魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

半袖の秋

2024年10月15日 | 日記・エッセイ・コラム

今年の夏はもう、日本の夏ではなかった。『夏の思い出』や『少年時代』は伝説になった。
サルスベリの花も見たような気がするが、定かではない。10月に入り、雨が降るとようやく30度を下回り、どっと疲れが出たのか起きるのがつらい。街には半袖と長袖の人がいて、その人の性格がよくわかる。コロナトラウマのマスクのように、酷暑トラウマかも知れない。ともあれ、焦熱地獄をよく乗り切れたものだとホッとしたことだけが『夏の思い出』になった。

最早、日本は熱帯だ。世界の温暖化は想定以上に進んでいる。二酸化炭素が犯人と信じられ、排ガス規制さえすれば元に戻ると誰もが信じているが、一方では気候の自然循環という説もある。その真偽を争っているうちにも温暖化は進む。
排ガス規制は続けるべきだが、それで、地球が冷えるわけでもない。既に引き返せない段階に入っているのかも知れない。

今、為すべきことは、温暖化抑制より対策だ。これは一刻の猶予もない。
火星移住は簡単ではないが、地底や海底利用ならすぐできる。近頃、あちこちの自治体や商業施設で、ようやく待避所が設けられるようになったが、一時凌ぎでは間に合わない。社会システムや人類の生態として考える時が来た。
人類が地底人や海底人にならないまでも、穴を掘って子育てや冬眠をする動物に習うしかない。実際に地下で避暑生活をしているクーバーペディ(豪)のような町もある。

くどいが、各戸の個別クーラーはヒートアイランド現象を招き、逆効果だ。ますます火力発電に頼ることになる。太陽光発電義務化も良いが、社会全体から考える時だ。
吉田兼好の頃は「家は夏を旨とすべし」だったが、今は「世は夏を旨とすべし」だ。東京都には洪水に備えた広大な地下空間があるし、欧米には核攻撃に備えた巨大な核シェルターがある。大都市には地下繁華街が広がっている。
地下利用そのものは今すぐにでも可能な技術がある。問題は、社会が熱帯化をどれぐらい真剣にとらえているかだ。

排ガス規制より重要なのは緑化だ。近頃、屋上緑化も盛んだが、高層ビルの逆発想で、地下にビルを掘り下げれば地上はすべて緑になる。地上のコンクリートやアスファルトが無くなればヒートアイランドも減少する。自動車利用、高速道路の削減は言うまでもないが、鉄道も高架ではなく地下化すれば土地利用が広がる。地下には地下のデメリットがあるが、温暖化の現実を前にして、最早、議論の余地はない。
平城宮跡を横切る近鉄も地下に埋めれば良いし、北陸新幹線小浜線を新設するぐらいなら、湖西線のような在来線を地下と二層にすれば手っ取り早い。もっとも、近鉄の場合は平城宮跡通過は観光としては楽しみなのだが。


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