みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

初音と地鳴き

2023-03-04 08:57:00 | 野鳥
今朝7時頃、ヨタヨタしながら野良仕事をしていたら、裏山の木立から鶯が初音を聞かせてくれた。 オケキョ ケッ ケッ ケッキョ キョケッ たどたどしいが、まぎれもない囀りだ。でも暫くしてから今度は藪の中で ジャッ ジャッ と地鳴き。鶯も私も、冬と春を行ったり来たりの気分だ。

戦争やら環境破壊やらで人類は遠からず自滅するだろうけれど、野鳥たちにとって最悪の天敵である人間どもがいなくなったら、まさにこの世の春で、囀りも一段と美しく高らかに賑やかになることだろう。恐竜から進化したという野鳥たちは、多少の環境変化にも対応出来る生命力が備わっているのかも知れない。それでもいつか太陽系が滅びるときまでには、野鳥たちも他のあらゆる生物種も亡びる宿命ではあろう。

それにしても不思議に思うのは、恐竜の姿として想像されている絵などを見て「美しい」とは感じないのに、恐竜から進化したという野鳥たちの姿を見ると何故「美しい!」と感じるのだろうか? 美しいという感情の由来が不思議だ。



コチョウゲンボウの激突

2023-01-03 14:01:20 | 野鳥
朝七時頃、ドッーンという物凄い打撃音に驚いて見たら、外縁側に野鳥が一羽うずくまっている。どうやらガラス戸に写った自分を敵あるいは獲物の鳥と誤認識して、猛烈な勢いでガラス戸にぶつかったらしい。 

昨春だったか、同様に当庵のガラス戸にぶつかったホオジロが、衝撃により一命を落としてしまったので、土葬したことがある。
今回はキジバト大ぐらいの中型の野鳥で、命は大丈夫そうだったが、打撃音の凄さから推測すると、翼などにかなりの痛手を受けたのではないかと心配しながら、暫し観察した。

一見してオオタカを小さくしたような猛禽類だが、可愛らしい丸い眼でガラス戸の内側の私を見上げている。写真を撮っておこうかと思った途端、パッと飛び立って林の方へ消えた。ガラス戸激突が致命傷にはならなかったのであれば、よかった!

小型の猛禽類なので、チョウゲンボウかな?とも思ったけれど、図鑑とよく見較べてみたら、更に小型のコチョウゲンボウの雌らしいことが分かった。

八郷で出会った野鳥は、これで69種となりました。

夜鷹

2022-07-16 14:16:12 | 野鳥
戻り梅雨で、今日は雨こそあまり降らないものの、厚い雲に覆われ昼間も薄暗い。

昼下がり、当庵近くの路上にキジバト大の鳥がうずくまっているのに出会った。怪我でもしたのかな? 車で帰庵中の私は一時停車。それからゆっくり鳥を避けながら進もうとしたら、パッと飛び立って森の方へ。

勢いよく飛んだから、怪我というわけではなかったようだ。全体は褐色気味で、マダラ模様に覆われている。嘴は猛禽類特有の曲がり方はしていない。
野鳥図鑑で調べた結果、ヨタカ(夜鷹)の可能性が高い、という結論に。鷹の名が付いているけれど、猛禽類ではない。

周辺環境はヨタカの生息に適している。出会ったのは林縁だ。ヨタカは夜行性なのに、出会ったのは昼間だが、薄暗い天気だった。路上にうずくまっていた姿が、図鑑掲載の枝上にうずくまる姿にそっくり。

当地でヨタカを認識したのは初めて。八郷で出会った野鳥は、68種となりました。

宮沢賢治の「よだかの星」を読みたくなりました。

ハイタカの声

2022-04-05 18:36:13 | 野鳥
冷たい雨が一日中降り続いた昨日は2月の寒さだった。
今日の空は、雲が厚めだけれど、気温は穏やかだ。近所のお宅へ寄ったときに写真を撮らせてもらった。

     

チューリップを始め、水仙、芝桜、コブシ、モクレン等々、色んな花々をいっぱいに咲かせて、まるで花園のようなお宅である。
もうすぐカボチャの苗が植え付けられる予定の畑では、麦が勢いよく生長して艶やかだ。この麦は、穂が熟さないうちに刈られ、その場に敷かれる。そして、カボチャの敷布団の役目を果たす予定だ。

近くの林では、ハイタカが強く激しい声で盛んに鳴いている。警戒の声か、餌の小鳥を捕まえたのか、それとも雌を呼ぶ声か・・

当庭のユスラウメは、咲いたと思ったらもう、萎れ始めの兆しが見える。
生は一瞬たりとも留まらず、そして死は永遠だと思う。


初詣

2021-01-02 20:16:51 | 野鳥
元日の昨日は、当庵から徒歩数分の小さな祠へ初詣。今日は、石岡市柿岡の高友丘陵にある佐志能神社へ詣でた。

痛い腰と痺れる脚、そして全体的に辛い身を引き摺るように杖で支えながら、のろのろと、でも懸命に歩いて、当庵から片道約40分を要した。空気は冷たいが、冬晴れの澄み切った青空は美しい。あたり一面枯野だが、日当たりの良い路傍には、ホトケノザやオオイヌフグリ、ボロギク、タンポポ、ナズナなどが少しずつ、いじけながらも咲いている。健脚ならば20分足らずだろうが、辿り着いたときは嬉しかった。

神様へ何かお願いごとをするわけでもないし、神様を信じているわけでもないが、最も大切であろう筈の何かに対して、2礼2拍1礼した。

仏教では無とか空とか言って、偶像崇拝とは無縁の筈なのに、お寺には金銀で飾り立てられた御本尊が祀られている。一方、神社の社殿の中は、鏡?があるぐらいで、まさにガランドウに近い。何かを祀るというよりも、その場を「囲む」ことに意味があるのだろう。

拝殿前の傍らに古い石仏が数体並んでいる。「寛政」という江戸時代の年号が刻まれている像もある。嬰児を抱いている女人仏もあった。深い悲しみに呆然としているような顔だ。抱いている嬰児は死産の嬰か、堕胎の嬰か、短命の嬰か・・・

今日1/2は、幼くして逝った娘の命日。今回は墓参を諦めた。新型コロナウィルス感染急拡大の現状で、公共交通機関を利用することに二の足を踏んだ。かといって愛車で長距離を駆るのはもう無理な齢だ。

例年の元日には、本田(ほんでん)のお社へ詣でていたが、これも今回は諦めた。この体で坂道が多い片道1時間以上を歩いて往復するのはもう無理だと判断した。今日の佐志能神社詣では、その代わり、という気持。

佐志能神社と隣り合せの丸山古墳は5世紀初頭に築造された前方後方墳(前方後円墳ではない)。この古墳と神社がある高友丘陵の大方は、カシやシイなどの常緑樹が多めの雑木林で覆われている。

雑木林の中の細道で、小鳥たちに出会った。数羽の小群で地面を突きながら採餌している様子だ。アオジよりも少し小柄でスマート。尾は長くも短くもなく、ミソサザイのように立ったりしてはいない。警戒心の強いアオジとは異なり、1メートル半ほどまで私が近付いても、さして驚かず、私の歩幅に合わせてピョンピョンと前方へ進み、採餌を続けている。昼とはいえ、やや薄暗い林床で、私の視力は弱い。小鳥たちの背側は黒っぽく見える。嘴のすぐ下,喉の辺りがほんの少し白く、その下が少し黄色っぽく見えるが、腹側全体は白っぽく見えた。ジッ ジッ  と地鳴き続けているが、時折 ヒヨ ヒヨ と澄んだ小声も聞こえる。他の種が混ざっているわけでもなさそう。

帰庵して野鳥図鑑で調べたが、この小鳥たちの正体が分からない。どなたか、教えてくださいませんか。  

アリスイ の不思議

2020-11-07 15:48:40 | 野鳥
小春日和が続いたこの数日、大きな声で盛んに鳴く野鳥の声が裏山から聞こえる。低い藪から聞こえるので、ヤブクグリの別名を持つミソサザイか?と最初は思った。ミソサザイなら数回、見掛けたことがあるし、小柄なのに大きな声で鳴くらしいし。

しかし、クィクィクィクィクィ と畳みかけるような鳴き方は、ミソサザイではない。
鳴声でネット検索して、アリスイ だと判明した。

北国では夏鳥だが、関東以南では越冬することがある、という。今日は立冬。当地を気に入ってくれて、冬を越すつもりなのかな?
その名の通り、主食はアリ。それにしても、写真を見ると、なんて地味なファッションの鳥だろう。土色というか、落葉色というか、ゴチャゴチャした模様を纏っている。土や朽木などにいるアリを摂るのだから、保護色として完璧ではある。だったら、どうしてあんなに大きな声で鳴くの? 天敵が直ぐに聞き付けて、襲われてしまうんじゃないの?

なんとも変わっている、というか、異色の野鳥だと思う。
八郷で出会った(鳴声だけの出会いを含む)野鳥は、68種 となりました。


小さな影のような ミソサザイ

2018-11-30 17:26:06 | 野鳥
夕方4時頃、背腰脚痛に耐えながら飼犬ユキの散歩をしていた。切り通し状の山路の端の薄暗い辺りを、何か小さな影が走り去ったような気配がした。風の悪戯で落葉が動いたのかも? でも最近、この辺りで何度か同じような気配を感じている。

目を凝らして気配の先の方を見たら、いた! 地面に落ちている朽枝の上で、とても小さな茶色っぽい小鳥が尾羽をピンと立てている。瞬時に見失ってしまったが、帰庵して図鑑などで調べたら、やはり ミソサザイ だった! 初めての観察でした。

体長11センチで、キクイタダキの次ぐらいに小さな小鳥。地方によっては ヤブクグリ とも呼ぶらしい。影のようにすばしこく地面付近を動く生態にピッタリの呼称だと思う。

冬季には低山にも現れるが、主に山地から亜高山帯で繁殖する。早春になると、小さい体なのに大きな美しい声で囀るそうだけれど、その頃にはもう当地を離れてしまっているだろうから、残念ながら聞けそうにない。

野鳥のほとんどは一夫一妻制だけれど、このミソサザイとウグイスは一夫多妻制なんですって・・・

八郷で出会った野鳥は、これで67種となりました。

夕方の鷹

2018-05-20 19:04:01 | 野鳥
夕方、当菜園の向こうの柿の木に鷹が飛来したのが見えたので、当庵の縁側から撮りました。



     

不器用な腕で撮ったので画像が不鮮明ですが、喉下の中央の黒っぽい縦線は、夏鷹のサシバの特徴です。当庵付近はサシバにとって住み心地が良いらしく、毎年やってきて、ピックィー という独特の声でよく鳴いています。

暮れ始めようとする時間ですが、まだ空腹が満たされず、獲物を探しているのでしょうか? 猛禽類も、生きていくのに必死だと思います。


サシバの声

2018-04-09 13:32:59 | 野鳥
春本番のこの季節になると、小さな菜園と小さな庭でも、それなりの野良仕事が俄かに忙しくなる。昨日はエンドウの支柱立て等。今日は、茄子やピーマンなど夏野菜の植え付けに備えて、元肥(下手な自家製の落葉堆肥と当鶏舎産の鶏糞)を畑土に仕込んだ。そして、地下茎で押し寄せてくるスギナ退治。まったくスギナほど憎らしい草はない。取っても取っても、次々に出てくる。スギナの地下茎は地獄に通じている、と言われる理由も腑に落ちる。

午前中の一仕事を終えて、庵内で一息入れていたら、近くの空から ピックィー と甲高い声。サシバだ! 今季初めて聞く声だ。毎年やってくる夏鷹だけれど、今年は例年より早い。

久しぶりに聞いたサシバの声に元気をもらった気分でいたら、ちょうどそのとき、ラジオが「サシバは、生息環境の里山の減少により、絶滅が心配されていて」云々と報じだした。栃木県だかで、「サシバ・サミット」なるものが開かれる、とも言っていた。そうか、サシバよ、お前たちも絶滅の危機にあるのか・・・ サシバが絶滅するようでは、人類の滅亡も近い。