東アジア“連結”を強化
ASEAN外相 陸路で中国入り
【ハノイ=面川誠】東南アジア諸国連合(ASEAN)各国外相は24日、ラオスから陸路で中国入りしました。23日にタイ北部チェンライを出発 し、ラオスを経由して中国雲南省・景洪に到着。25日のASEAN・中国外相会議を前に、ASEANと東アジア首脳会議参加国の“連結性”強化を訴えるの が狙いです。
昨年10月のASEAN首脳会議は「連結性に関するマスタープラン(基本計画)」を採択。2015年のASEAN共同体創設に向けて、加盟10カ国の一体性を固め、東アジア地域協力での中心的役割を強めることを確認しました。
ASEANのスリン事務局長は24日、陸路での中国入りについて、「ASEANと中国が効果的に連結されており、この連結はASEANが一つの共同体になるときにいっそう促進されることを世界に示すためだ」と語りました。
東南アジア研究所(シンガポール)のチャチャバルポンプン氏は、ロイター通信に対し、「ASEAN全体が中国と陸路で結ばれる。これは他の(東アジア)諸国を刺激するだろう」と指摘。米国、ロシア、日本、韓国などもASEANとの関係強化を急ぐとの見方を示しています。
ASEANのプシュパナタン事務局次長は「資金面でも効果の面でも、ASEAN(内部)の連結強化は周辺諸国との連結を伴わなければ実現しない。東アジアの連結強化の中心にASEANがあることによって、安定と発展が保障される」と述べました。
ASEAN各国と中国の人口は合わせて約20億。国内総生産は約6兆ドルに達します。昨年1月にはASEAN・中国自由貿易協定(ACFTA)が発効しました。
2008年にバンコクからラオスをへて昆明に至る高速道路が開通。さらに中国からミャンマー、タイ、マレーシアをへてシンガポールを終点とする高速鉄道が今年中に着工する予定です。