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4月末に行われる南北首脳会談のバトンを引き続ぎ、朝鮮半島の運命を決める歴史的な大転換点になると予想される。

2018-03-11 | 日本・韓国・朝鮮国民友好親善

「朝鮮半島の春」…停戦から65年ぶりに朝米の指導者が会う

登録:2018-03-10 05:06 修正:2018-03-10 07:13

チョン・ウィヨン室長、トランプ大統領の面会後ホワイトハウスで発表  
「トランプ大統領、非核化に向けて金委員長と5月までに会う」 
金委員長の招請にトランプ大統領「そうしよう」破格の回答 
4月の南北首脳会談と5月の朝米会談、歴史的分水嶺になる見込み  

トランプ米大統領と金正恩北朝鮮労働党委員長=チョン・ヒヨン デザイナー//ハンギョレ新聞社

 分断から73年、停戦から65年になる2018年5月、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党委員長とドナルド・トランプ米大統領が会う。冷戦が終わってから30年以上が経ったにもかかわらず、敵対国家として背を向けて脅かし合ってきた2人の国家指導者の世紀的な会談は、4月末に行われる南北首脳会談のバトンを引き続ぎ、朝鮮半島の運命を決める歴史的な大転換点になると予想される。

 チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長は8日(現地時間)、トランプ大統領との面会後、ホワイトハウスで「金正恩委員長は、できるだけ早くトランプ大統領に会いたいという意思を表明しており、トランプ大統領は恒久的な非核化の達成に向け、金委員長と5月まで会うと述べた」と発表した。チョン室長はトランプ大統領に「金委員長が非核化の意志を持っており、今後いかなる核またはミサイル実験も控えると約束すると共に、韓米両国が定例的な合同軍事演習を続けなければならない点についても理解を示した」と説明した。

 トランプ大統領はホワイトハウスの執務室であるオーバルオフィスで、チョン室長から今月5~6日の訪朝で金委員長と合意した内容と共に、「トランプ大統領に直接会って話ができれば、大きな成果を出せるだろう」という金委員長のメッセージを聞き、その場で「そうしよう」と首脳会談に同意したと、キム・ウィギョム大統領府報道官が伝えた。大統領府関係者は「探索戦を省いた」積極的な対話意志だと説明した。

 トランプ大統領は、チョン室長の発表後、自身のツイッターで「金正恩は(核)凍結だけでなく、非核化についても語った」と評価し、「重大な進展が行われている」、「会談が進められている」と明らかにした。ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官も声明を発表し、「トランプ大統領が金委員長の招請を受諾した」とし、「会談の日時と場所は今後決める」と述べた。

 米国政府高官は電話会見を通じて「全世界が期待する(会談)結果を出せるよう努める」と誓った。ホワイトハウスのハーバート・マクマスター国家安保補佐官も12日、国連安全保障理事会で、北朝鮮問題と関連されたブリーフィングをする予定だと、CNNが報道した。

 4月末の南北首脳会談に続き、朝米が史上初めて5月中に首脳会談を開催することが決まり、(朝鮮半島情勢は)北朝鮮の核問題解決に向けた「南北米の好循環構造」に本格的に進入することになった。2月、北朝鮮による平昌(ピョンチャン)冬季五輪開幕式への代表団の派遣に続く文在寅(ムン・ジェイン)大統領の対北朝鮮特別使節団の派遣が、朝米首脳会談の環境を整え、4月の南北首脳会談を通じて出る結果が再び朝米首脳会談の呼び水になる歯車の仕組みが出来上がったのだ。昨年、北朝鮮の相次ぐ核・ミサイル実験とこれに対抗した米国の軍事的脅威で、朝鮮半島の緊張が最高潮に達したことを考えれば、大どんでん返しと言える。

 韓国政府は米国および国際社会との協力を維持し、対話局面をさらに進めていくものとみられる。チョン室長は同日の発表で、「トランプ大統領のリーダーシップと『最大の圧迫』政策が、国際社会の連帯と共に、私たちが現時点まで進めるよう支えてきた」と評価し、「韓米と友好国は過去の過ちを繰り返さず、北朝鮮が彼らの言葉を具体的な行動で示すまで、圧迫が続けることを強調する上で、結束した立場を堅持している」と付け加えた。

 専門家らは、朝米首脳会談の開催で導かれる最も可視的な合意として「終戦宣言」を挙げている。朝鮮半島は国際法的にも依然として戦争が中止された“停戦状態”にある。2007年第2回南北首脳会談でも「10・4首脳宣言」を通じて3カ国または4カ国(韓国、北朝鮮、米国、中国)の首脳らが会談し、終戦を宣言する問題を推進するため協力することにしたが、韓国の政権交代などにより後続の協議が行われなかった。韓国で朝米首脳会談が開かれると仮定すれば、南北米首脳が終戦宣言をする象徴的な行事を想像することもできる。

 非核化も当然、議題にのぼるものとみられる。5月の首脳会談で、北朝鮮が未来の核を凍結する一方、米国が不可侵条約などで消極的な安全保障を約束することも考えられる。さらに、朝米関係正常化に向けて努力し、既存の核廃棄に対する北朝鮮の意志を再確認するレベルで、朝米が妥協することもあり得る。

 匿名を要請したある専門家は「70年以上の間、足を引っ張ってきた対立構造を一回の朝米首脳会談ですべて取り除くのは難しいだろう」と見込んだ。5月の首脳会談は、平和体制の構築に向かう第一歩にすぎないということだ。ただし、「大胆な決断」と「豪快な取引」を好む両指導者の性向からして、型破りな合意が出る可能性もある。

 朝米首脳会談を成功的に進めるためには、信頼構築のための措置が不可欠だ。このような観点から見ると、首脳会談前に北朝鮮に抑留された韓国系米国人3人を釈放するのは予定された手順といえる。レックス・ティラーソン国務長官やマイク、ポンペオ中央情報局(CIA)長官が平壌(ピョンヤン)を訪問し、首脳会談の場所と時期の問題もこの過程で自然に協議されるものと予想される。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)