みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

恋慕の罰

2020-06-27 09:29:32 | 八郷の自然と風景
合歓の花が咲く季節になった。
咲き始めたと思ったら、もう散り始めている花だ。否、散り落ちた花を見て咲き始めたのを知る、そんな花だ。
長い睫毛のような花蕊がピンク色のグラデーションに染まっていて、うっとりするほど美しい。

          象潟(きさかた)や雨に西施がねぶの花     芭蕉

梅雨曇りの空に向かって青空を恋い慕っているかのように咲いているが、そのくせ晴天の下では花の魅力が損なわれるように見える。
山路に散り落ちた合歓の花が雨風等に痛めつけられていくのを見ると、青空を恋い慕ったことへの罰を受けているかのようだ。

合歓の花が大好きで、当庵の庭にも友人に贈ってもらった合歓の木が大きく育ち、優しい日陰をもたらしてくれている。
裏山のあちこちにも、幼木から老木まで、実生らしい合歓の木が枝を伸ばしている。湿気のある土地を好むからか、用水路の脇などにも見掛ける。花の姿は繊細だけれど、木の生命力は十分なのだろう。



暮色騒擾

2020-06-13 09:26:08 | 俳句
正直なところ、最近は憂鬱な気分でいることが多い。

憂鬱な原因は山ほどある。
急な猛暑からの梅雨入りという天候・・・ 背腰脚痛などの体調不良・・・ 過去の人生における悲苦の記憶・・・ 死への怖れ 等々

そしてやはりコロナ・・・ 感染の不安以上に憂鬱の原因になっているのは、気晴らしの機会の激減! また、コロナで激変し始めた世の中が今後どうなっていくのか、先の見通しが分からないことも、実は深刻な精神的危機を招いているのかも知れない。

恐るべきコロナだが、一つだけコロナの恩恵を上げるならば、「自由」や「グローバリズム」という美名で自他を騙してきた欲望至上主義へ鉄槌を下したことだろう。今、世の中が激変するのは必然だ。しかし、激変の結果あらわれる筈の新しい世の中という未来像は混沌の闇の中。

昨夕、霧雨の中を憂鬱な気分のまま愛犬と散歩していたら、薄暗い山路の傍らに白紫陽花が咲いていた。

          暮色騒擾白紫陽花を絡めとる

この季節は、白い花に心惹かれることが多い。クチナシの花しかり。ドクダミの花(=十薬)しかり。

          十薬の灯(ともし)を辿り獣道

今朝は沙羅の花が雨に打たれて揺れている。この花は雨にも似合うが、晴天にも似合う。晴天のときは夏椿という別称の方がふさわしいかも知れない。

アベノマスク

2020-06-04 09:53:27 | 健康・病気
アベノマクスが6月1日に届いた。



3月か4月の初め頃に届いていれば重宝したかも知れない。しかし今は、不器用な私でも自分に合わせたマスクを手作りしたのが既に8枚あるし、その他に、友人から贈られた友人お手製のマスク等もあり、このアベノマクスに有難みは全く無い。

必要な人のところに届くように、寄付することに決めた。