みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

免疫システム

2020-05-31 10:56:03 | 健康・病気
新型コロナウィルス禍に対して、日本が「意外に健闘しているように見える」原因は何だろうか?

原因の第一は、激甚な犠牲者を出している欧米諸国とのみ比較しているからだ。東アジア諸国と比較すれば、日本はフィリピンに次ぐワースト2位で、中国にも韓国にも劣っている。(昨日5/30付け当ブログ記事参照)

その他の原因は何だろうか?

想定①日本はPCR検査に異様なほど消極的だから、新型コロナ感染の事実が不明のまま亡くなられた人々の数が、データに反映されていないからではないか?
想定②日本人は律儀で、かつ「お上」の言うことに従順な人が多いから、罰則を伴わない自粛要請でも効果が大きいのではないか?
想定③日本人は清潔好きで、屋内では靴を脱ぐし、手洗いやマスク着用の習慣が根付いている。また、公衆の場での挨拶はお辞儀で、握手やハグや接吻等の接触の習慣があまりないからではないか?

上記の想定①は、ある程度事実だろうと思うけれど、欧米諸国との100倍程度の差を説明するには桁が及ばないだろう。
想定②及び③は、一部で該当しているかも知れないが、誤差の範囲内ではなかろうか? 
そして、想定①も②も③も、日本に限らず東アジア諸国全体が「健闘している」事実を説明することが出来ない。

児玉龍彦先生等の研究チームは、国内で新型コロナウィルスに感染した人々の血液中の抗体を測定した結果、抗体の現れ方が、一般的な感染時には見られない特異性があることが判明した、という。(デモクラシータイムスの動画20200516付「コロナと闘う戦略図~抗体検査で見えたこと」参照)

血液中などにある「免疫グロブリン」と呼ばれる抗体には5種類があるそうだ。一般的な感染時には、先ずIgMという抗体が発現して細菌やウィルスと闘う。次にIgGという本格的な抗体(=液性免疫の主役)が作られる。

ところが今回の測定結果では、多くのケースでIgGがIgMを上回る形でいきなり検出されている、という。

この結果について児玉龍彦先生は、かなりの日本人が既に新型コロナウィルスに対して、ある程度の免疫を持っているとしか考えられない、と。
2003年のSARS流行以降、東アジアでは何度かコロナファミリーとも言うべき類似の風邪ウィルスが流行したが、それで作られた免疫システムが新型コロナウィルスに対しても有効に働いているのではないか、という仮説を述べられている。

この仮説が立証されるならば、東アジア諸国が(欧米に比較すれば)「健闘している」原因として説明することが出来る。

ただし、この仮説が立証されたとしても、新型コロナウィルスを侮ることはもちろん出来ない。
上記の測定結果でも、少なからぬケースでは一般的な感染時と同様にIgMが先ず発現していて、このケースでは重症化(細胞免疫の暴走)の傾向がある、という。
また、新型コロナウィルスは変異が非常に速いから、日本を含む東アジアの人々が持っているかも知れない免疫?も効果を失うようなウィルスに変異するかも知れないのではないか。

児玉龍彦先生は、抗体検査とPCR検査を早急に拡大実施し、特に医療関係者とライフライン関係者には重点的に検査して、感染者と非感染者を分けて、経済を止めない感染拡大防御策を進めるべき、と提言されている。先生の切々たる心情には、胸の痛みを覚えてしまう。




新型コロナウィルス対策をどう評価するか?

2020-05-30 11:30:53 | 社会
この国において、新型コロナウィルスは少なからぬ犠牲者を出しているし、私自身も今なお不安に晒されている。
とはいえ諸外国に比べれば、強制力のない自粛という対策とも言い難いような方法で、意外に健闘しているようにも見える。

菅谷憲夫先生(慶應義塾大学医学部客員教授・WHO重症インフルエンザガイドライン委員)が、新型コロナウィルス関連のデータ(5/16付、一部5/8付参照)を分かり易く説明して下さっている。(日本医事新報社5/20緊急投稿)

この投稿を見ると、「意外に健闘しているように見える」のは、日本だけでなく、アジア諸国に共通していることが分かる。
欧米とアジア諸国との死亡者数には、下記の通り、おおよそ100倍程度の違いがあるが、原因は未だ不明だ。

人口10万人当たりの新型コロナウィルスによる死亡者数は、
米国26.61 英国50.46スペイン58.75イタリア52.20 フランス42.27ドイツ9.47
対してアジア諸国では、
フィリピン0.77日本0.56韓国0.51中国0.32タイ0.08台湾0.03

上記の通り、東アジア諸国間では日本はフィリピンに次いで2番目に犠牲者が多い。

第2波の感染拡大の恐れについて、菅谷先生は次のように警鐘を鳴らす。
 
日本を含めたアジア諸国では、第2波は、欧米諸国と同じような激甚な流行となる危険性もある。そのため日本の第2波対策は、欧米の被害状況を詳しく分析して、慎重に立案、準備する必要がある。




白塗のバロー

2020-05-27 11:01:13 | 俳句
裏庭のヤマボウシの木が大きく育ち、愛犬ユキに木陰を提供している。



同系統のアメリカハナミズキの花は爽やかな趣きで、カラッと晴れた青空が似合うけれど、このヤマボウシの花は白い色が濃くて、花びら(実はガクらしいが)の形も曲線的・曲面的だし、しっとり感があるから、雨や曇りの日の方が似合っていると思う。

台所仕事をしながら、窓越しにこの花を眺めるのが日課のようなこの頃、古いけれど忘れられない映画を思い出した。

          白塗のジャンルイバローや山法師

驚かされても

2020-05-22 14:36:27 | 菜園
昨朝のニュースには驚愕した。検察№2が、メディアお抱えで常習の賭け麻雀。
しかも今朝のニュースでは、この刑事犯に退職金6~7千万円ほどが払われる、という。

この国はトップから腐っている。
正直なところ、またか・・・という気持にもなってしまう。

このところの天候にも驚かされている。
夏が来た、と思ったら、いきなり梅雨寒のような日々が続いている。

それでも菜園の野菜たちは、けなげに凌いで育ってくれている。



夕食用に、ブロッコリー、ラディッシュ、アシタバ、シュンギクを少しずつ収穫した。
料理が不得手な私だけれど、採れた野菜を見てメニューを考えるのは楽しい。




千鳥と青海波

2020-05-14 14:21:09 | 暮らし
やむなく自粛せざるを得ない日が続き、日頃親しくしている友人たちとも会うのを遠慮しがちになっている。

そんな友人の一人から、お手製の切り紙の絵のカードが送られてきた。



「丸に青海波」は平穏 大きな苦難の後は穏やかで平凡な日常の幸せを感じる、との説明が添えられていました。
千鳥は「千取り」に通じるので縁起がよく、目標達成などの祈願の意味があるそうですね。

澄んだ水色の切り紙の絵に、暗くなりがちな気持が洗われるような感じがしました。   

新型コロナの真実

2020-05-02 18:57:28 | 社会
デモクラシータイムスの動画20200428「新型コロナの真実~長期戦を闘うために」を視聴した。

新型コロナウイルスがなぜ手強いのか、そのメカニズムを児玉龍彦先生が明快に説いて下さっている。先生、有難うございます!

そして、感染拡大についても治療においても格差社会の現実が浮き彫りになっていることにも言及された。「弱者を守る社会が文明社会」と。

児玉龍彦先生のおかげで私の錆び付いた脳が活性化し、冷えていた心が熱くなりました。