みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

萩黄葉の中に

2009-10-29 19:02:30 | 生死

Dscn1022_2 当菜園の「モッテノホカ」が咲き溢れています。花びらを摘んで、菊膾にして戴きました。まろやかな味と舌触り、そして美しい色合いは食用菊の女王様!

Dscn1025 毎朝ピンセットで青虫を捕り続けたブロッコリーは、このところ急成長して私の拳より二回りぐらい大きくなりました。

Dscn1017_2 萩黄葉の中に、当庵の郵便受けポストが立っています。2年前、当庵設計者のyOさんのお連れ合いのtMさんに造ってもらいました。

tMさんは50歳過ぎにサラリーマンを止めました。朝鮮半島で発掘された古代の鉄器類に出会ったとき、その黄金色に輝く鉄錆が、2千年の時を経て届いた「文明のメッセージ」に思えて、鉄の造形に取り組むようになったそうです。

ポストには庵主の性格を表現した、とtMさんは言いました。そして、めったに他人には悟られない、私の或る性格を言い当てられました。それがどんな性格かは秘密!ですが、確かに私はこのポストに、吾が分身を感じます。

今日も野良仕事中に、周りの光と影が動き出したと思ったら、サーっと雨が通り過ぎていきました。秋時雨には、存在の総てが透明になっていくような感覚があります。tMさんが食道癌で亡くなってから10日が過ぎました・・・


あっという間の出来事

2009-10-27 18:49:13 | 八郷の自然と風景

Tオートで愛車を診てもらった。実は10/25、道路中心を越えてかなりのスピードで来た対向車に接触されて、サイドミラーが吹っ飛んでしまったのだ。あっという間の出来事だった。

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Dscn1007 事故初体験の私は緊張した。でも相手の運転者は、面識は無かったものの近くの地元の方で穏やかなお人柄に見えたし、私の車にはhKさんとkSさんが同乗していたから心強かった。警察を呼び、保険会社の方に連絡を取り、相手の方とも連絡先を伝え合って別れた。相手の方はほろ酔い気味に見えたが、警察官は気が付かなかったようだ。事務的に聴取しただけだ。

吹っ飛んだミラーの衝撃でドアにも傷が付いていた。Tオートでは取り敢えずミラーの応急措置をしてもらった。

対向車の異常な走りを見た私は、ブレーキを踏み路肩いっぱいまで寄ったのだが・・・ 物損だけだったのは、不幸中の幸い。でもあと数センチの違いで、私の右半身が傷付いただろう。数十センチ違っていたら、命に係わっていたかも知れない。あっという間に人の運命は変わっていくのだ。

Dscn1012_2 天気も変わり易かった。明け方まで土砂降りの雨。午前中は暖かい晴天。Dscn1018 洗濯物を干し、当菜園で収穫した落花生の実と小豆を外縁に干していた。

Tオートにいるとき、筑波連山の上に怪しげな雲が湧き広がった。帰庵して干し物を取り込んで間もなく、にわか雨が通り過ぎた。柿紅葉も沙羅の照葉もたちまち濡れ色になった。


青く光る瞳

2009-10-23 20:11:54 | 

Dscn0997_2 今朝は犬のジュンと時間を掛けて散歩出来た。昨夕も昨朝も、そして一昨夕も真っ暗な中、当庵周辺を少し歩いただけだった。

昨日は水戸で「茨城県芸術祭茶会」だった。いつも茶道の稽古に通っているE師の社中が、裏千家茶席の主催を務めたのだ。大先生、若先生の御指導のもと、弟子20名ほどが総力を挙げた。

一昨夕は会場の準備を皆で終えて、帰庵した時は日はとっぷりと暮れていた。昨朝は早々に正装して会場へ向かわねばならなかったから、ジュンの散歩は夜明け前だった。満天の星たちが光を降り注いでくれた。

昨夕は皆で後片付けして、帰庵した時はちょうど日が暮れたところだった。ジュンは青く光る瞳で待っていた。昼間のジュンは茶色の瞳だけれど、暗闇の中では青くなるのだ。

Dscn1000 席主を務めた大先生は、茶道具の説明(写真上でクリックすると拡大で読めます)もユーモアを交えて、お客様たちを楽しませて下さった。

茶席のお客様は30名余ずつ、何度も総入れ替えで、延べ400名近かった。お二人の師と先輩方の気配りには凄みさえ感じた。人への気配り、物(茶道具など)への気配り、時間と空間への気配り・・ 総てに伝統に培われた智恵が活きていた。


鉦叩

2009-10-18 20:34:01 | 俳句

昨日は公民館同好会の「気功」だった。mM師はボールを小道具に使うことも教えて下さった。ボールの上に体を横たえて、体でボールを転がしたり・・楽しく気持が良い。ところが、終わって帰る時、うっかり者の私はボールを「忘れ物」にしてしまった。

Dscn0988_2 同好会長のmSさんが忘れ物に気付いて、御自宅に預かって下さった。今日、受け取りに伺って感謝! その上、丹精のレタスと自家製のお味噌を戴いて、恐縮の限り!

御主人のhSさんとmSさんは東京でお勤めだったが、早めに退職されて八郷へ移住された御夫婦だ。お揃いで気功をなさる外、2反の菜園を耕したり、マラソンに挑戦されたり、絵手紙などの御趣味を楽しまれたり・・とってもお幸せそう

Dscn0989_3Dscn0992_2 当菜園では小豆の収穫を開始。熟れたのから順次採って、鞘から実を出し、虫害の実をピンセットで除き、合格?の実を天日に当てる。面倒な作業、とも言えるが、のんびりした気分でやれば、秋を満喫しながらの楽しみになる。

当庭の山茶花が咲き始めた。秋の夕暮れは、たちまち身の回りを暗くする。夜の虫の声もめっきり少なくなった。今夜は鉦叩(カネタタキ)が鳴いている。

     独り居や耳打ほどに鉦叩        小零


花野

2009-10-15 19:15:40 | 俳句

Dscn0979_2 当菜園の薩摩芋を掘ったら、太いのがゴロゴロ出てきた。早速今朝、少し蒸かして食べた。旨い! 日に当てると旨味が増す、というので、落葉堆肥枠の蓋の上に並べてから、公民館へ行き、俳句の会に参加した。

乗合いタクシーで加波山麓へ行って、皆で吟行した。薄紅葉と落葉がちらほら。朴の木の葉も落ちていた。  

       1人には1人の音や朴落葉    小零

秋は花の季節でもある。春の華やかさとは異なるが、蓼(タデ)や柚香菊(ユウガギク)や白山菊(シラヤマギク)等々が咲く。足元の小さな縮笹(チヂミザサ)だって地味ながら繊細な花を付ける。水の音に誘われて沢のほとりに行ったら、晒菜升麻(サラシナショウマ)の花穂が慎ましく揺れていた。

会の代表のkWさんは八十路。胃癌から生還し元気を取り戻されたが、先月下旬に転倒、股関節を骨折して手術された。経過は順調で、リハビリを始められたそうだが、今日は欠席。やはり八十路のkKさんの句

         癒えられよ共に花野を歩みたく    

が、句会の最高得点をマークした。kWさんを慕う皆の思いが、この一句に結晶している。


異邦人

2009-10-13 20:04:42 | 暮らし

Dscn0978 プリンターのインクを買いに行った。八郷地区内には売っている店がないから、地区外のケーズ電気へ愛車を20分ほど駆った。

Dscn0977 Dscn0976 広~い駐車場の向こうにヨークベニマル、カワチ、両側にニトリ、ユニクロ、ダイソーなどが並ぶ大ショッピングエリアだ。

空が広いのは八郷と同じだけれど、地上の店舗は、デザインも売り方も全国共通の仕様で、私にはなじめない。まるで異邦人になった気分。

同じ石岡市内だけれど、八郷に戻るとホッとする。夕飯には、有機無農薬栽培のT田の玄米を炊いた。先月末に収穫したばかりの新米だ。生のときも、炊いてからも、艶がある綺麗な米粒だ。噛むほどに豊かな味わい お米って、なんて素晴らしいんでしょう!


お見事

2009-10-11 18:40:45 | 着物

Dscn0964_sh01 ひたちなか市茶道連合会芸術祭茶会へ行った。会場は勝田駅近くの文化会館内。秋晴れのもと、小紋の袷に名古屋帯を締めた。

Dscn0962 袷は近所のhKさんから譲ってもらったもの。帯は骨董市で求めたもの。バッグは近所のkSさんから譲ってもらたもの。長襦袢はibakasumiさんのお世話で入手したもの。皆さんへ感謝!

着物姿で電車に乗ったのは初体験。どうにか無事に勝田駅に着き、茶道の大先輩のMさんと落ち合って、お茶席をご一緒出来たから心強かった。Mさんは御自宅で茶道を教える外、障害者福祉のためのボランティア活動でも大活躍されている。

お茶席の亭主役は、E師のもとでの稽古仲間のHさんだ。Hさん自身も御自宅で茶道を教えていらっしゃる。海外旅行で求められた別用途の品の幾つかを茶道具に見立てられた、斬新なお席だった。

Dscn0969 Hさんの御主人が創作された黒柿製の茶道具をお土産に戴いて、恐縮の限り・・Dscn0970

左写真は、栗のデザインの香合と八角の茶器。

Dscn0975 右写真は、柿のデザインの茶器と、その中に納めることが出来る大きさの香合。

定年退職後に始められたそうだが、見事な彫りは玄人ハダシ、と思う。 茶席の受付を楽しげに務められて、Hさんとの息の合わせ方もお見事、とお見受けした。


お裾分け

2009-10-09 19:52:41 | 暮らし

台風一過の晴れ上がった朝、近所のsOさんが来て沢山の通草(アケビ)の実を下さった。当地の林にはミツバアケビが多い。しかし、藪に分け入って高木に絡む蔓の上の方の実を採るのは私には難しい。

Dscn0960 大きくて紫色に良く熟れている。中の種を包む真綿のような部分を口に含むと、芳しい果汁がとろけてくる。

沢山戴いたので、私一人では食べ切れない。昼過ぎ、犬のワクチン接種に来て下さったE先生へ、通草の実をお裾分けした。

午後、岩間まで愛車を駆ってYさんと会った。日頃お世話になっている彼女にも、通草の実をお裾分けした。Yさんからは、温かそうな靴下を戴いた。「あちこちから靴下ばかり貰って余っているから」とのこと。お裾分けは、お互いに気兼ねなく受け取れるし、物を大切に生かすことになるし、私は大好き


暴風裡

2009-10-08 19:48:51 | 八郷の自然と風景

大きな台風だった。茨城は直撃を免れたが、朝から暴風が吹き荒れた。雨は早めに止んで青空が覗いたが、裏山も当庭の木々も大揺れが続いた。

Dscn0957 昼過ぎまで雨戸も開けられず、庵内に身を潜めていた。こんな日は、ネットを覗く回数が増える。

人様のブログも良く見る。最近、偶然に「気まぐれな日々」というブログに出会った。内容は政治的なメッセージで、その総てに私は共感するわけではないが、事実と見解を伝えようとする心が熱い。また、このブログを通じて知った「きっこのブログ」は、不思議な魅力に満ちている。

「きっこのブログ」中の芸能関係?の記事については、私はチンプンカンプン。 しかし、このブログ中の「世田谷通信」と称する記事の先見性は凄い。「きっこ」のプロフィールは書かれてはいるが、本当の姿は謎、と私は思う。

暴風の後の山路には、捥ぎ取られた木々の枝葉が散乱・・かなり太い枝も落ちていた。菜園の大豆と小豆は倒伏し、成長期の大根の葉は吹き千切られていた。それでも、庵も犬のジュンもウコッケイ達も私も無事でいられたのだから、良しとしよう。


感謝!

2009-10-06 19:17:31 | 着物

愛車を1時間余り走らせて、ibakasumiさん宅へ行った。少し改まったお茶会に関わる際に相応しい着物が入用となり、リサイクルの着物を取扱っていらっしゃる彼女を頼ることにしたのだ。

Dscn0952_2 見立てて下さった袷と帯そして帯締はとても落着いた色合いで、改まったお茶会にピッタリ 

袷は無地だけれど、よく見ると星屑のような細やかな地模様が散らしてある。私はすっかり嬉しくなった。ibakasumijさんに感謝!

往復の途上でガソリン残量が乏しくなった。沿道のガソリンスタンドは「セルフ」だった。お恥ずかしいことに私はセルフの作法を知らない。恐るおそる事務所のドアをノックして、御指導を乞うた。

事務所の青年は丁寧に教えてくれた。最後に、給油口の蓋を私が確実に閉めることが出来たかをチェックしてくれた。「助かりました、有難うございました」と頭を下げて感謝!

もうこれからは「セルフ」でも怖くない、と言いたいところだが、うっかり者の私は給油口の蓋をスタンドに置きっ放しで出発しそうな気がする・・大変なことになってしまいますよね