(これはお手本ではありません。私の書いたものです。ご安心下さい。)
原稿用紙でできる遊びについて考えている。
万年筆を使う人なら誰もが使ってみたいと思って、原稿用紙に憧れるのは文豪のイメージがあるからだと思います。
私は、狂言師の安東伸元先生からいただくお手紙がいつも原稿用紙に、升目を無視したようにとばして書かれていて、かっこいいと思っていました。
それは憧れであり、原稿用紙のイメージになっている。自分も安東先生のように升目をとばしてカッコよく原稿用紙を書きたいと思うけれど、なかなかサマにならない。
でも夏の夜は蚊取り線香の匂いを嗅ぎながら、太字の万年筆で升目を埋めたいと毎年思います。
当店で扱っている原稿用紙は老舗の満寿屋(ますや)のもので、その紙は数種類の万年筆のインクでチェックしている万年筆のために作られた紙を使用しています。
紙の種類が2種類あり、クリーム色の紙はにじみがほとんどなく、白色の紙はインクの伸びがいい。
どちらも書き味は良いけれど、2つの紙の違いは使うインクの違いだと私は思っています。
もちろんそれぞれの紙の色に合ったインクの色もあると思いますが、インクの性質と紙質の相性で言うなら国産のパイロット、セーラーなどのインクを使うならクリーム紙、ペリカン、モンブランなどドイツ系のインクを使うなら白色のデラックス紙のものを使うと快適に使うことができると思いました。
原稿用紙での遊びに話を戻すと、私も使おうと思ってブログの下書きなどを原稿用紙に書いてみたけれど、自分の言葉はメモ帳に下書きする方がやりやすく、パソコンに入力できたら捨ててしまうというのが自分のやり方だと思ってすぐに諦めました。
先日城崎に行ってきましたので、「城の崎にて」を書き写ししてみました。
ただ写すだけだと思っていましたが、なかなか奥の深い、楽しみながら万年筆を使うことができるおのでした。これも原稿用紙と万年筆を使った遊びで、皆さまにもお勧めしたいと思いました。
もうひとつは写経でした。
毎月第1金曜日に当店で開催しておりますペン習字教室で堀谷先生がお手本として書いて下さった般若心経を書き写してみました。
文字の練習にもなるので、なるべく堀谷先生のお手本に似せるように書く。
漢字ばかりなので、何かサマになるような気がしました。そして心が落ち着く時間。
夏の間、当店では原稿用紙を皆様にもお使いいただきたい、原稿用紙と万年筆で遊んでいただきたいと思い、満寿屋の原稿用紙などで通常扱っていないものも揃えてみました。
9月23日(金)までの期間中に、当店で原稿用紙お買い上げのお客様に堀谷龍玄先生の書かれた般若心経のお手本を差し上げておりますので、ぜひ原稿用紙で書くことにお役立ていただきたいと思っています。