元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

仕事の旅

2019-09-01 | 実生活


出張販売でいつもと違う交通機関に乗ったり、違う場所に身を置くことは好きで、観光できるわけではないけれど、旅を味わっています。

店が続いていくには出張販売に出ることが必要だと本能的に思って、出張販売に出るようになりましたが、仕事と旅を組み合わせたいとずっと思っていました。
こういう組み合わせ方になるとは9年前には思わなかったけれど、こうしたいという希望があって、それを想い続けると、自分の思考や行動がその方向に自然と向かい、わりと近い形になるのだと思います。

でも仕事で旅に出ることをやってみると、そう気楽なことばかりではなくて、旅費などの経費の他、店を留守にしていることなどを考えると、それに見合った成果を出して帰らないといけないプレッシャーがあります。

旅に出る前は気分が重くなるほどのプレッシャーだけど、怠け者の自分には多少の負荷は必要なのだと、自分で分かっています。


仕事は実験であり、店は実験室だと最近思います。

オリジナル商品を発売したら、お客様方がどう反応するか、どういう告知の仕方が効果があるのか、そして出張販売の成果はどうか、旅に出て自分が何を考えるか、そして長い年月を経て店がどう変化していくのかなど、すべての原因と作用、結果に興味が尽きず、店や自分の変化が面白いと思っています。
9月23日、当店は12周年を迎えますが、今の当店の姿や自分自身を当時想像できなかった。

自分や店の12年後の変化が分からなかったくらいなので、今の世の中もイメージできなくて当然です。
言葉では、世界は狭くなる、こちらがじっとしていても国際化の波に飲まれるとイメージしていたけれど、こんなに早く、一気に来るものだと思いませんでした。
気が付いたら、仕事において国境がなくなっていた。

そういった必要性もあって、来月一人で台湾に行くことにしました。
毎年台南で大きなペンショーが開催されていて、その視察に行くことが名目ですが、ほとんど台北に滞在して街やお店を見て来たいと思っています。

台湾は日本をお手本にして発展したのかもしれないけれど、商売の勢いとしては完全にリードされている。
台湾を見て勉強になったり、刺激を受けたいと思いました。

日本がアジアの先進国だった時代は10数年前に終って、今は精神的なお手本とならないといけない段階にきているような気がします。
日本に来られる方々は日本の文化や風土を良く思ってくれていて、それを味わうために来てくれる。
それに応えることができる品格を国家も人も身に付けていないときっと、誰からも相手にされなくなってしまうと思います。