みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

咲いてくれて有難う

2022-06-10 09:00:04 | 八郷の自然と風景
梅雨入りと同じ頃に立葵が咲き始めた。



当地では農屋敷の周りや辻の傍らなど、あちこちでよく見かける花だ。色は白、薄いピンク、濃いピンク、薄い赤紫、濃い赤紫、どれも美しく目立つ。鬱陶しい梅雨の間も、この花に出会うと気持が明るくなる感じがする。花は茎の下の方から咲き始めて、次第に上の方の花が咲き、茎の天辺の花が咲く頃に梅雨が終わるのだ、と教えてもらったのは、当地へ移住してまもない頃だった。

近所のお宅では数年前から、広いお庭の周りにぐるりと立葵の花を巡らせて、実に美しい光景を見せてくださるようになった。昨年、働き者で花好きの八十路の御主人におねだりして種を分けてもらい、当菜園の傍らに蒔いた。小さな芽が出て、冬を無事に越して、咲いてくれたのが上の写真。

花は裏切らない。咲いてくれて有難う!

草たちの共存共栄

2022-05-05 13:04:33 | 八郷の自然と風景


田水が張られ、代掻機が力強く動き、そして田植機が注意深く進む。植えられたばかりの幼い苗が、田を渡る風に柔らかにそよぐ。
八郷の風景が新たに美しく変身する季節です。風景の向うに筑波山が、遠慮がちに頭を覗かせています。

田んぼの周りの畔や土手などには、多種多様の草たちが顔を出し、背を伸ばし、次々に花を咲かせている。タンポポ、ハルジオン、オニノゲシ、スカンポのほか、屈み込まなければよく見えないほど小さなトウバナの花や、茎を真直ぐに伸ばしたスマートなキツネアザミも。

名前を知らない赤紫色の花が、最近増えてきたようだ。外来種だろうか? 花の径は10~15ミリぐらい。私の下手な写真では淡い色だけれど、実際は濃くて目立つ赤紫色の花だ。



草たちは、その勢いを競い合っているというよりも、何とかして共存共栄していこうと工夫をこらしているように見える。野生の動物たちも、無駄な喧嘩はしないだろう。人は、あらゆる生きものの中で最も残忍かつ愚かな種なのかも知れない。

新聞もラジオもネットも、ウクライナ&アメリカ・イギリス等=善玉、ロシア=悪玉という単純この上ない振り分けで、真偽も定かでない情報とやらの洪水だ。もううんざりだ。事実は多様であり、真実とは矛盾でもあるという当たり前のことが置いてきぼりにされている。どうやら日本共産党まで、この浅はかな情報の洪水に身を委ねてしまっているらしい。何とか踏みこたえているのは、国政政党ではれいわ新選組だけとは・・・

アメリカ、次いでイギリスは、日本円に換算して数千億円、否、兆が付く単位で、ウクライナへ武器を供与するという。
死の商人の高笑いが聞こえる。






ムラサキケマン

2022-04-11 18:28:11 | 八郷の自然と風景
近くの山路脇にムラサキケマンが咲いている。珍しいというほどの野草ではないけれど、そんなにありふれてもいない、といったところか? 花が小さいながらやや複雑な形をしているのが目を引く。「華鬘」という名が付いているのも頷ける。



葉(白っぽく写ってしまったのは、木洩れ日の反射のためか・・)が人参の葉に似ているけれど、このムラサキケマンは有毒で、うっかり食べると心臓麻痺や呼吸麻痺を起こすらしい。

その名前からして、当然「ケマンソウ」の一種だろう、と思い込んでいた。大間違いだった。ケマンソウの花とはまるで違う!
なにごとも、思い込んで「疑わない」のは間違いの元だ。

あと何回?

2022-03-16 10:23:14 | 八郷の自然と風景
裏庭のクリスマスローズの花が遠慮がちに開き、菜園の周りに移植しておいたラッパ水仙も咲き始めた。茶庭の傍らの侘助椿は花盛り。雑草と云われる草たちも勢いづいてきた。



シジュウカラ ツグミ ヤマガラ コゲラ カワラヒワ 等の小鳥たちが、競い合うように囀っている。雲雀は、ひときわ高い空で懸命な声を響かせている。ウグイスはもう上手に歌えるようになった。夜になると、裏山のフクロウが厳かな声で何かを告げる。

春の命の息吹を享受できることの幸せを思う。そしてまた私は、あと何回、春と出会うことが出来るのだろうか と思う。もう生きて出会うことは無いかも知れない と思う。そんな齢だと思う。

 

生と死の瀬戸際で

2022-02-03 13:27:11 | 八郷の自然と風景
一昨日から、裏山の鷹が盛んに声高く鳴くようになった。少し甘い感じがする声だ。雌を呼んでいる雄なのだろうか。

今朝、野良仕事をしていたら、ツピー ツピー と囀りながらシジュウカラが合歓木の枝を飛び移り、そのすぐ傍らには ズビー ズビー と鳴くヤマガラ。近くにはコゲラもいて、コッコッコッ と樹幹を突いている。やがて近くの林からシジュウカラの小群が飛び出してきて、合歓木の仲間たちと一緒になった。

野鳥たちにとっては食糧枯渇の季節だ。生と死の瀬戸際で、まさに懸命の季節なのに、その姿が何故人間には「美しい」と感じられるのだろう?

風は冷たいが、日差しは明るい。
当地の友人から分けてもらった水仙の球根を、茶庭の周りに埋めてから10余年。水仙は増え続けて、この季節には次々と花開く。



体長4~5ミリの虫が花の蜜を求めて幽かな羽根音を響かせていたが、スマホのカメラを近付けたら、逃げてしまった。せっかく見つけた御馳走だったろうに。





春を探す

2022-01-26 12:36:09 | 八郷の自然と風景
冬旱が続いているけれど、昨夜の小雨で潤いのある朝となった。

裏庭のウグイスカグラが、かぼそい分枝毎に小指の爪の先より小さな蕾を付けていて、数輪が花開いていた。
径5~6ミリほどの実に小さな花である。スマホのカメラで撮ってみたけれど、拙い私の腕では焦点を合わせることが出来なかった。
ウグイスカグラという命名の由来は、鶯が鳴き始める頃に咲くから、というけれど、鶯の初音の季節より1ヶ月余り早い。

茶庭の傍らの侘助椿(ワビスケツバキ)は、蕾の先を紅色に染め始めていた。
一輪だけ、密生した葉の蔭に隠れるようにして咲いていた。径1センチほどの小さな椿だ。

捩花の季節

2021-06-21 14:40:51 | 八郷の自然と風景


当庭にも捩花が咲き始めた。花穂の下方から上方へ花の数が増えてくるにつれて、俯いている先端が真直ぐに空へ向かうようになる。小さくひっそりと慎ましいようでいて華やかさも感じる、妙に印象の強い野草だ。野道や広場などでこの花に出会うと、誰しも足を止めたくなるだろう。

丈の低い草が生えている広場などでよく見掛ける。草木が生い茂った藪や薄暗い林床などは苦手で、逆に管理が行き届き過ぎているようなところも苦手で、中途半端に管理された野原などがお好みらしい。

当庭では数年前に初めて顔を出してくれた。それから毎年、この季節になると同じ場所から花穂を伸ばしてくれる。ラン科の多年草らしい。

          去年の夢捨てし辺りや捩り花

クモキリソウ

2021-06-01 18:17:22 | 八郷の自然と風景
近くの林縁でクモキリソウと再会した。犬の散歩を兼ねて逢瀬を楽しんでいる。木洩れ日も届きかねる薄暗いところだ。この付近で初めて出会ったのは15年ぐらい前だったと思う。その姿が消えてから10年ぐらい経過している。

     

ラン科だが、花は小さくて1センチにも満たない。地味で目立たず、色は白に近い薄緑。よく見ると妙な形をしている。クモキリソウという名前の由来は、蜘蛛散草(クモチリソウ)の音が変化した、という説があるという。確かに、小さな蜘蛛の子を散らしたようにも見える。葉が2枚だけで向き合っている姿も妙な感じがする。

場所によっては群生していることもあるらしいが、一本だけの姿の方がこの花らしいのではないかと思う。

          一山の謎の徴や蜘蛛散草