みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

出穂期の水管理

2016-07-24 13:07:37 | 自分史
田んぼ用水ポンプ機場の担当は、相棒と1週間交代。今日から1週間は私です。体調が悪くても機場には行かねばならないし、是非とも行きたいと思う。いつからか、生き甲斐のようになっている。

朝、機場に着いて先ず用水路を覗くと、流量が少ない。梅雨明けは延びているけれど降雨が少ない今季。これからシーズン末まで厳しい水管理になるかもしれない。

ポンプを稼働させ、取水口付近の流れの様子を見守っていたら、なんと、上流から大量のゴミ=刈られた草(かなり丈の高い草ばかり!)が次から次に来るではないか! ただでさえ流量が少なくて流れが緩いから、ゴミは堰の下流には行かず、取水口の前に集まり溜まっていく。取水口が詰まったら、ポンプは運転できなくなる。私は竹箒を使って水路のゴミを下流の方へ押しやる。何度も何度も何度も。体力が極端に低下し、体のあちこちが不調の我が身のことは何処かへ吹っ飛んでいた。ゴミの襲来が一段落したときは、疲労で身体が溶けそうになっていた。

機場のそばの田んぼを見たら、もう穂がずいぶん出てきている。この出穂を見るのも私の無二の楽しみだ。田んぼにとって水が十分に必要な時期でもある。



穂に付いている白い粉のように見えるのが稲の花の雄蕊。自家受粉で風媒花。稲の1つの花が開いてから閉じるまで2時間足らずだという。その間に良い風に出会って、雄蕊の花粉が雌蕊(籾の奥に隠れている)に付かねばならない。生命って本当に神秘的・・


友人

2016-07-23 17:22:04 | 健康・病気
体調不良が続く私を心配した友人が、多忙の間を縫って手料理を届けてくれました。体のあちこちが弱っている私は、料理する気力と体力も衰えているので、友人の優しい気持が本当に有難く、思わず涙ぐんでしまいました。

待ち時間のお喋り

2016-07-19 13:00:45 | 暮らし
病院通いが増えて、診察の順番待ちで長い時間を過ごすことも多くなった。当初は新聞を読んだり持参の本を読んだりしていたけれど、それだけでは時間を持て余すし、体力・気力の衰えとともに読書力も衰えている。かといって、ただじっと待っているのも退屈だし憂鬱。そこで最近は周りの事情が許せば、隣りの席などで同様の時間を過ごしている方々とお喋りすることにしている。

見知らぬ人とも気軽にお喋りする習慣はこの地域に根付いているし、ましてや病者同士というのは心を開きやすい関係のようだ。意外に話が弾むことが多い。

今日の待ち時間にお喋りできた方は小柄で腰が少し曲がった御婦人。この地域でよく見かけるような、古くからの農家のオバチャン(高齢の婦人のことを、この地域ではこう呼ぶ)という感じ。お化粧は全く無し(私も同じ)で、容姿も服装も地味過ぎるぐらいだけれど、目鼻立ちが小づくりながらキチッと付いている。80歳だというけれど、お話しに年齢を感じさせない、しっかりした暮らしぶりが身についていらっしゃるような。話題が車の運転のことになった。

彼女が運転するようになって60年になる、というから、昭和31年ごろから運転を始めたことになる。そして驚いたことには、「2年間、無免許で運転していたんですよ」とおっしゃるではないか! そしてある日、子供の学校の行事か何かに出席のために着物を着て下駄を履いて運転していたときに、警察官に取り締まられたという。当時は着物姿は違反だったそうだし、草履ならともかく、下駄で運転とは! ただでさえ女性の運転は珍しい時代に!

御主人が警察のお偉いさんと懇意だったため、表沙汰にならずに済んだそうだ。これも、そういう時代だったのだろう。それがキッカケで、正式(?)に自動車学校に通って、2週間で免許を取ったのだという。イヤハヤ、昭和30年代のこの地域の女性たちは、大胆に進んでいたんですね!

私たちの時代

2016-07-13 13:01:53 | 社会
参院選の結果には予想通りながら暗澹とし、ザ・ピーナッツの二人目も逝き、永六輔も逝き、私たちの時代=戦後民主主義と平和と希望の時代=は、もう本当にお終いなのだ・・とふさぎ込んでいたところ、なんと、鳥越俊太郎さんの登場! 記者会見の鳥越さんの眼差に真実の光を、その言葉に真実の力を感じました。目の前が少し明るくなった思いです。

山アジサイ

2016-07-05 17:44:51 | 俳句
この数日の猛暑が嘘のように気温が下がった今日、静かな霧雨の中を俳句の会で大増の「ほしのみや幼稚園」跡地周辺を吟行しました。無人となった園舎のそばに、かっては園児たちが水遊びに興じた筈の渓流が、変化に飛んだ響きを織り成しています。渓流の両側は深い緑に覆われた木下闇で、色々な茸たちが目を引きました。そんな木下闇の外れに、山アジサイの花がひっそりと咲いていました。



          白と云ふ悲しみ山あぢさゐの花