万年筆を使い出して10年も20年も経つと万年筆に対する興味とか喜びがなくなり、冷めていくかもしれません。
でも万年筆を初めて手に取るような人の反応を見ていると、何か万年筆に対する気持ちが若返るような気がします。
例えば私がコンプロット10に入れている万年筆を初めて万年筆を使うという人に書いてもらってみると、書きにくいという人はほとんどいません。
万年筆が書き味が良くて、書くことが楽しくなることは誰もが分かることです。
私はその誰もに良さを分かってもらえるところが、万年筆の最も優れているところだと思っています。
万年筆というのは、こんなにも書きやすいものなのですね、と言われると誇らしい気持ちになります。
非常にたくさん色数があるインクも、驚いてもらえるに足るもので、黒だけでもメーカーによってこれだけの種類があって、どれも微妙に違うのです、と言うのが色見本を初めて見る人に対する常套句となっています。
当店は初めて万年筆を使うという人がよく訪れます。
その人たちの万年筆への反応とか、喜びを見ているから、私の万年筆への情熱も冷めないような気がします。