先週は、山里寿男先生のスケッチツアーのお手伝いに行ってきました。先生は山岳画家として、沢山の絵を描いてこられ、著作も多数ある方です。齢90を越えてなお現役。お弟子さんを引き連れて、国内外に足跡を残してきました。今回のツアーは新潟県村上市。
例年、三面川を遡上する鮭の漁が終わった12月上旬から中旬まで、町屋に塩引き鮭を飾って「塩引き街道」のイベントを開催しており、それを狙ってのスケッチツアーでした。ところが、今年は漁獲高が本当に少なかったようで、軒先に並ぶ鮭の数が寂しい感じでしたね。その塩引き街道に飾られる鮭を作っているのが、次元の子どもたち。村上の小学生は元気に挨拶してくれる子が多く、なんだか嬉しくなっちゃいました。
宿泊は瀬波温泉大観荘。日本海に沈む夕陽を眺めながらの露天風呂が有名です。佐渡島も見える。
今回のツアーはお天気恵まれ、町並みの彼方に朝日連峰も遠望出来ました。三面川は朝日連峰に源を発する二級河川で、決して大きな川ではありませんが、古来より村上の鮭文化を育んできました。
絵になる場所に事欠かない村上。黒塀通りにある安善寺楼門は正徳二年(1712年)の建立。古い文化財と町づくりのコラボレーション。また何年かしたら、この町づくりがどうなったか見に来たいですね。
村上に来たら、井筒屋の鮭ご膳を召し上がれ。
鮭のいろんな部位を趣向を凝らして出してくれます。村上の鮭文化を堪能出来ます。
手作り無添加の塩引き鮭を作っている「きっかわ」では、今シーズンの塩引き鮭をちょうど作り始めたところでした。
斜向かいのお団子屋(お団子がでかい)の軒先を借りて、鮭の「きっかわ」と酒の「益甚」の並びを絵を描く。こういう町屋は描くのが難しいですが、お弟子さん達も年々腕を上げているようです。なかなかの出来栄えでした。
村上の酒「大洋盛」や「〆張鶴」を扱う酒屋さんの「益甚」。前回の下見では、ご主人にアドバイスをいただき、村上の見所をご教授いただき、お買い物で恩返し。先生を始め、お酒好きのお弟子さん達は良いお買い物が出来たかな。
最終日は笹川流れの眼鏡岩付近。遠く粟島も見えます。双眼鏡を使えば、町の様子も覗くことが出来ました。
建物を描くのも難しいですが、大自然の切り取り方もまた難しい。先生の言葉に耳を傾け、それに応えようとペンを走らせるお弟子さん達。どんな画材を用意してくるかは、事前の下調べも大事ですね。何でもかんでも教えてもらうのではなく、自分で考えることを要求する先生。そうだなあ・・・と納得。それはスキースクールでも一緒ですね。
岩場をつたって近いところまで行ってみましたが、こうして見ると、スケール感が分かりますかね。どこで切り取るかが難しいんです。何でもそうですけど、極めようと思えば奥が深い。極めようと思うから面白いんだと思います。
門前の小僧で、先生にくっついて歩いていると、絵を描く目の付け所みたいなのが、分かって来たように思いますが、気のせいかしら。