、お二人の人間性が滲み出るような好感の持てる映像だ。⑤「可愛い花」は私が去年大騒ぎしていた “ボッサ・スイング・ヴァージョン” という67年音源を使ったカラー映像で、通りに面した花屋さんで歌う二人の姿が何ともゆったりした昭和の雰囲気を醸し出している。⑥「チャオ」はテレビ・ショーで植木等と共演した時の激レア映像で、3人のエンターティナーぶりが存分に発揮されている。クッサクサの昭和歌謡路線が全開の⑦「離れないで」もやはり歌いながら歩く二人の姿を追っただけの単純な作りだが、ファンとしてはこのような映像が存在しただけでも感涙モノなのだ。
 曲も映像も何となく見覚え聞き覚えのある⑧「シャボン玉ホリデーのテーマ」に続く⑨「メドレー」は “南京豆売り~可愛い花~悲しき16才~情熱の花~ふりむかないで~恋のバカンス~ドミニク” を短く繋いだメドレーで、こんな映像が残っていただけでも凄いことだ。⑩でクレージーの面々とショートコントを演じる二人の器用さには脱帽だ。この二人、その気になれば何でも出来るんやね。
 このディスクで一番嬉しかったのが⑪「鈴懸の径」で、和製「ディア・オールド・ストックホルム」とでもいうべき昭和の大名曲をザ・ピーナッツの歌声で聴けるとは思わなんだ(^o^)丿 鈴木章治の哀愁舞い散るクラリネットも絶品で、二人のハーモニーと相まってもうこれ以上ないくらい素晴らしい「鈴懸」が堪能できる。⑫「スターダスト」は二人が得意としていたスタンダードで、後半のハナ肇との絡みにも余裕で対応している。
 ⑭「モスラの歌」ではインファントの娘を演じる二人が懐かしい。ある意味ザ・ピーナッツの代表曲のひとつと言っていいだろう。CDではこの曲だけ浮いてしまうことが多いのだが、こういう編集のDVDなら全然OKだ。⑮「恋のオフェリア」は②同様どこかの遊園地で撮影されたと思しきPVで、円形ボートに乗って歌う二人に興味津々の一般客の姿がのどかな世相を反映している。
 総天然色(笑)のクリップ⑯「情熱の花」は67年発表のニュー・アレンジ・ヴァージョンで、山や海で寛ぐ二人の姿が捉えられている。これはファンにとっては中々嬉しい映像だ。目の覚めるような真っ赤なドレスで歌う⑰「恋のバカンス」はTBS「さようならピーナッツ」出演時のもの。ということはDisc 2 に入ってるのと全く同じ映像なワケだが、何でダブって収録したのかは意味不明だ。ラストの⑱「恋のフーガ(英語ヴァージョン)」は過去の様々な映像をフラッシュバックさせながらDCレトロなダンス・リミックス・ヴァージョンに仕上げたもので、5分30秒にわたる力作に仕上がっている。映像編集にかなり力が入っており、この総集編的クリップはファン必見の映像だと思う。

すずかけの道 鈴木章治、ザ・ピーナツ、安田伸
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