俳句の会で、笠間市福原の出雲大社へ行きました。私が所属する地元の俳句の会は、大小二つ。今日は大きい方の会です。
公民館前に集合して、バスに乗り込みました。国民宿舎「つくばね」が出してくれたバスです。私と同世代の運転手さんはイケメンで親切。お天気にも恵まれてウキウキ。窓外には次々に春の花々が見えてきます。「あっ、コブシだ!」「ハクモクレンだ!」「レンギョウだ!」と姦しい女性陣に、殿方陣は呆れながらもニコニコです。
常陸国出雲大社は、平成4年12月に島根県の出雲大社から分霊鎮座。平成26年9月に単立の宗教法人として独立したそうです。参道の坂から見上げると、先ずは長さ16メートル、重さ6トンという注連縄に度肝を抜かれます。
写真は現地で撮り損なったので、チラシの写真を一部転載します。
大き過ぎる注連縄や拝殿は、正直なところ、あまり私の趣味ではない。かといってイヤでしようがないというほどでもない。全体的に鷹揚な雰囲気があるし、整備しているとはいえ、豊かな自然がそれなりに生かされてはいる。
大規模な施設整備のための初期投資は、相当な額だったろう。リスクも懸念されたのではないかと思う。しかし今、この便利とは言えない場所に、若い世代を中心として少なからぬ人々が訪れている。人の繋がりが希薄な時代に、縁結びの神というキャッチフレーズがヒットしているのだろうか。宗教法人の事業経営という観点からは、確かな軌道に乗っているように見える。
本殿の後ろは、山のほぼ全体が樹木葬の地として区画されている。これも、自然葬志向の時代の風向きを的確に捉えた経営感覚の勝利とも言えよう。
囀りや樹木葬儀の椅子小さく
芽吹き始めた雑木林の中の小道を、樹木葬霊園へ歩いているとき、かんざしのような花穂をいっぱい垂らした樹木に目を惹かれた。暗赤色の花穂の樹木は、他の地で私は見たことがない。青空へ向かって沢山の枝がのびのびと広がっている姿も良い。幹は暗灰色の地に白い模様がある。イヌシデ(別称ソネ)に似ているけれど、花穂の色が違う。イヌシデの雄花穂は黄褐色だ。帰庵してから調べたら、どうやらアカシデ(別称ソロ)らしい。
イヌシデ、アカシデの「シデ」は、花穂の様子を、注連縄などに垂らす紙垂(シデ)に喩えているのだろう。イヌシデの「イヌ」は、人間にとって役に立たないものへの蔑称。イヌシデは、建築用材などには向かないのでしょうね。犬たちには失礼な話ですが。
アカシデの「アカ」は、もちろん花穂の色に由来しているのでしょう。雑木林の中で、他の木々に先駆け、青空をバックに咲いて、風に揺れる様子も素敵です。
昼食は、国民宿舎「つくばね」で。皆でワイワイお喋りしながら完食しました。午後からの句会でも、笑い声がしばしば起こり、でも時には厳しい意見も交換できました。