ドラゴンボート南北単一チームが金メダル…授賞式場に鳴り響いたアリラン
[2018アジア競技大会]
南北単一チーム、トラゴンボート女子500メートルで金
南北から5人ずつ約20日間にわたり地獄の特訓
北朝鮮選手、最初はドラゴンボートの形も知らず
1日10時間練習しすぐに’適応
国際総合大会で単一チームが初の入賞
東京オリンピックのカヌー単一チーム関連質問に
北朝鮮選手「私たちはいつでも準備ができている」
16歳の舵取りリ・ヒャンは「ドラゴンボートがどんなものかも知らなかった」と語った。しかし、共に訓練を初めてから20日にもならない南北単一チームは、16歳の舵取りのリードに従って、最初に決勝ラインを通過した。約20日間の短い訓練で勝ち取った国際総合スポーツ大会史上初の金メダルは、団結すれば強くなる南北選手らの底力を見せてくれた。
南北カヌー単一チームは26日、インドネシア・パレンバンのジャカバリン・スポーツシティの漕艇・カヌーレガッタコースで開かれた2018アジア競技大会(ジャカルタ・パレンバン)のドラゴンボート女子500メートルで、中国の追撃を振り切って金メダルを獲得した。単一チームは同日、予選と準決勝いずれも全体1位の記録で決勝に進出し、早くも金メダル獲得の期待感を高めた。単一チームは決勝250メートル地点で、中国をわずか0.16秒上回るなど追い込まれたが、最後まで先頭を守りきり、2分24秒788の記録で優勝した。決勝ラインを通過した後、選手たちが一斉に手を上げ、歓声を上げた。第2位の中国とはわずか0.304秒差だった。第3位はタイ(2分26秒904)だった。
今回のアジア大会で初めて授賞式で「アリラン」が鳴り響き、統一旗が国旗掲揚台の一番高い位置に揚がった。選手たちはアリランを歌いながら、一緒に笑って泣いた。北側のト・ミョンスクは記者会見で、アリランについて「わが民族にとっては別れ歌で、生き別れて暮らせざるを得ないことに胸が痛みます」と話した。
単一チームは金メダルの秘訣として厳しい訓練を挙げた。ピョン・ウンジョン(20・九里市庁)は「誰でも私たちみたいに訓練したなら、金メダルを獲得できただろう」と堂々と話した。南側のカン・グニョン監督は「私たちが一緒に練習したのは20日ぐらいなのに、本当に歯を食いしばって1日を10日間のように過ごした」とし、「厳しい訓練を耐えてくれた選手たちを誇りに思う」と述べた。代表チームは早朝4時から夕方8時半までウェイトトレーニングと水上訓練など、厳しい訓練を行ってきた。カン・グニョン監督は「最初、どのように訓練すればいいのか話し合ったが、(北朝鮮の)キム・グァンチョル監督が一任してくれた」と感謝の意を示した。
北側のキム・グァンチョル監督は「当初はメダルを取れるだろうかと心配していたが、韓国に行って、38度、40度を超える猛暑の中でも、北南(選手たち)の士気が非常に高かった」とし、「力はもちろん、志と心を一つにしてオールを漕いでいく力を感じたとき、民族の団結した力を得られるという確信ができた」と明らかにした。キム・グァンチョル監督は金メダル授賞式の後、一緒に団体写真を撮ったり、記者会見場に北の選手たち全員を連れて出席するなど、かなり積極的な姿だった。
単一チームが若いリ・ヒャンに舵取りを任せたのは勝負手だった。舵取りの場合、通常、経験豊富なベテランが務めるが、単一チームは男女の体重差を意識し、リ・ヒャンを選択した。カン・グニョン監督は「若くて、ここでうまく適応できるだろうかと心配していたが、動揺せずよくやってくれた」と話した。リ・ヒャンは「私はドラゴンボートがどんなものか、見たこともなかった」とし、「単一チームが構成されて南に行った時は何とも言えない複雑な心境だった」と語った。彼女は南側の舵取りヒョン・ジェチャン(34・蔚山市庁)が親切に教えてくれたかという質問に「本当に熱く教えてくれた」と答え、爆笑を誘った。
同日の記者会見は、大会組織委員会はもちろん、海外メディアからの関心も高かった。ある日本人記者の「ドラゴンボートは正式な五輪種目ではないが、2020年東京五輪のカヌーにも単一チームとして出場する意向があるのか」という質問に、南側のヒョン・ジェチャンは「言うまでもなくイエス」と答えており、北側のホ・スチョンも「私たちはいつでも用意ができている」と堂々と答えた。