すーさんの山日記

山と釣りとテレマーク
八幡平の登山情報

エベレスト街道をタンボチェまで

2016-11-28 18:34:40 | ヒマラヤ/カラコルム

自然公園保護管理員の仕事が終わった後は、ネパールのトレッキングでした。

ネパールの震災後、エベレスト街道を歩くのは初めてでしたが、街道筋の復興は目に見える範囲では順調なようでした。

写真は、sherpa foundationのサポートで、倒壊家屋の再建が行なわれているところ。世界各国からの支援も届いていました。

ナムチェの下を流れていた川は以前よりも整備されました。時間により噴水が勢い良く水を噴き上げています。

とは言え、まだあちこちに地震の爪痕が見受けられます。

インド大陸がゴンドワナ大陸から分離し、ユーラシア大陸と衝突することで5000万年という歳月をかけて隆起したヒマラヤ山脈。

年に7cm程度のスピードで北上するインドオーストラリアプレートが、現在もヒマラヤ山脈を押し上げています。造山活動が続く限り、今後も地震と付き合っていかなけばならないのでしょう。

エベレスト街道は生活のための道。古から続くチベットとの交易路でもありました。現在も街道筋の生活のため、ヤク、ゾッキョ、ロバなどが荷を運びます。もちろん人力も健在。我々はそんな生活道を歩かせてもらうわけです。

道というからには整備も必要です。来る度に人の手により、人も家畜も歩きやすくなっていきます。

そんなエベレスト街道を20年以上も整備しているという齢80を越えるおじいさん。街道を通る方の寄付によって道が整備されています。表情から頑な意志が感じられました。そしてその意志を受け継ぎ、支えているのが若い奥さん。

今日もドネーションボックスを担いで、道の整備に向かって行きました。寄付を募ってやっていますが、決してお金目当てでは、こんなこと出来ません。これは強い意志です。私もかくありたいと思う次第。

そして街道筋の中でも被害の大きかったクムジュンでは、村のチョルテンの再建叶い、カトマンズからデューリンポチェをいう高僧が招かれ、開眼供養のプジャが盛大に行われているところでした。

イエティーの頭の毛皮が安置されていることで知られるクムジュンのゴンパは、再建に向け急ピッチ。本堂には入れませんが、イエティーの頭の毛皮は拝観できます。

トレッキングを終えてからはカトマンズ市内の観光。被害の大きかったボダナートもやっと修復が終わり、ちょうど開眼供養のプジャがこちらでも行われていました。

大勢の僧侶が笛太鼓を鳴らし、経を唱える。

日々の暮らしの中に祈りがあり、心の安寧がはかられる。

生活のすぐそばに、「死」を感じさせる場所がある。日本では「死」が、どこか遠いところへ行ってしまい、生活から隔離され、「死に対しての拒絶」ばかりが目につくようになった反面、命の重さが軽くなってしまったように思う。

エベレスト街道の復興のスピードに比べると、カトマンズ盆地の復興は遅れがちという感じ。しかし、こういう歴史的建造物はまだ良いほうなんでしょう。ちょっと裏へ入ったり、田園地帯へ向かえば、まだ避難所やブルーシートの仮住まいで生活を余儀なくされている人たちが大勢いるとのこと。

しかし楽観的雰囲気が感じられるところが、やはりネパール。

古い町並を歩いていると、つねに神様の目線に晒される。

人間は見られていると感じることで、規律を守ろうとする習性があるようです。犯罪抑止にも一役買っている形の神様たち。

こういう神様たちに見守られながら生活するネパールの人たち。

入り口の隅の小さな彫刻にも神様。

優しく微笑みかける神様。

神様へのお供え物が絶えることはありません。門前の供物屋のマリーゴールドはいつでも色鮮やか。

寺に日常あり。スマホ片手の若者たち。

確かに地震で傷ついた。しかし市民は案外弱くない。

神様はすぐそばにいる。

古都カトマンズは確かに傷つき、甚大な被害に見舞われました。復興にはまだ多くの時間を費やす必要がありそうです。

しかし、人々の暮らしの中には希望の光が差しているように感じました。

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しばし不在です

2016-11-11 19:04:20 | Weblog

いよいよネパールのトレッキングツアーの出発が近づいてきて準備に追われおりましたが、今日一段落。

昨日の岩手山。里の雪ももはや珍しくもなくなり、山の頂は真っ白でもう根雪になるのでしょうか?今年の冬は期待が持てそうです。

一昨日午前の白樺並木。今日は、また雨降りとなって雪がどんどんと融けていきましたが、しかし今年は降る予感。

 

しばし、ネパールトレッキングのため不在です。八幡平に戻ってくるのは11/28以降になるかと思います。メールの対応、ブログの更新、やや滞りがちになるかと思いますが、ご了承ください。

 

RASU-T

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16/17 G3スキー用品

2016-11-05 16:48:00 | グッズ

キャラバン社より今シーズン用の板2種類とクライミングスキン、スコップが届きました。

公園管理員の仕事も終わり、いよいよ冬モードに入りました。

テレマークブーツSCOTTのケナイは、この間ICIスポーツ盛岡店でインナーを成形してもらい準備万端。四戸さんありがとうございます。

板は今季からお目見えのファインダーシリーズの一番細い86。そしてステップソールの名器スティンガー78XCD。

クライミングスキンはトップに特徴があるスカラスキン。スコップはDグリップのアクティブショベル。

ファインダー86(右)の特筆すべきは軽さ。カーボンサンドイッチ構造で軽量化を図り、なおかつ滑走性もよし。カーボンって言うとパチンパチンの張りのあるイメージですが、わりとしっとり感ある仕上がりで好感触です。ファインダーシリーズにはもっと太いラインナップもありますが、私のような小回り系の方、テレマーカーにはこのぐらいのディメンションがちょうど良いように思います。

スティンガー78XCD(左)は今季で3シーズン目となるベストセラーのステップ板です。もう説明の必要もないでしょう。今シーズンはトップシートのグラフィックが変更。バインディングを青のタルガを合わせたら良い配色になりました。

初お目見えのスカラスキンの特徴は、この長くなったチップコネクターです。まだ雪上で試してませんが、この部分がラッセル時の走破性アップということ。

そして、収納時にはここに巻きつけて板状になるので、ザックの隙間に収納しやすい。チートシートも必要なしと、なかなか良さそう。

そしてアクティブショベルDグリップ。今やスコップも各社いろんな工夫を施して、鍬状になったりするものもありますが、スコップの本業は掘ること。このD型のグリップがやはり一番力が入りますよね。かなり本気モードの雪崩捜索訓練行ってみると、この掘る作業の大変さが身にしみます。多少かさばりますが、頻繁に使う方にはこの形が良いように思います。

キャラバン社の塚崎さん、禰津さんの後は任せました。今シーズンもよろしくお願いします!

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松川温泉~大深山荘 11/4

2016-11-04 17:51:15 | 八幡平(積雪期)

アスピーテライン、樹海ラインは本日の17:00をもって冬季閉鎖。ですが残念ながら今日も終日通行止め。私の自然公園保護管理員としての仕事も今日が最終日です。 

最終日は松川温泉から大深山荘へ。ブナ林の中もしっかり積雪。10cm程度。

今シーズンもあっという間に月日は流れ、もはや積雪期と言っても過言ではありません。

上倉沼も氷結。

日は差しているものの、風の強いこんな日に登る方もおるまいと思っていたら、先行者のトレースがあり、大深山荘分岐までのラッセルもなく助かりました。

分岐から大深山荘の間はまっさらの登山道。だいたい20cm程度の積雪で、吹き溜まりで膝丈ぐらい。こんな程度のラッセルでもけっこう疲れるもんです。

途中の開けたところから裏岩手縦走路が遠望できました。ほんの一月前は紅葉を求めて多くの登山者が訪れた裏岩手も、これから来年まではまた静けさを取り戻す。

北西側斜面のアオモリトドマツは着雪と霧氷で真っ白。

これぐらいの積雪のラッセルは、見た目浅そうなところに深いところがあったりして、けっこう堪えます。。。

大深湿原の木道もすっかり雪に埋もれ、ちょっとでも外すとズボッ!

大深湿原の水はまだジョンジョンと流れていましたよ。

霧氷遠望。霧氷の彼方に岩手山。

久しぶりに来てみると入り口のドアが5cmぐらい開いており、中に雪が吹き込んでおりました。これからの時期特に、使用後は最後に戸締りをしっかり確認してください。お願いします。今シーズン最後の掃除をしてご飯食べて、タッチアンドゴー。

この時期の雪山入門の良いコースだと思います。きっちり刈り払いもしてるので、よっぽどじゃない限り道迷いはないかな?どうかな?

風強く寒い1日でしたが、今シーズンの良い締めくくりが出来ました。

これからは本格的に積雪期に入っていきます。十分な装備と技術をもって臨んでいただきたいと思います。

昨シーズンにもまして、たくさんの方に八幡平エリアの山にお越しいただきました。ありがとうございました。

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七滝~大地獄谷~お花畑

2016-11-02 20:35:00 | 岩手山

やはり今日もアスピーテラインは終日通行止め。致し方なし。

こんな日は七滝コースを大地獄谷まで行ってみるもの良いと思いますよ。

と早速、七滝を少し過ぎたところから真新しいクマの足跡です。雪が積もれば、このように動物たちの動きが手に取るようにわかります。

クマの足跡は一服峠の上から七滝の少し上のところまで、登山道を何度も横切りなながらミズナラの木の付近を丹念に歩き回っているようでした。今度の降雪で、いよいよクマも焦り始めたのか?

一服峠の上のところでは、ドングリでもたくさん落ちていたのか、これでもかってぐらいに掘っくり返していました。

ミズナラがなくなるとクマの痕跡も消え、やや安心、でも少し残念。その代わり、コシアブラの葉っぱが氷漬け。

湯華採取跡まで来れば雪化粧の黒倉山。

降雪後は、雪が載ったササが登山道を覆うようになりますが、これも雪の趣。

焼切沢源頭まで来れば、いよいよ高山帯です。引き返すならここ。

大地獄谷まで上がって来れば、積雪時は要注意箇所もあります。

大地獄谷分岐まで上がって来れれば一息つけます。今日は岩手山山頂は見えません。

お花畑までの道のりに危険箇所はありませんが、雪の載ったササやハイマツが登山道に覆いかぶさっていたりするので歩きづらい。

お花畑手前もササをかき分けながら。。。雪がなければまったく引っかからずに歩けるんですけどね。

お花畑で積雪10cm程度でしょうか?これが根雪になるのでしょう?

晩秋の主役はダケカンバでしたが、降雪後はアオモリトドマツに交代ですね。

すっかり雪景色の焼切沢。

冬眠前のクマさんは一生懸命エサ探し。早めの下山で、クマとの遭遇を避けましょう。

今年はミズナラのある場所が出没注意でしょうか?

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初降雪@八幡平温泉郷

2016-11-01 17:03:30 | 八幡平(無雪期)

いよいよお里にも雪舞い落ちる季節到来。八幡平温泉郷も今季初雪です。

アスピーテラインや樹海ラインは終日通行止め。しかも下からずっと雪道なので、スタッドレスタイヤじゃないと御在所方面、松川方面も行けません。今日は緊張の運転でした。

奥参道の松川大橋では3〜4cm程度の積雪。もう少し雪が積もれば、スキーを履いて歩けそう。

11月に入ると同時の降雪。山一面真っ白です。冬眠前のクマもさぞ慌てていることでしょう。

松川渓谷の玄武渓谷は、若干残る紅葉と雪のコラボレーションがなんとも言えず絶妙。慰安旅行に来ていた三沢の米兵さんたちもご満悦だったことでしょう。

森の大橋からの景色もなかなかよろしい。この景色に出会えた方がどれだけいることか!今年は滅多に出会えない景色によく遭遇する年ですね。今後も油断せず、八幡平を注視していたほうがよろしいかと。

コメント (2)
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