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元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

修理 

2017-11-18 | お店からのお知らせ

靴底はメーカーによりますが、3,4日おきに履いたとして1年半くらいでかかとを交換して、3年くらいで全ソール交換することになります。

そのたびはお金がかかるけれど、信頼できるリペアのお店と出会ってから、靴を修理に出すことが楽しくなりました。

外でも着れるけれど、店の中で着るジャケットがあり、手をテーブルの上に置いて作業するので、袖口が擦り切れてきた。

他はどこも何ともないのでもったいない。

本当に直るか分かりませんでしたが、ここだと思った服修理専門店に持って行くと直ると言います。

靴も服も修理できると思うから、思い切り使うことができる。修理できないものだと怖くて使うことができません。

それに、愛用しているものが、少しシャキッとした姿で修理から戻ってきた時の愛着のような感覚は、新品を手に入れた時とはまた違う喜びがあります。

そういった自分の体験があって、古い修理できなくなった万年筆の修理を何とかしたいと思っていました。

今までだと修理を受けたらそのままメーカーに出していて、古くてメーカーに部品がなければ修理できませんでしたと、そのままお返しするという状態だったので、万年筆専門店と言いながら、お客様に申し訳ないことをしていました。
でも、考えてみると、部品がないから修理できないという部品交換だけの修理ならメーカーでなくてもできるような気がする。

修理はできた方がいいことは分かっていたけれど、修理をし始めると私自身がやりたいことができなくなるし、そういった作業自体あまり好きではないと避けてきましたが、需要があることは分かっていました。

ちなみにペン先調整と修理とは違い、ペン先調整は販売するものをより良くするための、万年筆販売において当店の標準装備のサービスです。
お持込の万年筆のペン先調整は、その延長だと思っています。

もう2年になりますが、スタッフMが当店に入ってくれて、彼の適性を見てきました。

私と違って地道な作業を根気強く、粘り強くできる人間だということが分かった時に、当店の課題だった修理を任せることができると思いました。

古い万年筆の修理だけでなく、別件でも修理が大きな鍵となると思い、全てが符合した。これに関しては何を言っているのか分からないと思いますが、いずれ分かる日がきます。

まだまだ二人で勉強中だけど、スタッフMも独学で知識を吸収している。中にはお断りするものもあるけれど、直る万年筆が増えたことは当店の万年筆店としての専門性を上げることにつながっています。

 


KA-KU(カーク)奈良店の調整応援 7/1(土) 2(日)

2017-06-11 | お店からのお知らせ

6月末から7月上旬まで3週連続で週末は出張しています。

6/24,25は札幌、7/8,9は福岡の出張販売イベントの間の週7/1,2はKA-KU奈良店さんでペン先調整の販売応援をする予定になっています。

これは当店のものを販売するのではなく、KA-KU奈良店さんで万年筆を買って下さったお客様のアフターサービスと調整販売をするというものです。

お持込みの万年筆のペン先調整も3500円(字幅変更は8500円)で承ります

当店だけでなく、他所の店でも書きやすい万年筆を買えるようにしたい。

そうすることが万年筆を使う人を増やすことにつながると思い、私に、当店にできることを考えて、KA-KU奈良店さんにお声掛けしたところ賛同して下さったので、今回の調整応援が実現しました。

これもまた初めての試みで、どうなるか分からないですが、繰り返すことでお客様に認知されて、KA-KU奈良店で万年筆をご購入いただくお客様のお役に立てるものになっていくと思っています。

KA-KU奈良店は、近鉄大和西大寺駅近くの奈良ファミリー内にあります。平城京跡のすぐ近くのいいところです。

どうぞ、よろしくお願いいたします。


札幌でのイベント 6月24日(土)25日(日)

2017-04-16 | お店からのお知らせ

北海道は憧れの土地で、ぜひそこで仕事をしてみたいと思っていました。

大学生の時、冬の北海道を3週間か1か月か忘れてしまったけれど、のんびりとさすらったことがあります。

まだトンネルが通っていなくて、日本海で青森までいって、激しく上下に揺れる青函連絡船に乗って函館に入り朝市に行きました。

訪れた函館、札幌、小樽は冬でもとても美しい街で、大学生の一人旅にはもったいないようなところでした。映画のロケにも出会いました。

札幌から夜行で着いた稚内の朝は日本最北端を感じさせる寒さと暗さだったし、流氷を見に行った紋別では地吹雪で町中で遭難しそうになった。

網走、釧路、根室など、旅程の半分以上は道東のどこかを歩いていて、鉄道沿いにあるささやかな人工物と大陸を感じさせる大自然を見ながら、一人旅を楽しみました。もう30年も前のことなのにとてもよく覚えている。

その後10数年前に家族で行った夏の北海道、富良野、夕張などは、気候も良くて、自然も美しい天国のような場所に思えました。

また必ず来たいと思っていました。

今回札幌しか訪れることができないけれど、イベントを札幌で開催することができるようになったのは、当店のネットショップを利用して下さったり、神戸に来られた時に来店して下さったお客様方と、会場を貸してもいいとお申し出下さった北晋商事の金さんおかげですが、自分自身がまたここに帰ってきたいと強く思っていたことが大きく作用していたように思っています。

札幌でイベントをすると公表してから、それならこの万年筆を持って来て欲しいと、リクエストして下さるお客様が何人もおられて、歓迎して下さっていることが分かり、とても有り難く思っています。

どうせ行くなら、なるべく多くの人の顔を見たい。そんな想いで、私単身での開催ですがなるべく普段通りの当店を札幌でお見せしたいと思っています。


6月24日(土)25日(日) 10時~19時 ギャルリ ノワール・ブラン 札幌市中央区南2条西6-5-3住友狸小路プラザハウス2F


出張販売

2017-04-09 | お店からのお知らせ

・札幌 6月24日(土)25日(日)10時~19時 ギャルリノワールブラン(札幌市中央区南2条西6-5-3住友狸小路プラザハウス2F)

・福岡(工房楔との共同イベント) 7月8日(土)9日(日)11時~18時(9日は16時まで) ギャラリートミナガ(福岡市中央区大名2-10-1シャンボール大名A-103)


今年は当店10周年ということもあり、昨年とは違う年にしたいと思っていました。

オリジナル商品を積極的に作ることもしたいけれど、それでは今までしてきたこととそれほど変わりがない。

今の自分にとって、無理しないといけないけれど、それを繰り返すうちに無理だと思っていたことが嘘のようにスムーズにできるようになるような、成長につながることを始めたいと思いました。

この10年、ずっと店の中でお客様をお待ちして、それで当店の仕事は成り立っていましたが、外に出て行って仕事してみるのはどうだろうと思い始めていました。

昨年1月の代官山蔦屋書店でのイベントはそれを実験するのに、とても良い機会でした。

慣れていなかったのでとても大変でしたが、ある程度やれるのではないかと思いました。

まずそれぞれの地域の中心となる都市、札幌と福岡で短期出店をして、それらを毎年恒例にしながら、少しずつ増やしていきたいと思っています。

札幌はローラーアンドクライナー、ダイヤミン、KWZインクなどの輸入代理店の北晋商事さんのギャラリーをお借りして、当店オリジナル商品、や特別調整万年筆、革製品を中心に品ぞろえしようと思っています。

イベントのための温存している特別仕様の商品もありますので、ぜひご来場下さい。


福岡は工房楔の永田さんと共同開催です。

当店は札幌での品揃えを福岡用にも用意しています。永田さんもこのイベントのためにがんばって木製品を製作してくれています。

暑い季節が始まる頃ですが、どうぞご来場下さい。

 


文集「雑記から3」原稿募集のお知らせ(3月末まで)

2017-03-14 | お店からのお知らせ

当店のメモリアルイヤーにはいつもお客様から原稿を募集して、文集を作っています。

10周年を迎える今年も作る予定で、3月末まで「記念の万年筆」についての1200文字程度の原稿を募集しています。

何かの記念に手に入れた万年筆にまつわる話、個人的な想いなどをお寄せ下さい。

メール(penandmessage@goo.jp)でお送りいただくと、有り難く思います。

当店は万年筆店なので、お客様方になるべく万年筆で書いていただきたいと思っています。

書くことを楽しんで、それを日々の生活の張り合いのように感じていただきたいと思っています。

もしかしたら、当店にとって万年筆というのは二義的なもので、この店の第一の目的は書くことを楽しんでもらうようにすることにあるのかもしれません。

書くことを楽しむために万年筆が最も適している。だから当店は万年筆店なのかもしれません。

万年筆で特別なものを書いていただきたいとはいつも思っていなくて、手帳を書いたり、日記を書いたり、メモを書いたり、日々皆様が書かれているものを万年筆で書くことによって、それが楽しいと思っていただけたら素晴らしいと思う。

毎日の暮らしの中に書くことが溶け込んでいて、その生活にさらに潤いを感じる人が増えたらいい。それが当店の役割だ思っています。

もしかしたら非日常的な晴れの日の記念に手元に来た万年筆もあるかもしれなくて、それについて書いていただいても大いに結構ですが、それぞれの方の生活とともにある万年筆の何でもない話も書いていただきたいと思っています。

「記念の万年筆」というテーマでそれは難しいかもしれないけれど、様々な記念があると思います。

私もありふれた平凡な記念の万年筆にまつわることを書きたいと思っています。


ラジオ

2017-02-28 | お店からのお知らせ

神戸のAMラジオ局ラジオ関西の「時間です。林編集長」という番組に、3月2日(木)15時15分~30分に出ることになりました。

放送が終わってからブログで書いたり、お客様にお話ししようかと思いましたが、「前もって言ってくれたらよかったのに」と言われることもあるかと思い、告知しました。

けっして聞いて欲しいというわけではありません。

人前で話すことが苦手ですが、それが公共の電波に乗って拡散するラジオのマイクに向かって話すとなると、今から緊張して足がすくむ想いです。

きっと聞いておられる方にもそれが伝わり、緊張感のある放送になるのではないかと思います。

もう7年くらい前になると思いますが、当店の前に中継車が来て店から放送をしたことがあったこともありました。

話すことが苦手で、そんなに緊張するのに何で出るのかということですが、私にラジオに出てもらおうと思ってくれた人の気持ちに応えたいということが理由です。

それに一人でも多くの人に店のことを知ってもらうことは当店としても損ではない。実際に前の放送で当店のことを知って来て下さるようになった方もおられました。

3月2日14時~17時くらいの間、私は不在にしておりますのでペン先調整は承ることはできません。よろしくお願いいたします。


来店予約

2017-02-26 | お店からのお知らせ

当店は来店予約を受け付けていて、ご予約下さったお客様を優先して承っています。

お客様が店に来て下さるだけでも有難いことなのに、訪問する日時を伝えろとは何か高飛車な店に思われるかもしれません。

当店のような小さな店でも週末、特に土曜日は来客が多く、ペン先調整や新規のご購入のお客様が続くと、長時間お待たせしてしまうこともあって、心苦しく思っています。

ペン先調整で1本15分くらい、新規のご購入で30分以上はかかりますので、そういったお客様が2,3人重なると、1時間待ち以上になってしまいます。

そういうことを何年も続けてきて、来店予約を受け付けるようにしています。

 

もう15年以上行っている散髪屋さんが予約を受け付けてくれません。

予約させてくれると散髪にどれくらいの時間がかかるか計算できるけれど、行った者順なので先のお客様がおられたら、平気で1時間待ち以上になってしまう。

それが唯一の不満で、この経験もあって、当店は来店予約を受け付けていて、ご予約のお客様優先に承っています。

ご来店日時を予めお知らせ下さいましたら(電話、メールなど)スムーズにおうかがいすることができるようにしていて、実際ご予約いただいてお客様はあまりお待たせせずに承ることができるようになりました。

最近、私も出掛ける機会が多くなって、不在にしていることもありますので、不在で承ることができないということも防げます。

散髪屋さんは予約できないので、その後に予定を入れることができない。当店はそんなふうになりたくなかった。

予約制、予約優先は当店の業務を円滑に行い、私が心置きなく出掛けるためにしているということもあるけれど、お客様の時間を無駄にしない、小さな店は取り入れるべきものだと思っています。


価格改訂

2017-02-05 | お店からのお知らせ

ここ数年の懸案事項だったホームページのリニューアルをしました。

リニューアルと言っても、デザインは変わっていないのでお客様方から見える所はバナーがやたらと増えたと思われるくらいの変化です。

しかし、内部構造はかなり変わっていて、ホームページを製作してくれている大和出版印刷さんががんばってくれました。

これから私たちが機能が良くなったホームページを使いこなしていけるようにしないともったいないものになってしまいますので、いろいろといじっていきたいと思っています。

このリニューアルも当店としては大混乱でした。

それはホームページの変更と同時にメールアドレスの変更、ペン先調整料金の改訂もしたことが理由かもしれません。

新しいメールアドレスは、pen@p-n-m.net です。

今まで使っていたネットワークメールは長く使っていて、使いやすくはなっていたけれど、届かないメールが多く、gmailと併用しないといけませんでした。

 

ペン先調整料金は、書きにくいペンを書きやすくするというもので3500円からにしています。(当店ホームページペン先調整について)

当店でお買い上げいただきました1万円以上の万年筆は、1年以内ペン先調整無料で以降2500円で調整いたします。

値上げというのは、売上増加を狙って、欲の皮を突っ張らせてされるものだと思われるかもしれないけれど、値段を上げる方は様々なバランスを取りながら苦渋の決断をしているし、今までその値段でしてきたので変えることは非常に怖い。

値段とはそういうもので当然だけど、3500円が高いと思われたらきっと利用されなくなり、ワリに合っていると思われたら利用してもらえる。

私も、これからペン先調整ができるようになろうとしている森脇も、3500円が高いと思われない仕事をしていかなければならない。

より丁寧な仕事を心掛けたいと思っています。


今年もよろしくお願いいたします

2017-01-08 | お店からのお知らせ

年末年始、今年も奈良に行っていました。ホテルの部屋でほとんどを過ごしましたが、いつも歩く道沿いの好きな風景。

 

1月5日から営業しており、ご挨拶が遅れてしまいましたが、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

年末はバタバタと年を終える準備い追われ、年始は仕事はじめの混乱の中バタバタと日が過ぎてしまいました。

結局、いつでも同じように過ごしているだけで、季節感だけを感じているのかもしれません。

毎年が特別な年だと思っていますが、今年当店は10周年の年となり、特別な年にしていかなければならないと思っています。

いつも以上に当店らしい企画を出し、皆様に注目してもらえるようにしたいし、自分でも10周年の特別な年に爪痕を残したいと思っています。

だからと言って11周年の来年を惰性で過ごす残りカスのようにしたくないので、10周年はそれ以降の当店の在り方を予感させる年にしたいと思っています。

オリジナル商品や企画もなるべく出したい。
そして仕事の仕方も未来の見えるものに変えていきたい。

ある程度の目算は立つけれど何もしなければ必ず毎年取り分が減っていく、居心地の良い店という箱の中でヌクヌクと満足しているよりも、何でもいいから動いていきたい。

そんな想いはいつも抱いているけれど、今年は無理なく動いていけるような気がします。

続いて当たり前のように振舞っているかもしれないけれど、当店のような小さな店が存在し、10年続けさせていただいていることはとても恵まれていることだと思っています。

きっとこれから世の中の状況はもっと厳しくなって、様々な企業の経営は難しくなっていくと思うけれど、当店は小さい店らしく、細かく舵取りをしながら進んでいきたい。

あまり表に出にくい性質ですが、2017年も好きなことに対する情熱を持って進んでいきたいと思っています。

 


「筆文葉のある生活」ブログ開設のご案内

2016-12-22 | お店からのお知らせ

当店と書きもの愛好家金治智子さんとの共同企画によるシステム手帳リフィルを中心としたブランド筆文葉の紹介、使いこなしなどをご提案するブログ「筆文葉のある生活」を開設いたしました。 https://fudemoyou.wordpress.com/

「筆文葉のある生活」はかなり独特な罫線レイアウトを採用している筆文葉リフィルの使いこなしを皆様にご提案したいということを主な目的としていますが、金治智子さんの書くこと、読むこと、考えること、整理することへの取り組みを見ていただいて、彼女の生活や人柄が垣間見られることができれば、読み物としても面白いのではないかと思っています。

なるべく頻繁に更新したいと思っておりますので、ブログ「筆文葉のある生活」にもいつもお立ち寄りいただければ、嬉しく思います。

 

私が万年筆を使い始めたのは、手帳を書くことが楽しくなるからでした。手帳を書くことを楽しむことは、仕事や生活を楽しむことにつながると自分の経験から知っていましたので、より多くの人に手帳を万年筆で書くことでより楽しんでもらいたいと思っていました。

万年筆で書くことを考えて作っている正方形サイズのオリジナルダイアリーはあって、それは自信と誇りを持って世に送り出しているけれど、システム手帳もまた盛んに使われるようにしたいと思っていました。

私たちが若い頃、(もう20年くらい前になるのだと思うとぞっとするけれど)システム手帳の全盛期でその頃のようにシステム手帳が使われるようにしたいと思いました。

時代遅れの懐古趣味ではなく、システム手帳は機能的にも使う意義のある、そしてより趣味的にも使うことができるものだと思っています。

システム手帳をまた盛り上げるには当店も何か魅力的なものを作らなければならないと思って、システム手帳本体を作ったりしましたが、やはり中身のリフィルのオリジナルのものが必要だと思いました。

お客様だった金治智子さんとはそれまでもよくお話をしていて、そのお力はよく分かっていましたので、システム手帳もリフィルを自作して使うほどの愛用者であることが分かった時、一緒に仕事したいと思いました。

一緒にシステム手帳リフィルのブランドを立ち上げようという話に乗ってくれました。

筆文葉(ふでもよう)という名前は金治さんが出してくれたアイデアで、筆=Pen 文=メッセージ 葉=リーフ=紙 すなわちPen and message.のリフィルという意味です。

金治智子さんは、自分の身の回りのこと、暮しにいつも真剣に取り組んでいて、書くことにもいつも並々ならぬ情熱を持っています。

当店だけでは、筆文葉のリフィルは作ることができなかっただろう。

だけど、筆文葉は金治智子さんという人が客観的に当店を見て、当店に合うイメージのシステム手帳リフィルを考えてくれました。

話しているうちに一番当店のことを理解しているのは金治智子さんなのではないかと、思って一緒に仕事しています。