能登半島でのボランティアで、長期不在にしておりました。
大学の専攻の同級生は輪島、クラブの同期も珠洲。能登半島には行ったことはありませんでしたが、何かと馴染みのあるところなのです。
ボランティア活動するにあたり、一般的なルートは石川県災害対策ボランティア本部に登録した上、金沢からボラバスで日帰り作業、よくて1泊2日ということで、何処か良いところはないかと探していたところボラキャンすずを見つけました。モンベルアウトドア義援隊がテントを提供し、オートキャンプ場に長期滞在しながらのボランティア活動を支援しています。
世界は、遠くから画面越しに見ているだけでは分からないことだらけ。実際行ってみなきゃ分からないものです。幹線道路はかなりの部分で通行可能なところまで復旧していますが、穴水あたりから、倒壊家屋が目立つようになってきます。
初めての能登半島、せっかくですから寄り道しながら。穴水のボラ待ち櫓。
地震の爪痕が残る能登半島でも、時期になれば桜も咲くし、燕も巣を掛ける。
安心して走れるところもありますが、油断してると段差でジャンプしそうなところも多数あり気が抜けません。
珠洲の観光名所の見附島、別名軍艦島は大規模崩落で軍艦らしさが無くなってしまいました。
全壊半壊家屋の撤去作業には、法律的な壁や、費用負担等の問題もあり、発災直後からほとんど景色が変わっていない場所も多い。このような場所では、専門的な技術を持ったチームが作業に入らないと先に進みません。
河口付近で地盤が軟弱なところでは液状化で下水管のマンホールが人の背丈ほど持ち上がられたところもあります。珠洲市内では下水の復旧はまだまだで、多くの場所で仮設のトイレが設置されています。
専門家により、家屋の安全性が判定され、危険性の高い家屋の入口にはこのような紙が貼ってあります。
仮設住宅の設置や、電気工事等、多くの職人さんも被災地入りして復旧に従事しています。
鉢ヶ崎オートキャンプ場にあるボラキャンすず。1泊¥500。テントに車を横付け出来ます。電源もあります。水道使えます。広場中央ではWifiも使用可能です。市内のドラッグストアで十分に買い出しも出来るので、長期滞在でも心配ありません。北は岩手県、南は福岡県、全国から集まった皆さんとの交流も楽しい。
トイレは仮設ですが、清潔な水洗トイレです。
キャンプにはコインシャワーもあるのですが、野々江にある「海浜あみだ湯」に通って、作業の汗を流します。地元の方は無料で入れますが、ボランティアは¥500です。安いです。番台のお姉さんの「明日もまた来てくださいね!」の言葉には、この災禍を生き延びてきたからこその実感がこもっています。駐車場に停まっている車ほど、中は混んでません。シャンプー、ボディーソープは持参したほうが良いですね。
珠洲市内の幹線道路は通行可能ですが、段差や傾斜あり、マニュアルの軽トラを運転していると、常にシフトチェンジを強いられ、余所見もダメ、飲み物も飲めません。
大袈裟ではなく、古い家だけではなく新しい家も、ほとんどの家が能登瓦が乗っかった屋根。古いお家では、分厚い重い瓦の下に土。相当屋根が重いはずです。
作業の合間に、地元の方々とのコミュニケーションも大事にしたい。作業場所近くの神社の春の祭りの神事にお呼ばれ。
能登半島北部木ノ浦海岸では、隆起した海岸線が白く縁取られていた。
ボラキャンすずからは、珠洲市ボラセン、能登町ボラセンに派遣しています。遠方からお越しの方には、高速道路無料措置がありますので、ボラセンで手続きしてください。
カーシェアリングにより、あちこちから軽トラが集まっています。ボランティア作業ではゴミ出し作業が多く、マニュアル免許持っている方は重宝されます。
能登の里山の景色は、後世に残したい風景です。今回の震災で、より過疎化、高齢化が進むことが考えられますが、行政は法律の柔軟な運用と必要十分な人員配置で、まずは復旧のスピード感をアップしてほしいと思います。
全国各地から集まる現場の皆さん、役人さん、職人さん、ボランティアさん、本当に一生懸命やってます。ありがとうございます。
能登の皆さんに一日も早く心の平安が訪れますよう。
荒井由実 - 瞳を閉じて - 1974