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元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

自分と同じものを勧める

2015-06-02 | 仕事について

以前はお客様にお勧めする万年筆が自分が使っているものと同じものだったとしても、その事実は絶対に明かさなかった。

お客様から「何でお前と同じペンを使わなあかんねん」と思われるかもしれないと思ったし、何か押しつけがましいような気がしていました。

会社のいた時は、同僚や上司がそんなふうにお客様に言っているところを見ると、「何て慎みのないヤツ」だと思っていました。

要するに自分の美学がそれを許さなかった。

齢をとってツラの皮が厚くなったのか、自分の店ということで役割が違うことを認識したのか、何となくもうそれも許されるようになってきたかな?と思うようになりました。

自分が使って良いと思ったこと、欠点などをお客様にお伝えした方がいいと思ってから、自分が使っているペンを積極的にお勧めするようになりました。

店主が個人的に使っている万年筆を片っ端から勧められたら、お客様はたまらないと思うけれど、、共感し合える仲間を増やしたくて自分が使っている万年筆をよくお勧めしている。

どの万年筆も良いところがあれば、欠点と言えるところがあって、欠点がないという万年筆は良い部分もそれなりのものだろうと思っている。

初めて使う万年筆には定番と呼ばれるスタンダードなものをお勧めするけれど、ある程度使われている方には多少使いこなしに工夫が必要だったりするクセの強いものをお勧めしたりします。

万年筆の使いこなしと言っても、相性の良いインクを見つけるということや、ペン先が乾かないような工夫のような簡単なことだけど。

同じペンを持って共感し合えたり、使いこなしなどの情報交換ができるととても嬉しく、それが超メジャーな万年筆でなければより仲間意識が強くなるような気がしているので、あまり売れていないとか、日本の輸入代理店が在庫を持っていないからあまりお店に並んでいない万年筆を知ると、それを3か月待ってでも当店に並べたいと思う。

当店は万年筆を使う人を増やすために開店して、その目的は今も変わっていないけれど、個人的な野望も芽生えてきて、同じペンを使う、共感し合える仲間を増やしたいと思うようになってきました。


沈黙の美学

2015-05-31 | 仕事について

自分のやっていること、仕事などを声高にアピールするようなことが嫌いでした。黙々と形にして、出来上がったら黙って差し出す。

それが自分の美学だと言うと聞えはいいけれど、組織にいたとしたら上司はとても使いづらい人間だと思っただろう。

自分の仕事をもっとアピールするべきだと言われたこともあるけれど、それは美学に反していたし、それを拾い上げて活用するのが、上司の仕事だろうとさえ思っていました。

茶道のお点前では、なるべくさりげなく、こじんまりと所作を行うことが良しとされていると思っているし、お茶が点つと沈黙の中に敬意と優しさを込めて慎み深く差し出す。

けっして大げさなアクションでお茶を点てて「おいしいお茶が入りましたので、温かいうちにお召し上がり下さい」とは言わない。

そんな茶道の美意識のようなものが、私のモヤモヤと心の中にくすぶっていた考え方にピッタリと合い、気持ちの持ち方や態度を代弁してくれるものになっている。

千利休や古の人たちが大切にした、とても日本的な沈黙の中の相手への思いやりと優しさの示し方は、現代の日本においては理解されにくくなっているし、家庭の中でもはっきり言わないといけないという風潮になっているのではないだろうか。


国際競争に中でも、日本人の慎み深さが売り込みにおいて不利に働き、日本の企業は販売において苦戦が強いられていると聞いたことがあります。

しかし、それは本当に慎み深さのせいなのだろうか、もしかしたら反対で他国に惑わされて日本らしくない売り込み方をしているから苦戦しているのではないかと思うことがあります。

美学を捨ててまで売らないといけないものは、結局価値がなく、美学とともに黙って差し出されるものの中に価値のある本当にその人が伝えたいものがあると私は考えていて、時代遅れで多くの人から賛同を得られない考え方かもしれないけれど、たまには呟いておきたいと思っています。

 

 


プラチナ萬年筆工場見学

2015-05-19 | 仕事について

プラチナ萬年筆工場見学は、ペンランドカフェさん、ブングボックスさん、ペンズアレイタケウチさんの各代表、東海ペンクラブの皆様と参加しました。

当店からは現地駐在スタッフと言ってしまうけれど、ランティングラボのH房さんと大和出版印刷の多田さんが参加してくれました。

大宮駅の豆の木前という、大宮の待ち合わせの定番の場所で待ち合わせ、何でもできる頼れる人東海ペンクラブのK藤さんが運転するマイクロバスで越谷まで行きました。

工場は、郊外のもともと農村の集落だったようなところの中にあり、普通の住宅と隣接していました。

全体の広さは見ていませんが、かなりコンパクトな印象でした。

そういえばイタリアで見たオマスの工場も大きくはなかった。

工場ではペン先の製造過程を見学させていただきました。

ひとつひとつの工程が分かるように、その工程で何をしているかパネルを用意して下さっていて、ナビゲーターの女性がひとつひとつ説明をしてくれましたし、それぞれ作業をされている方に質問をすると、親切に教えてくれました。

ペン先の製造工程は、メーカーによってそんなに変わるものではないけれど、万年筆の命であるペン先が生まれるところを見るのは、何か意義深いことのように思いました。

万年筆のペン先は、人の目で確認し、人の手で作業しているためにどうしても個体差が出てしまいます。しかし、日本の万年筆は人間力によってそれが少ない。特にプラチナの万年筆には修正不可能な致命的なものはほとんどないと思っていましたが、今回の工場見学で1つ1つの工程ごとに入念にチェックされているところを見て、丁寧に行われる作業によってそれを実現しているのだと知りました。

工場で働いている人は、意外と若い人もおられて世代間の技術の継承も行われている様子。

黙々と自分が任されている作業をこなす人たちの背中を見て、名前はその製品に出ないけれど、ここにおられる工場の人たちの技術によって万年筆が生み出されているのだと、感慨深く思いました。

お仕事中に大人数で押しかけたにも関わらず、気持ちよく応対して下さった工場の方々や、サプライズで来て下さった中田社長に感謝して、工場を後にしました。

工場見学の後、南越谷駅前のお店で食事会、懇親会となりました。

ペンランドカフェの高木会長や荻店長とお会いして話すことができたり、ブングボックスの山岸店長とも楽しく話すことができて、横のつながりのようなものもできたプラチナ萬年筆工場見学ツアーで、今後も活動していけたらと、私も思っています。

 

 


フルサイズに憧れてしまった

2015-04-14 | 仕事について

とうとう買ってしまった。
雑誌やカタログを飽きずに見て、暇があればお店を見て回り、わざわざ梅田のソニーストアまで現物を触りに行った楽しい時間が終わるのが寂しいかと思ったけれど、手に入れてみるともっと楽しかった。

昨年夏頃、思い立ってオリンパスOM-Dを買って、付かず離れず静かにカメラと遊んでいたけれど、友人たちとの大人の遠足と称する遠征撮影に行ったり、家族と出掛けた時も一人写真を撮りまくっているうちに、これはもしかして自分にとっての趣味になるのかもしれないと、密かに確信していた。

特に大人の遠足は、仲間たちのカメラが羨ましくなりました。

新しいカメラを買う前に腕を上げろという声がいろんなところから聞こえてきそうですが、これからも続いていくカメラ遊びを考えると、オリンパスOM-Dのマイクロフォーサースの規格のレンズを集めていくよりも、フルサイズの規格を念頭においたレンズを集めていく方が自分の場合は良いと、長い目で見て考えました。

そう考えるとフルサイズのカメラが欲しく仕方なくなった。

考えすぎるほど考えて、ル・ボナーの松本さんの強烈過ぎる甘い誘惑もあって、ソニーα7Ⅱという松本さんが持っているカメラの弟分のようなカメラを買いました。

次カメラを買うなら、お客様でもあるカメラのナニワ元町店のM田さんから買いたいと思っていましたので、今まで使っていたカメラやレンズを持って行き下取りしてもらいながら、購入しました。

買った日は嬉しくて、カメラを横に置いて、チラチラ見ながら仕事をしていました。

まだ分不相応で、カメラを持つと顔がニヤけて、緊張感から手が汗ばむ感覚は、初めてイル・クワドリフォリオの久内さんにオーダーした靴が出来上がって履いた時や、オールデンのコードバンを履いた時に似ています。

カメラを手に入れた翌日、底の張り替えに出していたイル・クワドリフォリオの靴が出来上がってきて盆と正月が一緒に来たようです。

今回の張り替えは特に待ち望んでいて、今までのスマートなレザーソール(それでも無骨なダブルソールにしていましたが)から、ゴツめの印象のコマンドソールに変えてもらうようにお願いしていたからです。

自分のライフスタイルや好みから、分厚いコマンドソールの方が履きやすくて、仕様頻度が上がると思う。
もともと無骨な感じでアッパーを作っていただいていたのでコマンドソールとも合っていて、とても気に入っています。

カメラと靴、好きなものが増えていくというのは、楽しいけれどいろいろと大変ですね。


日曜日の鞄

2015-03-15 | 仕事について

私の休日は水曜日なので、水曜日の鞄ということになりますが、その鞄はどうしても日曜日の鞄と呼びたくなります

コロッとした愛嬌のある形とどう見ても仕事用には使えない寸法。でも大型の一眼レフカメラも収めてしまう容量を持つル・ボナーの鞄オブレを休日用に使おうと思っています。

当店のお客様も皆そうですが鞄は常に身に付けるものの中でも最重要事項で、おしゃれの中心だと思っている。

鞄はとても好きでいつもいろんな鞄をお店で見ているけれど、自分の雰囲気にピッタリ合う鞄というのはなかなか見つからないものだと思っていました。鞄単体で良かったり、こんなの持ってみたいと思っても、自分に似合っていなければ仕方ない。

結局今自分に一番合っていると思った鞄がル・ボナーのものでした。

冬と春秋、夏で、鞄の好みは変わります。

冬はコートを着て、ボタンも閉めているので、ストラップのついた鞄をたすき掛けできる。

容量があって、両手が空く、一番楽な鞄パパスショルダーを使います。
電車の中で書きものや本を読んだりするので、なるべく両手は空けておきたい。

先日の高松・丸亀の大人の遠足でもパパスショルダーを下げて行きました。

でも春や秋のジャケットを着るような季節は、服にシワがつくのでたすき掛けしにくく、肩から下げる鞄が欲しと思っていました。

そしてできれば、冬、夏のたすき掛けにも対応できれば尚いいと。

オブレの松本さんの説明でカメラも充分に入るというのがあって、それにもやられてしまいました。
お客様のH田さんのネイビーのオブレからもカメラが出てきたし・・・。

オブレさえあれば、私は1年中の休日、鞄に悩まなくて済む。ぜひこれを使いたい、この中にカメラを入れて出歩きたいと思いました。


このたび当店でもル・ボナーさんの鞄を扱うようになりました。
在庫はほとんどしていませんが、その都度ご用意させていただきます。
ぜひ、お申しつけ下さい。

 

 

 


石の宝殿

2015-02-15 | 仕事について

建国記念日の日、家族3人で高砂の生石神社(おうしこ)に出掛けました。

祝日で混雑しているところには行きたくないということで、色々検討して、香道師の森脇直樹さん(2月28日に聞香会あり)が以前に勧めてくれていた場所で、行ったことのない場所だったので行ってみました。

兵庫県内の名所のようなところは行き尽したと思っていましたが、こんなに行って楽しいと思えるところが残っていたとは。

でも私はどこに行っても楽しめる自信があるけれど。

京都などの有名神社にはない趣があり、ここにしかない個性のようなものがありましたが、一部の地方の寺社にこういうふうに感じるところがたまにあります。

ご神体であるとても大きな石は山門をくぐってすぐのところにあり、その存在の異様さに歴史のロマンと迫力を感じました。

神社のある宝殿山は登ることができて、簡単に山頂に行くことができます。

岩山から高砂の街が一望でき、時間を忘れていつまでもいることができました。

なぜか岩山を登りながら、楽しい気分になってくるのは子供の頃の遊び場を思い出すのか、それともこの場所がパワースポットと言われているところなのか。

垂水の自宅から30分くらいで行くことができて、近くに鹿嶋神社もあります。

近所に面白い所がまだまだあるのかもしれません。

 

H田さんがまた買ってしまった。ペンタックスFA77㎜。同シリーズの広角と標準も持っていた。


変化を見極める

2015-02-10 | 仕事について

学校で流行っているもの、友達が皆持っているものをなかなか買ってもらえませんでした。

流行っているものを買ってもらえなかったりした代わりに、ステッドラーの鉛筆やダックスの鉛筆削りなどは、頼まなくても買ってくれた。

今ならその母の意図はすごくよく分かり、そういったものによって、多少目は肥えて養われたものはあるのかもしれません。

小学生の頃から、ずっと変わらずに使い続けられているものを与えるというのは、もちろん意図したものではないけれど、店をするための英才教育になっていたような気がします。


何もかもが変化せずにずっと同じだったら、いろんなことがとても楽なのではないかと思うことがあります。

でも現実は世の中のいろんなことが常に変化し続けていて、変化が速くて複雑なので、漠然と変化していることは分かるけれど、何がどのように変化して、これからこうなっていくということがなかなか言葉にできません。

当店は常に変わらないもの(こと)を見極めて提供していきたいと思っているし、世の中が変わった途端につまらなくなるものは提供したくないと思っていますので、世の中の変化をいつも見極めたいと思っています。

いろんな要因があるのだと思いますが、変化はどんどん速くなっていて、複雑になっているので、以前に自分たちが感じた分かりやすいものではなくなっているのかもしれません。

重大な変化が起きているのに気付かないということが一番恐ろしく、余程肌感覚を研ぎ澄ましておかないと知らないうちに世の中が変わっていたということになってしまう。

世の中の変化を知る時に、外にばかり目を向けるけれど、意外と自分の心の変化がそれを投影していることがある気もします。

なかなかはっきりと投影しないけれど、世界の国々に興味を向ける時に、欧米への興味が薄れていることに気付きます。
それよりも自然が厳しい地球の果てのような場所に興味があります。

そんな場所の人々の暮らしはいつまでも変わらずにあって欲しいけれど、そういった場所も世の中の変化の波にさらされていて、もしかしたら私たちよりも深刻に影響を受けているのかもしれない。

いるものいらないものが混ざったたくさんの情報が速く伝わり、変化も速い世の中で、変わらない価値を持ち続けることはとても難しいと思うけれど、人の心はそう簡単にひっくり返るものではないと思いますので、人の心に忠実なものはそう簡単に変わらないと思います。

黄金以外のそういうものをいくつ知っているかがお店の値打ちを決めるのかもしれないと思ったりします。


仕事のバランス

2015-01-25 | 仕事について

たしかに飢えの心配は仕事の原動力になると思います。

休んでいたら自分や、家族が路頭に迷うという恐れは常にあって、そうならないために、ない知恵を絞って常に何か行動を起こそうと、止まらないようにしようとしているところが私にはあります。

きっと生活の心配がなければもっと腰は重く、動きは鈍かったけれど、ただ日々を過ごしていると、業績は下降線を描き出すことも分かる。

でも生活のために収入は必要ですが、ひたすら辛いことを耐え忍んでしているわけではなく、好きで楽しみながらしている仕事でもあります。

生きていくためにしている仕事が、好きで楽しみながらできるものだというのは、とても恵まれている幸せなことだと思います。

好きなことをインターネットなどに書いて、店に居るとお客様が何か買ってあげようと来てくれたり、インターネットを通じて買い物をしてくれる。

お店なら当然のことですが、これがとても幸せなことなのだということを、40代後半に差し掛かるといろいろ理解できてきます。

そして仕事にとって、とても大切だと思っていることが、自分の仕事で世の中を良くするという公共性のようなものです。

どんな仕事でも、世の中の役に立っていて、行きつくのは世の中を良くすることにつながると思いますが、仕事をしている人が自分の仕事が世の中を良くするための役に立つと自覚しているかどうかということが大切なのかな、と思っています。

私たちの仕事は生活への心配と好きなこと、やりたいことそして、世の中の役に立つということのバランスをとっているから共感を得られて、続いていけるのかもしれません。

お金が十分にあって、ただ道楽のため、自分の楽しみのためだけにしている仕事は、きっと魅力がなくて、きっとつまらなく感じられる。

誰もが余裕のない中で理想を掲げ、夢を持ってする仕事に人間の理性のようなものが感じられる、当店はまだまだその境地に達していませんが、美しささえ感じさせるのだと思います。


年末年始の休暇

2015-01-06 | 仕事について

あけましておめでとうございます。
昨日から当店も営業しています。今年もよろしくお願いいたします。

年末年始の休暇を例年通り1週間とりました。普段連休はありませんので、休みに入る前は1週間の休みはとても長く感じて、あれもしよう、これもしようといろいろ考えて、仕事の装備などを家に持って帰っていましたが、ほとんどできず、あっという間に1週間が過ぎてしまいました。

毎年大晦日から元旦にかけて京都で過ごしていましたが、今年は奈良に行きました。
料金が高いことに我慢できなくなったことと、何となく気ぜわしいままに過ごして、疲れて帰ってきていることにやっと気付いたからでした。

京都に比べると奈良での宿泊代の方がかなり安く、今年は31日と1日の2泊することにしましたので、時間にも余裕がありました。

大晦日なので、駅前や三条通、ならまちなどは開けているお店は少なかったけれど、ブラブラ歩いていても楽しく、奈良公園、東大寺などで幸せそうな人たちや鹿を見ていると見飽きず、とてものんびりといい気分で歩くことができました。

奈良の良いところは、人が京都ほど多くないのと、歩いて多くの場所を回ることができるところなのかもしれません。

泊まったホテルはレトロで雰囲気のたっぷりで、居るだけで楽しめましたし、町中にありましたので、移動も便利でした。

奈良はそこここにサマになる景色があって、写真を撮り歩くのにもいいと思いました。

とても暖かかった大晦日に対して、元旦は強力な寒気のせいで、風が痛いと思えるほどの寒さでしたが、ホテルから春日大社に向かって歩いているうちに体が温まってきました。

比較的早めの時間でしたので、人が少なく歩きやすく、お参りしやすかった。
春日大社は山の中腹にある、自然の中にある趣の神社でした。

春日大社から若草山、二月堂、三月堂、東大寺とお決まりのコースを歩いてきましたが、二月堂から奈良の町を見渡す眺めは時間を忘れてしまいました。

早めにホテルに戻って、部屋やラウンジでゆっくりしていましたが、夕方から雪が降り始めました。
ホテルの庭も真っ白になり、その中に2頭の鹿が迷い込んできたりして、奈良らしい雪景色を見ることができました。

2日は雪化粧が美しかった宇治平等院と、セールで大勢の人が行き来する京都の街に出ました。
昨年も思いましたが、来年もこんな年末年始をすごすことができるようにしたいと思いました。

 

 


年の瀬雑感

2014-12-28 | 仕事について

今年最後の営業日を迎えています。

今年一年も本当にたくさんのお客様に支えられて続いてくることができたというのは、続けるほどに強くなる実感です。

人間もそうであるように、完璧な店というのはなかなかないと思っています。

どこか弱い所があったり、甘い所があったり、何となく誤魔化しているところがあったりして、そういうところをひとつずつ潰していくことが店のサービスを向上させていくことだとは思っていますが、思ったことを全て実現することができずにいます。

足りないところ、至らないところのある店であるにもかかわらず、目をつぶってくれたり、補ってくれたりしてくださっているお客様方にはとても感謝しています。

そういった店として弱い部分、お客様んい甘えている部分をなるべく少なくしていくことが、漠然としているけれど来年の目標にしようと思っています。

12月も終わり頃になってくると、やり残しはないかとか、このまま1年が終わってしまっていいのだろうかという、焦りにも似た気持ちにとらわれます。

それでも一日一日は過ぎていくので、一日ずつを大切にする。

普段の日もこんなふうに大切に生きることができたら、本当に良いと思いますがこれがなかなかできない。

年末年始をお休みにしたことで、区切り感が強くなったように思います。

もし大晦日も元旦も営業していたら、その区切りも曖昧な感じになってしまうので、店を始めた時、お正月休みだけは取ろうと思っていました。

子供の頃のお正月は、お店は全て休んでいてとても静かで、独特の雰囲気があり、それにひたりたいからそんなお正月を過ごすために年末年始を休むことにしましたが、この区切り感は意図していなかったけれど、収穫だったのかもしれません。

 年明けから普通ではない寒波がやってくると予想されていますが、大晦日から1月2日まで奈良でゆっくりしています。

今年一年の区切りをつけて、来年新たな気持ちではまたスタートしたいと、新しい年への希望を早くも持っています。