「君たちはどう生きるか」(吉野源三郎著)の登場人物の口ぶりを借りれば、「誰が何と言ったって!」私は白鵬のファンだ。マスコミの売れっ子が、相撲には素人なのに偉そうに大横綱の取り口を非難したり、相撲の玄人で日本会議の広告塔の解説者が、奥歯にものがはさまったような言い方で視聴者を洗脳していることに、悲憤やるかたない心境でいる。
かくいう私も相撲のことをまるで知らない。このままでは白鵬ファンとして恥ずかしい。そう思って、遅まきながら相撲関係の入門書的な本を読むようになった。いわゆる「スー女」の和田静香さんの本は特に、相撲と力士への熱い思いが溢れていて、とても楽しく読めた。
「転ばぬ先のシコ」(元・一ノ矢 著 ベースボール・マガジン社 2017.9月発行)は、知人に勧められた本。
脊柱管狭窄症や圧迫骨折で歩くのも辛い私が、お相撲さんがやっている四股(シコ)など出来る筈はないけれど、相撲の勉強のためにと思い、中央公民館図書室から借りた。
小さく薄い本だけれど、図解が豊富で分かり易く、著者の温かい心が伝わってくる良書だった。四股の意味を知らされて、目からウロコだった。
「シコ」というと、足を高々と上げるイメージがあると思いますが、足を高く上げる必要はありません。映像に残る明治、大正のころのシコを見ると、上げる足の膝を曲げたまま軸足を伸ばし、体を倒しています。「シコは足の裏を見せるな」という格言もありました。
シコは本来”醜”と書き、逞しさや力強さを表す言葉で、地中の邪気を鎮めるためのものでした。足を上げることよりも踏み下ろすことに意味があったのです。
重力に従い重力を利用すれば、歩くのもままならない私でもそれなりにシコが出来る! そして、シコの基本が「腰割り」なんですね。
シコの基本の構えが腰割りです。股関節をゆるめて開き、膝とつま先の向きをそろえます。重心はカカト内くるぶし真下におき、腰を深く下ろすことよりも、重心線にのって骨の並びをそろえることが大切です。
もう亡くなられましたが、女優の森光子さんが欠かさずやっていたという運動は、スクワットと報じられていましたが、厳密には腰割りです。
スクワットは膝を曲げていくと、大腿骨と脛骨との間にねじれが生じます。そうすると、半月板への影響が大きくなって、膝を痛めることもあるのです。しかし、腰割りの場合は、そういうねじれがまったくありません。
そもそもシコの基本である腰割りの構えは、スネの骨をまっすぐに立てることが大切です。まっすぐに立てたスネに、上半身をまっすぐに載せます。まっすぐに載せることで、シコを踏むとき関節に負担をかけずに足を上下させることができます。足を下ろすときも、つま先からカカトへ滑らすように下ろし、下したときにスネの骨にまっすぐ力が加わるように踏みます。
白鵬の立ち合いについても書かれていました。
相撲中継で、力士たちの所作をよく見ていると、横綱・白鵬は、立合いでカカトを浮かさずに当たっています。ところが、日本人力士の多くは、カカトを浮かせてつま先立ちで当たっています。
昔の大相撲の映像と見比べてみると、その当時は、カカトを浮かせている力士はまったくといっていいと思いますが、見当たらないのです。しかし、今の力士はというと・・・・・。
おそらく、今の力士は小さいころから、学校体育の授業を受けていますから、スポーツ的な動きを身につけていて、相撲の動きとは異なる動きが、染みついてしまったのでしょう。靴を履いた生活では、どうしてもつま先立ちの動きになりやすいですから。
カカトで踏ん張って地力をもらい、その力を小指のほうからつま先全体へ伝えることで、パワーを爆発させることができるのだと思います。地面からの力をカカトで十分にため込むことによって、つま先だけで始動するよりパワフルになるわけです。
白鵬の強さの理由の一つを知って嬉しくなりました。
かくいう私も相撲のことをまるで知らない。このままでは白鵬ファンとして恥ずかしい。そう思って、遅まきながら相撲関係の入門書的な本を読むようになった。いわゆる「スー女」の和田静香さんの本は特に、相撲と力士への熱い思いが溢れていて、とても楽しく読めた。
「転ばぬ先のシコ」(元・一ノ矢 著 ベースボール・マガジン社 2017.9月発行)は、知人に勧められた本。
脊柱管狭窄症や圧迫骨折で歩くのも辛い私が、お相撲さんがやっている四股(シコ)など出来る筈はないけれど、相撲の勉強のためにと思い、中央公民館図書室から借りた。
小さく薄い本だけれど、図解が豊富で分かり易く、著者の温かい心が伝わってくる良書だった。四股の意味を知らされて、目からウロコだった。
「シコ」というと、足を高々と上げるイメージがあると思いますが、足を高く上げる必要はありません。映像に残る明治、大正のころのシコを見ると、上げる足の膝を曲げたまま軸足を伸ばし、体を倒しています。「シコは足の裏を見せるな」という格言もありました。
シコは本来”醜”と書き、逞しさや力強さを表す言葉で、地中の邪気を鎮めるためのものでした。足を上げることよりも踏み下ろすことに意味があったのです。
重力に従い重力を利用すれば、歩くのもままならない私でもそれなりにシコが出来る! そして、シコの基本が「腰割り」なんですね。
シコの基本の構えが腰割りです。股関節をゆるめて開き、膝とつま先の向きをそろえます。重心はカカト内くるぶし真下におき、腰を深く下ろすことよりも、重心線にのって骨の並びをそろえることが大切です。
もう亡くなられましたが、女優の森光子さんが欠かさずやっていたという運動は、スクワットと報じられていましたが、厳密には腰割りです。
スクワットは膝を曲げていくと、大腿骨と脛骨との間にねじれが生じます。そうすると、半月板への影響が大きくなって、膝を痛めることもあるのです。しかし、腰割りの場合は、そういうねじれがまったくありません。
そもそもシコの基本である腰割りの構えは、スネの骨をまっすぐに立てることが大切です。まっすぐに立てたスネに、上半身をまっすぐに載せます。まっすぐに載せることで、シコを踏むとき関節に負担をかけずに足を上下させることができます。足を下ろすときも、つま先からカカトへ滑らすように下ろし、下したときにスネの骨にまっすぐ力が加わるように踏みます。
白鵬の立ち合いについても書かれていました。
相撲中継で、力士たちの所作をよく見ていると、横綱・白鵬は、立合いでカカトを浮かさずに当たっています。ところが、日本人力士の多くは、カカトを浮かせてつま先立ちで当たっています。
昔の大相撲の映像と見比べてみると、その当時は、カカトを浮かせている力士はまったくといっていいと思いますが、見当たらないのです。しかし、今の力士はというと・・・・・。
おそらく、今の力士は小さいころから、学校体育の授業を受けていますから、スポーツ的な動きを身につけていて、相撲の動きとは異なる動きが、染みついてしまったのでしょう。靴を履いた生活では、どうしてもつま先立ちの動きになりやすいですから。
カカトで踏ん張って地力をもらい、その力を小指のほうからつま先全体へ伝えることで、パワーを爆発させることができるのだと思います。地面からの力をカカトで十分にため込むことによって、つま先だけで始動するよりパワフルになるわけです。
白鵬の強さの理由の一つを知って嬉しくなりました。