日本は世界でも指折りの長寿国として知られていますが、その実態は
最期まで元気に活動して天寿をまっとうするピンピンコロリ(PPK)は少なく
男性は約8年(女性は同12年)も介護された末に死んでいくという
ネンネンコロリ(NNK)が他国に比べて際立って多い「不健康長寿国」
または「寝たきり大国」と言われています。
(首都大学教授 星亘二先生の資料から抜粋・加工)
その最大の理由は皆保険制度と病院等の病床数の多さにあるとされ、具体的には
人口当たりの病床数がアメリカの4倍以上、患者の入院期間も3倍近く長く
このすぐに入院できる一見理想的な環境が、逆に寝たきりの高齢者を
増やしているのが日本の現実とされるのです。
つまり後期高齢者の場合、病院のベッドで点滴の針を刺したまま
トイレにも行かず過ごしたら、間違いなく寝たきりになるということです。
こうした事情もあって「大往生したけりゃ医療にかかわるな」(N医師著)
なる著作も登場するのでしょうが、今一つ現実的な
病気や病院との関わり方が分かりません。
そもそも「ピンピン」は生き方なので自ら努力することが出来ても
「コロリ」は死に方なので、心筋梗塞・脳出血・脳血栓等に代表される
死亡原因やそれの治療を担う病院に大きく左右されるため
一体どうしたら確実に実現できるのか
こうしたことから多分、私のような高齢者が今できることは
まずは運動で生活習慣病の発症率を抑えながらも、定期健診等で早期発見に努め
発見したら薬は少なめ、寝たきりの可能性が高くなる入院は短かめになるよう
早期治療による完治を目指すという、巷で当たり前に言われていることを
確実に実践することになってしまうのでしょう。
早期発見による完治が不幸にして叶わなかったりして
より深く病気や病院と関わらざるを得なくなった場合のことは
今後状況の変化に合わせて方法を探って行くつもりです。
【寿命と余命】
厚労省発表の平成29年簡易生命表によると
H29年の平均寿命(男性)は81.09歳、一方70歳の平均余命は15.73年。
70歳+余命15.73=85.73歳が平均寿命81.09歳より長い理由は
すでに死亡率が高い幼少時を生き永らえた人の方が長生きするからとか。
同様の資料から、75 歳まで生存する男の割合は 75.3%( 4人中3人)
90 歳までは 25.8%(4人中1人)。
出生者のうち、ちょうど半数が生存すると期待される
寿命中位数(2人に1人が生きられる数)は男 84.08 年。
平均寿命と健康寿命との差はH28年調査で8.84年、つまり85-8=78歳までは
介護を受けたり寝たきりになったりせず日常生活を送れる期間。
年々これらの全ての数字は伸びていることから、平均的に私も
今の時点ですでに85歳まではほぼ50%の確率で生きられ
かつ78歳までは介護なしで暮らせるはずです。
長生き願望は特にないですが、運動の効果による介護&寝たきりの短縮を
人並み以上に強く願っていますので、75歳で10歳の体力を維持した後は
そのまま成長の逆を辿るように直線的に体力を落とし、乳児と同じく1年程度
他人のお世話(介護&寝たきり)の後に85歳でこの世を去りたいと願っています。
もし目標通り80歳で10歳の体力を維持できた場合は、同じような経緯を辿り
かつこれは譲れない部分ですが、1年程度の介護&寝たきりの後
90歳で息を引き取ることが理想です。
繰り返しになりますが、どちらのケースにしても
たった1年の介護&寝たきりで死亡できる病気に"幸いにして"巡り合う確率は
極めて低く、これを期待することは全く現実的ではないのですから
この部分に関しては安楽死や尊厳死を含めた終末期医療の変化や
医療全般の進歩に注目しつつ、自分なりの方法を確立して行くことになります
******* その他参考 *******
【ロコモ】
ロコモ:「ロコモティブシンドローム」(運動器症候群)の通称。
運動器と呼ばれる骨や関節、筋肉などの身体を動かす仕組みの衰えが原因で
「立つ」「歩く」といった機能が低下している状態のこと指します。
主な原因として「加齢による衰え」や「運動器自体の病気やケガ」が挙げられます。
高齢化社会を迎え、国が「メタボリックシンドローム」(メタボ)の次に
国民に浸透させようとしている言葉です。
【運動する人は長生きできる】
今までの多くの研究結果から、運動能力があればあるほど長生きをするという
ことがわかっています。たとえ心臓病があっても運動能力が保たれている人は、
健康な人で運動能力のない人よりも元気で長生きすることができます。
また、運動していない人が運動を始めると、生存曲線を伸ばすことができます。
(社団法人日本心臓財団 N循環器内科部長談より抜粋)
【高コレステロールは長生きできる】
日本では多くの人が誤解しているのがコレステロール値の評価です。
高コレステロール群と低コレステロール群では、明らかに前者のほうが長生きです。
コレステロールはビタミンDや細胞膜、がん免疫細胞の材料であり
体の中で重要な役割を担っています。その一方、コレステロールを下げる
薬の服用により死亡率が高まることが証明されています。
(「ピンピンコロリの法則」著 医学博士H氏談)
(完)