胃ガンが存在する背景の胃粘膜は
ほとんどがピロリ菌による「慢性胃炎」と言われます。
15年来の人間ドックのたびに慢性胃炎と指摘され続けていて
ある医師には"嫌な胃”とさえ揶揄される私の胃ですが
2013年夏の内視鏡検査の際に5㎜程の腫瘍が見つかり、その組織検査の結果は
「悪性か良性か判断できない」ということで「再検査を要する」
腫瘍(しゅよう):"出来物"のことで悪性のものをガンと言う
そこで翌2014年春に病院を現在のT病院に変えて
再度内視鏡検査を行っても、やはり判断が付かないとのこと。
後で知りましたが、慢性胃炎の存在がときに胃ガンの発見を困難にし
これに紛れて見つけにくいものを「胃炎類似型胃ガン」と呼ぶそうで
また5mm以下の「微小胃ガン」も発見が困難とされているようですので
この時点で疑いを持たれたことは毎年のドックの賜物と言えるでしょう。
結局、様子を見るか、切除するか、で選択したのが
内視鏡を使って胃の内側から腫瘍を切り取る内視鏡治療でした。
私の場合、5㎜程度の腫瘍に輪状のワイヤーをかけて
周辺を含めて10㎜ほど切り取る「内視鏡的粘膜切除術(EMR)」を
2014年8月に行い、その年のうちに再発予防のために
ピロリ菌の除菌も実施されました。
病変の大きさや部位、悪性度、潰瘍があるか等により
治療方法を選ぶようですが、近年は、治療の適応の拡大や技術的な進歩により
高周波のナイフで切り取る「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」が
普及していると聞きます。
潰瘍(かいよう):びらん(ただれ)のうち粘膜下層にまで達するもの
今回、女房の胃のびらんが早期胃ガンの潰瘍であることが判明し
内視鏡治療として行われたのも、このESDでした。
ちなみに私の場合のEMRは20㎜以下であることが実施の条件ですが
女房のこのESDは30㎜以下で潰瘍となっている場合にも
行われることがあるそうです。
(切り取られた病変部:白の目盛は1㎝)
8日間もの入院の目的が傷口の回復を促すための食事の管理であることを
経験的に知っていましたし、手術直後のK医師(私と同じ担当医)の
口振りから全く心配はしていなかった通り、術後の経過は順調で
予定された明日、退院の運びとなります
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