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元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

今日のAntou

2020-04-26 | 実生活

Antou(アントウ)のボールペンは、替芯の固定を口金で挟むような方法をとっているので、替芯のサイズや形状に制約されずに使うことができます。ボールペンは、純正品以外の芯を使った時に、先のチップの口径がメーカーによって違うために、チップと口金に隙間ができて、書くときカチカチと音が鳴ったり、振動が手に伝わったりして気になります。
しかし、Antouは口金で芯を固定する方法のために、どの替芯をいれてもカチカチ音がしないことも強みのひとつです。

パイロットハイテックCは、細字ゲルインクボールペンの流行を作ったハシリとも言える超定番品で、米粒に文字を書くというデモンストレーションなどが有名なペンです。
そのハイテックCの0.4や0.5の太目のものの書き味がとても良いとずっと思っていました。
インク出も良いし、倒し気味で書いても書き味がカサカサしません。フリクションボールペンのチップの形が最近変更になって、インク出が良くなったのもハイテックCのようなニードル形状のチップの方がインク出において有利だと分かったからだと聞いたことがあります。

ただ、ハイテックCは替芯の固定方法が独特で、他のものと互換性がありませんでした。ボディも良いものを使いたいといつも思っていましたので、自然と使わなくなってしまいました。

しかし、AntouのボールペンではハイテックCを使えることが分かりました。芯をそのまま差し込んで使うこともできますが、チップ付け根のハネのような部分をカッターで切り落とすとより長めに先を出すことができます。ずっと使いたいと思っていたハイテックCをまた使えるようになりました。

私はAntouの適度に武骨で、シンプルなデザインも気に入っているけれど、このボールペンの良いところは替芯をいろいろ探す楽しい時間をくれるというところだと思っています。

ちなみに、Antouのボールペンにはブラック、ガンメタ、シルバーの3色があります。売れ筋はガンメタらしいですが、私は他の持ち物とのコーディネートもあってブラックがいいと思いました。素材はアルミなので自然なのはシルバーなのかもしれませんが、好みが分かれるところで、売れ筋に左右されず、お好みに合うものを選びたいとものです。


好きな色

2020-04-24 | 実生活


齢をとって好きな色ができました。緑色ですが、緑色と言っても様々な緑がありますが、オリーブグリーンに惹かれます。
好きな色があるというのはなかなか楽しいもので、その色をしているだけで買いたくなってしまいます。それが買う理由になる。

インクの色でもオリーブグリーンに近いものをいろいろ使ってみたいと思っています。
ヤーチンスタイルのジュエリーインクのマラカイトは、かなりオリーブグリーンに近く、原稿の下書きなどに使っています。
顔料インクでにじみ、裏抜けが少ないので紙を選ばないし、優しい色目だということもあり、顔料インク独特の紙表面にベッタリと乗るような感じもありません。
インクとしては高いとよく言われますが、凝りに凝ったボトル、こだわり抜いて作った色など無駄に高いわけではない。
オリーブグリーンを引き立てる色にも興味が行きます。金属ならマットブラック、革ならこげ茶など、モノを選ぶ時に選びやすくなるけれど、好きな色はその周りの色にも波及して買う理由になります。


好きな色のコーディネートを考えることは、ものすごく楽しいことですが、今の状況は楽しいことばかりでもなくて、当店も当然売上が落ち込んでいます。

店を守るために、ウイルス禍が去った後に今まで通り立ち続けるために、コロナ関連の補助金を調べたり、お金に関することばかり気が付けば考えている。
店主としてこれらのことを考えて、打てる手は全て打つのは当然だけど、ある程度考えたら、その方向のことよりも、次の世界のことを考えた方がいいのではないかと思い始めました。

お金のことを考えることが前向きではないと言っているのではなく、窮地に陥っている時にすがる藁を探す気持ちが前向きではない心のあり方だと思い始めました。

きっと皆苦しんでいて、それでも立ち続けて前向きに考えることができた人だけが、新しい世界でも商売を続けることができるのだと思っています。

今のウイルス禍をやり過ごした世界は、きっと新しい、今までと違うものになっていて、その新しい価値観にどう適応していくかを考えないといけない。
私たちは、新しい価値観とはどういうものかということと、その中でどう生きていくかということの2つの答えのないことをきっと考えないといけないけれど、そういうことを考えるのは嫌いではない。

私は天邪鬼なので、皆が一気に流れる方向には行きたくないと思ってしまう。自分で考えて、自分が最初に始めたと思えることでないとやりたくないと思ってしまうので、そういうやり方をしたい。

経験とか、勉強とかとは違う、嗅覚のようなものに頼って、切り拓いていく状況なのかもしれないけれど、特に日本が今の状況を乗り越えることができたらと思います。


Antouのボールペン

2020-04-20 | 実生活

惚れっぽい性格で、一度行けばその場所のことが好きになって、ずっと気になります。
台湾も昨年10月に行ってからずっと気になっています。また行ける日がくればいいけれど。

台北の近代的な街の景色もすごいと思うけれど、やはり台北の裏通りや台南の古い建物が並ぶアジアっぽい街の風景が八角の香りとともに心の深いところに入り込んでいます。

Antouというのは台湾中部の彰化市にある土地の名前で、ローカルな地名から名付けられています。
このボールペンを製作したのは、欧米のブランドの仕事もしているダイキャスメタル社という会社です。
町工場が軒を連ねるAntou地区の中では成功している会社で、地元を盛り上げてAntouの土地を世界的に有名にしたいという夢を持って、このステーショナリーブランドの名前にしたそうです。

そういった地元に誇りを持って、活性化したいという気持ちに共感します。
北長狭通は飲食店が多いけれど、その筋では有名な実力あるお店が点在します。神戸の片隅のこの街に私も誇りを持っていて、いつまでもここで万年筆店を続けたいと思う。
そして、この地域にお客様が来られる役に少しでも立てるようにしたいと思っています。

Antouのマルチアダプタブルペンは、独自の機構を持ち、使う替芯に形やサイズの制約がなく、好きな書き味の芯を使うことができます。
台湾のデザインは抑えが利いていて、洗練されているものが多い。このペンのそんなところも気に入っています。
ゴツゴツした質感を残して、素材感が感じられるところも好きな人は多いと思います。

私も使い始めています。今はゲルインクの芯をいろいろ入れ替えてみましたが、店の営業を再開したら油性ボールペンの芯を入れて、お客様の前で使うペンにしたいと思っています。


ペン先調整

2020-04-18 | 実生活

当店はペン先調整をすることができるから続いてくることができたのだと思っています。
もし普通に仕入れたペンを販売しているだけだったら、とっくになくなっていたと思います。

それほどペン先調整ができるというのは、万年筆を販売する上でアドバンテージになります。
この世の中で生きる力として自分にペン先を調整が与えられていることに感謝しています。
ペン先調整を身に付けたいと上司にしつこく掛け合ったり、役職を越えて直訴したりして、それを了承して研修に行かせてくれた前職の会社にも感謝しています。
万年筆を販売する以上、会社にも、自分のスキルとしてもペン先調整が必要だと思っていました。

それができるようになる前から、自分にはできるような気がしていましたし、ペン先調整という作業が好きでした。好きなのは今も変わっていなくて、毎日楽しいと思いながら調整しています。

私が目指しているのは、ただ100%普通書ける(それも尊いことだけど)万年筆ではなく、極上の書き味の万年筆です。
ペンポイントを磨き過ぎたり、手を入れすぎることは、私は嫌いだけど、その万年筆を使う人がそのペンを使ううちに最上の書き味になっていくようにしたい。自分の思い通りにムニュッとインクが出てくれて、滑らかに書ける万年筆。それはきっとどこに持って行っても、誰に見せても恥ずかしくないもので、その万年筆の美しさをさらに引き立てる、価値を高めるペン先の調整をしたい。

以前の自分にペン先調整をお申し付け下さったお客様には申し訳ないけれど、齢をとるごとに、良いペン先調整ができるようになりたいと思っています。
実際に10年前と今とでは、その違いは雲泥の差です。
でももっと上手い人を知っている。その境地にたどり着けるように、楽しみながら腕を上げたい。


オリジナルインク

2020-04-14 | 実生活

30代半ばの時に茶道の考え方に触れて、日本的な美意識について考えていました。茶道や日本の工芸に関する本を探して読んだりして、そのモノの美しさに対する考え方を日本人として感性で理解できていると思っていました。
インターネットのおかげで、情報は距離に関係なく手に入れられるようになって、世界は狭くなっていくと思っていました。
そういう世界だからこそ、日本の感性が感じられるモノ作りでないと世界で通用しないと考えていて、オリジナルインクも日本的美意識を感じられるもの、日本人が直感的に美しいと思える簡素の美 墨絵の世界の中の色をインクで表現したいと思って冬枯れインクを作りました。
グレーほど薄くなく、ブラックほど濃くない、書いた後紙にスーツと沈んでいく濃度。ページいっぱいに書いてもうるさくならないインクとして私も気に入って使っています。
インクブームが来るまでのオリジナルインクに対して、ロットが多く在庫負担になるわりに、売上の足しになりにくいと思っていましたが、店のこだわりや世界観を表現するものとして必要なものだと思っていました。
インクブームが、主にアジア圏からのお客様を中心としたインバウンド需要とともに突然訪れて、日本中のお店がその波に飲まれました。
当店もその恩恵を受けていましたし、毎日にように来られる言葉が通じないお客様に対してスリルを感じながら応対することが楽しかった。
その時、国境は感じられなくなり、世界は狭く感じられたけれど、これは今だけのことだと少し冷めた目で見てもいました。
以前にイメージした世界になっているのに、冷めた目で見ていた自分が可笑しいですが、いずれ終わると思っていたインクブームが懐かしく感じられます。
きっとあんなことは二度と起こらないだろうと思います。
私たちステーショナリーの店、業界の人間はインクに次ぐ一手を考えないといけなかったけれど、それと同時にコロナウイルスで全く変わってしまった世界の中でどう生き抜くか考えないといけなくなった。
自分たちのこだわり、世界観を表現するために作っているオリジナルインクに、過ぎ去ってしまった懐かしい日々の思い出が付け加えられたことで、オリジナルインクはますます大切なものになったけれど。

 


自分の書く文字

2020-04-12 | 実生活


私が最も美しい文字が書けると思っているアウロラ88クラシック<F>

 

名前を出しても怒られないだろうと思います。狂言師の安東伸元先生からいただく手紙は満寿屋の原稿用紙の桝を無視して書くような書き方をされていて、こんなふうに自分も書きたいと思ったことがあります。
原稿用紙の桝に縛られず、そこを縦断したりする続け字は迫力があり、説得力があり、筋の通った生き方をしている、心の強い人の文字だと憧れました。

自分でも何度もやってみたことがありますが、上手くいかない、恥ずかしいものになってしまいます。

安東先生の原稿用紙の「桝飛ばし」について、大和座狂言事務所のK女史とよく言い合いますが、生き方から変えないと私たちには何年かかってもできないのではないかという結論になります。
私は無理かもしれないけれど、信念を貫く生き方をしているK女史なら、書けるようになるような気がするけれど。

原稿用紙の桝を飛ばした自由な感じのする続け字は書けないので、せめてドッシリとした文字を書きたいと思いました。
こういうことを言い出すこと自体、自分はドッシリと腰の落ち着いた人間ではないと言っているようなものなのかもしれないけれど、丁寧にゆっくり書けば、まだドッシリとした文字なら書けるような気がします。

ドッシリとした文字と言うと、開高健さんがモンブラン149の太字で、文字の些細な形を気にせず書くような丸い文字を連想する人も多いと思いますが、毎月堀谷龍玄先生にペン習字のご指導をしていただいているし、書道教室にも通っていたので、少し文字の形を気にしながらドッシリした文字を書きたいと思いました。

ノートにシャープペンシルで下書きをする時はいい加減ですが、特に手紙などは気を付けるようにしています。

ドッシリとした文字と言うと太字の万年筆で書くイメージを持たれる方が多いかもしれませんが、字幅はあまり関係がないような気がします。大きい文字を書くのなら太字でもいいですが、私は細字でもドッシリした文字になると思っています。

こんな時世なので、文字の形を気にしながら、新聞や小説の書き写しなどしてみて、自分の書く文字のスタイルを確立する練習ももっとしたいと思っています。

 


好きなインク

2020-04-06 | 実生活


ローラーアンドクライナーのインク。同じドイツのペリカンとの相性は特に良いと思っています。


万年筆のボトルインクの話。ペリカンロイヤルブルーが品切れしています。
ドイツは企業活動までは停止していませんが、コロナウイルスの影響があるのかもしれません。

ペリカンのロイヤルブルーは万年筆のインクの定番中の定番で、当店も試筆用のインクとして使っています。
ロイヤルブルーは普通のブルーのインクよりも少し赤味がかっていて、紫色に近い色で高貴なブルーとされています。

ロイヤルブルーはペリカン以外からも発売されています。
モンブランのロイヤルブルーはまた少し違う色なので、その色にあまり厳格な規定はないのかもしれません。

ペリカンが品切れしているからではないですが、私は今はローラーアンドクライナーのロイヤルブルーを集中的に愛用している。
そのインクにハマると全ての万年筆に同じインクを入れたくなるので、いつも集中的に使うことになります。

ローラーアンドクライナーのロイヤルブルーはペリカンやモンブランと比べると少しだけ粘度が高いように思いますが、私が使っているペリカンやウォール・エバーシャープ、ファーバー・カステルとも相性が良く、書き味の良さにも貢献しているように思います。
万年筆を愛用している人なら知っていることなのかもしれませんが、インクによって万年筆の書き味は違ってきます。私は肝心な色よりも、書き味でインクを選ぶところがあります。

ローラーアンドクライナーは、万年筆用のインクだけでなく、付けペン用のカリグラフィインクも発売しているドイツのインク専業メーカーです。

グーグルアースでその場所をたどってみたら、ライプツィヒ郊外の田舎に工場があり、そんなところも想像力が掻き立てられ気に入っている。
ニュルンベルグ郊外の田舎を電車乗って降りたいと思った駅で降りたり、ブラブラとで歩いたことがあって、その時の思い出と重なるからかもしれません。

ドイツのモノ作りの企業はたいてい田舎にあって、その土地を誇りに思っているように見受けられます。
私も神戸の片隅で店をしていることを誇りを持っているし、この街の活性化することに万年筆やステーショナリーが貢献できたらと思っています。

今はそれぞれ自分たちの街から出ることを自重するべき時だけど、今の騒動が過ぎたら、神戸が日本中からだけでなく、世界中から人が来る街になって、訪れた人が良い街だと思ってもらえたらと思っています。

以前はどこか良いところがあればどこにでも行きたい、神戸の街とともに沈んでいくのは嫌だと思っていたけれど、今回のウイルスの騒動のせいかどうか分からないけれど、心境が変わってきました。

 


防疫と暮らしのバランス

2020-03-22 | 実生活


これは昨年の画像ですが、角の桜がチラホラ咲き始めました。

 

今の状態になって2か月が経ちます。
ウイルスの拡大防止に協力しないといけないけれど、今の何かに頭を押さえつけられているような状況に嫌気がさしてきて、そろそろ気分を変えたいと皆思い始めているのを感じます。

私たちのような店は、売上という成果が自分たちの給料になっているので、外の世界がどうなっていても店をまず開けないといけない。
世間は今も非常事態に近いものであることは分かっているけれど、もう一方の頭では自分の生活や店の運営という現実があって、バランスを取らないといけない。

専門家という人は自分の専門分野であるウイルスの拡大防止だけのことを考えていたらいいけれど、私たちの生活はそれだけでは成り立たない。防疫も大事だけれど、それだけを言っていられない。

本当は様々な専門家の意見を総括して政治がバランスをとるのかもしれないし、メディアもその責任を負っていると思っているけれど、どちらも様々な専門家の意見をそのまま伝えているだけに見える。
だから私たちは自分でバランスを取らなくてはいけないけれど、きっと先人たちは皆そうやって生きてきたのだと思います。

私たちに正しい情報が届いているのか分からないけれど、いろんな噂や報道で聞くわりには自分の身近な人で感染したという話を聞かない。

ウイルスを恐れないわけではないけれど、私はそれよりも自分たちの日常が立ち行かなくなることが怖い。そしてウイルスの拡大防止ということを振りかざして人を糾弾したり、今の混乱を利用しようとする人の心の変化が怖いと思う。

当店は今までコーヒーの提供を中止していましたが、本日から再開いたします。


すり替わる脅威

2020-03-20 | 実生活

今回のウイルスの件で、店として一番怖いのは風評被害だと思っていました。
もしあの店からウイルスが広まったという噂が(報道が)されることがあったら、きっと店の営業はできなくなるだろう。

噂(報道)の怖さを身近に感じたのは10数年前の新型インフルエンザの時で、最初に確認された患者さんが神戸の高校生だったので、神戸に降りた途端にインフルエンザの危険にさらされるような報道がされて、神戸から人が消えたことは私としてはリーマンショックよりも恐ろしい経験として心に残っています。

別に悪口を言うつもりはないけれど、私とよく似た名前の大阪府知事は今回の兵庫と大阪の往来の自粛を要請するという初の試みをやって、兵庫県という身近な共通の脅威の対象を大阪府民に示して、防疫に対して府民を団結させることに成功して株を上げるだろう。

でも兵庫県にはさらに人が来なくなるだろう。
コロナウイルスに感染している人が実際の数値が公表よりも100倍多かったとしても、それは兵庫県で考えると500人以上に一人という確立になるのではないか。それは大流行と言えるのだろうか。


私は実際のウイルスによる病気よりも噂(報道)や人の心が怖い。
実際の脅威は目に見えないウイルスなのに、人はどうしても人や場所など具体的な対象を見出そうとする。そして、そういうことだけは一人歩きしてどんどん広まっていく。今の時代は冷静に考えさせる情報よりも、感情に直接働きかける情報の方が伝わる。だから具体的な目に見える脅威を示す。


目的は情報を広めることではなく、ウイルスを克服することだけど、それがすり替わる、すり替える人がいることが怖いと思っています。
 


年代の実感

2020-02-25 | 実生活

その齢だからこそ考えるようなことがあって、それはその齢を経験した人でしか分かりません。私がその齢年で考えたことは、私より若い人の参考になり、同世代の人と共感し合えることかなと思いますのでなるべくその齢での心境のようなものを書いておきたいと思っています。

何か迷いがある時や、次なる扉を探している時に本屋さんをさ迷います。
何か自分のヒントになる本はないかと思って、答えが書いてあるものを探して本のタイトルを見たり、少し開いてみたりします。

こういう時に目的に合った本に出会えることはないけれど、全く意識していない時に出会ったりするので、本
の責任ではなく、私の探し方が悪いだけなのだと思います。

でも最近そうやって本を見ながらモヤモヤと思うのは、答えはきっと自分の中で見つけ出さないといけないのだということです。
次なる道、方策はお客様や誰かと話している時やペン先調整をしている時に思い当ったりすることが多い。

51歳という今の年齢になって思うことは、50代になると今自分が持っているもの、それまでの時間で自分が吸収したもの、やってきたことなど、持っているものを駆使して、それらをどう表現する問われる年代なのだということです。
50歳になる昨年にも似たようなことを書いたことを思い出しました。 https://blog.goo.ne.jp/penandmessage/m/201908 

人生と言わないまでも、仕事の集大成が試されるような年代が、そしてその後の仕事と人生をどういう方針で進んでいくかを決めなければいけない年代なのだと、薄っすらと思い始めています。

これらはボンヤリと思い始めていることだから分からないけれど、同年代の人が同じように思っているのなら、この年代特有の、私たちのDNAにインプットされているものなのかなと思ったりします。

それぞれの年代で、モヤモヤと考えたり、心の中から静かに突き動かされるような感覚に導かれるようなことがあって、それらの感覚は漠然とした方針しか伝えてくれず、具体的なことは何も教えてくれない。

それは自分で考えろということなのだと思っています。