私が全ての万年筆に同じ色のインクを入れているのは、例えばペン習字の時間、万年筆を取替えながら、その時の気分やコンディションに合うものを探しながら書きたいからです。
全てのペンに同じ色のインクを入れるとひとつひとつのペンに限定的な用途ができず、替えがききます。
目の前にコンプロット10を立てて、万年筆を取り替えながら書き物をすることを楽しんでいます。
それは手紙を書く前などでも同じで、これからの作業に使うペンを選ぶのは一瞬の楽しみで、使い出してそれが気分に合うものだったら、上手く字が書けるような気がします。
万年筆は本当に不思議な道具であり、工業製品であると思います。
いつも使う10本の万年筆が入っているコンプロット10から使うものを選んで使い始めますが、使い始めるまでそれが今の自分の気持ちやコンディションに合うのか分からないからです。
また上手く字が書けるペンとそうでないペンがあったり、人によって合う合わないがあることも不思議な感じがします。
何年も使い続けているのに、なかなか言うことを聞いてくれない。理解させてくれない、そんなところも万年筆にはあります。