元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

漆布塗りのトレイ

2006-11-19 | 万年筆
大阪であったある掘り出し物市で漆布塗りのトレイを見つけてペンの演出用に購入しました。
木地に布を張って、その上に黒漆を塗り、その上にラフに朱漆を塗ったとても味わい深いものでとても気に入っています。
最近このような日本の伝統工芸のものの魅力に取り付かれて、深く入り込んでいきそうです。
日本の美のあり方、渋さ。そんなところに私達日本人は帰って行くのかもしれませんね。

2 コメント

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情緒あふれる筆記具 (mtfuji)
2006-11-22 10:04:02
若い頃、自然のものや和風のものに全く興味がなかった私が、それらに興味を示し始めたのは三十歳頃だったように思います。何か特別な理由があったというわけでもありませんが、野の草や花の名前を知りたくなったり、伝統工芸の手法に興味を持ち始めてみたりしたのでした。そういえば、父がかつて自分の部屋に仏像の写真を飾っていたのを見て不気味だとしか思えなかったのが、今では好んで仏像を見に行くようになったりしています。これは単に嗜好が変わっただけだとは思えません。年齢と共に多少視野が広がったのではないかと思っています。万年筆は中学校に入ったときから使っていますが、当時の、単にメカニカルな筆記具だという印象から、今はもっと情緒的なとらえ方に変わってきているように思っています。
漆塗りの盆をペン皿のようにお使いになるのか、ディスプレイの材料にされるのか。いずれにせよ、日本的な情緒あふれる趣向で飾られるならそれは、私のような者にとっては好もしいあり方であるように感じられます。できれば綺麗な袱紗などを敷いて、茶道具を飾るようなたたずまいで飾られると良いだろうなと思います。
こうした情緒まで含めて味わえる筆記具は見ていて気持ちの良い物だと思います。
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情緒 (penandmessage)
2006-11-23 02:02:41
mtfuji様
情緒まで含めて味わえる筆記具というのは、私が目指しているところです。
人は文化的に成熟してくると、日本古来からの美のあり方、渋さを求めるようになると思っていますが、そんな渋さが認められる、成熟した産業の日本のペン業界もなってもらいたいと思っています。
業界がならなくても、私はそれを追及していきたいと思っています。
いつもありがとうございます。
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