日朝協会「京都府連合会」です。韓国・朝鮮との友好を進める、日本人の団体です。1カ月¥500 841-4316福谷気付

 世界の出来事から日本・韓国・朝鮮の未来を見る。
 皆さんの声を生かして活動を進めます。

「手ぶら訪朝」という批判を突破しようとした。ワシントンのある外交消息筋は「両首脳が直接対話の雰囲気を生かしたという点で、手紙の交換自体はきわめて肯定的」と話した。

2018-08-05 | 対話こそが歴史を開く

トランプ-金正恩、親書疎通で2回目の首脳会談まで行くか

登録:2018-08-03 21:57 修正:2018-08-04 07:26

ホワイトハウス「金正恩親書にトランプも返書」 
膠着状態で両首脳の“トップダウン”が再稼働 
2回目の朝米首脳会談の期待高まる…9月の可能性 
非核化-終戦宣言、見解の相違が狭まるかに注目 
ポンペオ「北は安保理決議違反中」と圧迫

 
                                                   グラフィック//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長が“親書疎通”を再開し、膠着状態に陥った朝米非核化交渉に新しい動力が作られたものと見られる。米軍遺骨送還を契機に、朝米の最高指導者が直接対話の意志を誇示したたために、2回目の首脳会談など新たな局面につながるか、その成り行きが注目される。

 ホワイトハウスは2日(現地時間)、金委員長がトランプ大統領に3回目の親書を送ってきたとし、トランプ大統領がこれに対し返事をしたという事実を公開した。サラ・ハッカビー・サンダース報道官は「トランプ大統領が(金委員長の)手紙を1日に受け取った」として「大統領が返事を書いた。すぐに伝えられるだろう」と明らかにした。彼はやりとりした手紙の内容を尋ねる記者たちの質問には「手紙はシンガポール首脳会談で合意した共同宣言に出てくる彼らの約束に関する内容だった。彼らは、完全で全体的な非核化のために共に仕事をしていくだろう」と話した。サンダース報道官は、金委員長の親書がトランプ大統領に伝えられ、トランプ大統領が回答した経路については公開しなかった。

 金委員長の親書が届いたとホワイトハウスが明らかにした“1日”は、朝鮮戦争参戦米軍戦死者の遺骨55柱が米国に到着した日だ。しかし、親書は遺骨の送還とは別のチャンネルで伝えられたという。トランプ大統領は、遺骨がハワイに到着した数時間後の2日早朝、ツイッターに「あなた(金委員長)の素敵な手紙に感謝する。すぐに会えるようになることを待ちこがれる」と明らかにした。

 親書の交換は、6・12シンガポール首脳会談以後、朝米が朝鮮半島の「完全な非核化」実現などの合意履行のために進めた後続協議が膠着状態に陥った状況でなされた。北朝鮮は、両国関係の改善と体制安全保証の第一歩として、朝鮮戦争の終戦宣言を強調しているが、米国は非核化のための「相当な動き」が先になければならないという態度を守っている。ハリー・ハリス新任駐韓米国大使は2日、記者懇談会で終戦宣言のために米国が要求する先措置として、核施設目録の提出を挙げた。こうした立場の違いのせいで膠着状態が長期化しかねないという観測が続いてきた。

 マイク・ポンペオ米国務長官も3日、ASEAN地域安保フォーラム(ARF)に参加するためシンガポールに向かう途上で「金委員長は非核化を約束した」として「世界は国連安全保障理事会決議の遵守を要求しているが、北朝鮮はこれに違反している」と批判した。また「私たちが追求する究極的成果を成し遂げるために取る方法があるかを見る」と話した。北朝鮮が核物質と大陸間弾道ミサイル(ICBM)を作り続けているという米国政府の判断やマスコミ報道に関する質問に対してした話だ。

 こうした状況で、首脳同士の親書交換という“トップダウン”方式が再び対話の動力を蘇らせ、局面を変える契機になるかが注目される。これまでも両首脳は北朝鮮核問題解決の可能性に対する米国主流社会の懐疑論を、トップダウン方式の意思疎通で突破してきた。金委員長は、トランプ大統領が5月24日に朝米首脳会談の取り消しを宣言すると、金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長兼統一戦線部長をホワイトハウスに送り、1回目の親書を渡した。マイク・ポンペオ国務長官が先月6~7日に平壌(ピョンヤン)を訪問した時には、2回目の親書を伝えた。トランプ大統領は、金委員長の2回目の親書を先月12日に公開し「手ぶら訪朝」という批判を突破しようとした。ワシントンのある外交消息筋は「両首脳が直接対話の雰囲気を生かしたという点で、手紙の交換自体はきわめて肯定的」と話した。

 今後の焦点は、両首脳が2回目の首脳会談を通じて糸のもつれを解けるかに移った。金委員長の3回目の親書に対して、トランプ大統領は「すぐに会うことになることを待ちこがれる」とツイッターで応じた。2回目の親書に「次回の対面」についての期待を表現した金委員長が、今回も後続首脳会談に言及したためと見られる。トランプ大統領も金委員長も、それぞれ11月の中間選挙と9・9節(北朝鮮政府樹立記念日)を控えていて、顕著な外交成果が必要だ。二人が再び対座する時期としては、ニューヨークで国連総会が開かれる9月が有力と見える。ホワイトハウスのサンダース報道官は「(トランプ大統領は)明確に(2回目の首脳会談)関連議論に前向きだ」として「現時点では確定していない」と話した。

 問題はそのための条件造成だ。1回目の首脳会談は、朝鮮半島の完全な非核化意志を確認する“宣伝的性格”が濃厚だったが、2回目の会談はそれより具体的な成果を出さなければならない。米国のスチムソンセンターのジョエル・ウィット研究委員はウォールストリートジャーナルに「各自が最大限の公開的要求をしながら、その見返りは最小限に押えようとしていることは驚くに値しない」として「両者を合わせられる“スイート・スポット”(最適地点)を見つけることがカギ」だと話した。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )