みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

長楽寺の杜鵑草

2021-09-08 10:03:31 | 俳句
俳句の会で龍明(りゅうめい)の長楽寺へ行きました。昔は狢内(むじなうち)という地名だったそうです。会の仲間の話によると、小字(こあざ)では昔から龍明というところがあったそうです。龍明という地名の由来は定かではありませんが、縁起が良さそうな名ですね。

創建は824年、長楽寺となったのは1614年だそうです。現在はこじんまりとした無住寺で、本堂は築百年以上は経っていそう・・ 弁柄色が褪せてしまっていますが、均整のとれた美しい形をしていて、軒下の彫りものが実に見事! 正面の龍、そして四隅の獅子の彫りものの迫力は凄い! 剝げ落ちてしまったらしい金箔の名残りが微かに判ります。

本尊は薬師如来だそうですが、堂内を除くと、奥には扉を閉じた厨子が見えます。この厨子、相当古いようで、もしかしたら1614年に安置されたものかも? 当時は極採色だったと思われる名残がぼんやりと見えました。
          
          蟋蟀や御堂昏きに厨子ほのか

本堂の左手には、一本歯の下駄が祀られていました。この地には、親孝行の天狗の伝説が伝わっているからでしょう。
この下駄を祀っている御堂はミニサイズですが、実に丁寧に細工されていて、杮(こけら)葺きの屋根の勾配や反りも、小さな木端を並べ重ねた美しい曲線で形造っています。そして、このミニサイズの御堂を鞘堂が守っています。

手前の山門の両側には、阿吽の金剛力士像が力強い姿を見せています。

八郷の奥まったところにある古いお寺ですが、寺域は草刈りも行き届いており、地元の方々によってしっかりと管理されているのだと感じました。時代劇が盛んな頃には、撮影のロケ地として重宝されていたそうです。



秋蟬の声だけが聞こえる境内をゆっくり歩いていると、足元に咲く美しい花と出会いました。ヤマジノホトトギズです。この花に出会うのは2回目(1回目は、やはり八郷地区内の山路脇でした)です。

          杜鵑草一輪護り仁王様 

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