相棒18 第15話「善悪の彼岸~深淵」
ロンドンの事件をなぞるように、連続殺人を犯していく南井。だが4件目の被害者の年齢も雰囲気も異なっていた。そして右京はかつての5件目の事件の被害者が南井の相棒であったことから、冠城が特命係を辞めれば彼のシナリオから外れると推測。
冠城は多くの人間を殺した南井に屈したら、正義なんかどこにも無いことになると反発し、右京は冠城を特命係の室内に待機させ自ら決着をつけるべく行動を開始する。だが待機中の冠城のもとへ、南井から「犯人が狙っている」と連絡が入り・・・
感想
切ない、寂しい、哀しい。南井との決着にそんな感想を抱くことになるとは思いもしませんでした。
さて今回は南井十との決着が描かれることに。ロンドンの事件をなぞるということは、即ち右京の現相棒である冠城が狙われるということ。冠城に特命係を辞めてもらおうとした右京さんですが、冠城は「右京さんこそ分かってるんですか。特命係を辞めることは負けを認めるているようなものです!」「法と犯罪の問題だと言ってるんです!あれだけの数を殺した人間に俺たち警察が屈したら、正義なんかどこにも無いことになるじゃないですか!」と猛反発。普段は落ち着いた雰囲気のある冠城くんですが、かつてないほどに熱い一面を見せ、悪には決して屈しない、正義を守り貫き通すという固い意志が感じられて、カッコよかったです。
中盤、南井に襲われた際には一瞬ヒヤッとしましたが、まぁもっとひどい暴行を受けて一時的に記憶喪失になっても復活した相棒もいましたし、そこまで心配はしていませんでした(汗。
今回、右京さんが冠城くんに特命係を辞めてくれないかと頼んだものの、結果的には右京さんが冠城の熱意の前に折れることとなりました。結構珍しいケースのような気がします。「正義なんかどこにも無いことになる」という言葉が響いたのかなと。
その後、単独で決着をつけようとした右京さんでしたが、最終的には冠城のおかげで重要な証拠を入手できたと・・・冠城くんが相棒を辞めていれば、この情報は手に入らなかった可能性もあるわけですから、冠城くんの信念が導いた真実とも言えると思います。
事件後、特に支障無さそうに特命係にいる冠城くんを見てホッとしました。
で、南井との決着ですが・・・何と言って良いのやら。たびたび激昂していたのも、冠城くんに対してやけに挑発的とも捉えられる電話をかけてきたのも、どこか話が合わないのも、あんな理由があったとは・・・これまでの登場時にそういった雰囲気を感じたことはありませんでしたが、自らの痕跡や過去を消そうと動いていたことやマリアの死が、加速させることになったのかなと勝手に考えてしまいます。
南井が犯した罪は許されるものではないものの、今回の事件はあまりにも純粋すぎる想いから行われたもの。最早かつての相棒の名前すら憶えておらず、心に残るのは「杉下右京」という憧れのヒーローのような存在だけ・・・「善悪の彼岸」というのがあんな意味を持つことになるとは思いもしませんでした。
南井をそっと抱きしめ、あなたのことを忘れないと告げる右京と、嬉しそうな顔を見せた直後、唖然した表情で崩れ落ちる南井・・・あの瞬間、彼は何を想っていたのでしょうか。自分のしてきたことを全て思い出し、もう二度と右京と捜査が出来ないと気づいてしまったのか。はたまた、右京のことすらも忘れてしまい、何故自分が彼と一緒にいるかも分からなくなり、その場に崩れ落ちてしまったのか・・・
この時点で右京さんもだいぶ困惑というか、どこか目に寂しさを抱えていたように見えましたが、その後の展開で右京さんが明らかに動揺しているのが見て取れました。事件の真相に気づけなかった時の「僕としたことが!」とは明らかに違う類の動揺だったように思えます。「帰りましょうか、特命係へ」の一言にも「この場で出来ることが何もない」といった寂しさが感じられました・・・
何故南井はあんな行動を取ったのか。それは誰にも、南井自身にも分からないことなのかもしれません。ただ、右京さんをシャーロック・ホームズみたいだと言っていたこと、右京さんの光で自分の陰を認識すると言っていたことから考えると、自分をホームズの宿敵・モリアーティ教授に見立てていた可能性もあるのかなと。
存在しない犯人を妄想していたように、幻の右京さんに追い詰められる様を妄想し、幻と共に滝(実際には崖)に落ちることで自らの物語を終わらせようとしたのかなと・・・全ては推測の域を出ませんが、南井は何を想っていたのでしょう・・・
そんなやりきれない終わり方でしたが、次回は陣川くん登場!今回はいつもの陣川くんですよね(汗。
ロンドンの事件をなぞるように、連続殺人を犯していく南井。だが4件目の被害者の年齢も雰囲気も異なっていた。そして右京はかつての5件目の事件の被害者が南井の相棒であったことから、冠城が特命係を辞めれば彼のシナリオから外れると推測。
冠城は多くの人間を殺した南井に屈したら、正義なんかどこにも無いことになると反発し、右京は冠城を特命係の室内に待機させ自ら決着をつけるべく行動を開始する。だが待機中の冠城のもとへ、南井から「犯人が狙っている」と連絡が入り・・・
感想
切ない、寂しい、哀しい。南井との決着にそんな感想を抱くことになるとは思いもしませんでした。
さて今回は南井十との決着が描かれることに。ロンドンの事件をなぞるということは、即ち右京の現相棒である冠城が狙われるということ。冠城に特命係を辞めてもらおうとした右京さんですが、冠城は「右京さんこそ分かってるんですか。特命係を辞めることは負けを認めるているようなものです!」「法と犯罪の問題だと言ってるんです!あれだけの数を殺した人間に俺たち警察が屈したら、正義なんかどこにも無いことになるじゃないですか!」と猛反発。普段は落ち着いた雰囲気のある冠城くんですが、かつてないほどに熱い一面を見せ、悪には決して屈しない、正義を守り貫き通すという固い意志が感じられて、カッコよかったです。
中盤、南井に襲われた際には一瞬ヒヤッとしましたが、まぁもっとひどい暴行を受けて一時的に記憶喪失になっても復活した相棒もいましたし、そこまで心配はしていませんでした(汗。
今回、右京さんが冠城くんに特命係を辞めてくれないかと頼んだものの、結果的には右京さんが冠城の熱意の前に折れることとなりました。結構珍しいケースのような気がします。「正義なんかどこにも無いことになる」という言葉が響いたのかなと。
その後、単独で決着をつけようとした右京さんでしたが、最終的には冠城のおかげで重要な証拠を入手できたと・・・冠城くんが相棒を辞めていれば、この情報は手に入らなかった可能性もあるわけですから、冠城くんの信念が導いた真実とも言えると思います。
事件後、特に支障無さそうに特命係にいる冠城くんを見てホッとしました。
で、南井との決着ですが・・・何と言って良いのやら。たびたび激昂していたのも、冠城くんに対してやけに挑発的とも捉えられる電話をかけてきたのも、どこか話が合わないのも、あんな理由があったとは・・・これまでの登場時にそういった雰囲気を感じたことはありませんでしたが、自らの痕跡や過去を消そうと動いていたことやマリアの死が、加速させることになったのかなと勝手に考えてしまいます。
南井が犯した罪は許されるものではないものの、今回の事件はあまりにも純粋すぎる想いから行われたもの。最早かつての相棒の名前すら憶えておらず、心に残るのは「杉下右京」という憧れのヒーローのような存在だけ・・・「善悪の彼岸」というのがあんな意味を持つことになるとは思いもしませんでした。
南井をそっと抱きしめ、あなたのことを忘れないと告げる右京と、嬉しそうな顔を見せた直後、唖然した表情で崩れ落ちる南井・・・あの瞬間、彼は何を想っていたのでしょうか。自分のしてきたことを全て思い出し、もう二度と右京と捜査が出来ないと気づいてしまったのか。はたまた、右京のことすらも忘れてしまい、何故自分が彼と一緒にいるかも分からなくなり、その場に崩れ落ちてしまったのか・・・
この時点で右京さんもだいぶ困惑というか、どこか目に寂しさを抱えていたように見えましたが、その後の展開で右京さんが明らかに動揺しているのが見て取れました。事件の真相に気づけなかった時の「僕としたことが!」とは明らかに違う類の動揺だったように思えます。「帰りましょうか、特命係へ」の一言にも「この場で出来ることが何もない」といった寂しさが感じられました・・・
何故南井はあんな行動を取ったのか。それは誰にも、南井自身にも分からないことなのかもしれません。ただ、右京さんをシャーロック・ホームズみたいだと言っていたこと、右京さんの光で自分の陰を認識すると言っていたことから考えると、自分をホームズの宿敵・モリアーティ教授に見立てていた可能性もあるのかなと。
存在しない犯人を妄想していたように、幻の右京さんに追い詰められる様を妄想し、幻と共に滝(実際には崖)に落ちることで自らの物語を終わらせようとしたのかなと・・・全ては推測の域を出ませんが、南井は何を想っていたのでしょう・・・
そんなやりきれない終わり方でしたが、次回は陣川くん登場!今回はいつもの陣川くんですよね(汗。