俳句は別として、「詩」を読みたいと思うことはめったにない私だから、「石垣りん」という名前に既視感はあっても、その人と詩には無関心だった。ところが先日、たまたま出会った「この世のなかにある」という詩によって、石垣りん(1920~2004)という存在が、私の目の前に迫ってきた。
この世のなかにある、たった一つの結び目
あの地平線のはての
あの光の
たったひとつのむすびめ
あれを解きに
私は生まれてきました
私は地平線に向かって急いでおります
誰が知っていましょう
百万人の人が気付かぬちょっとした暇に
私はきっとなしとげるのです
-まるで星が飛ぶようにー
「さよなら人間」
私はそこから舞い出る一片の蝶
かろやかな雲、さてはあふれてやまぬ泉
ふく風
ああそこから海が、山が、空が
はてしなくひらけ
またしてもあの地平線
ゆけども、ゆけども、ゆけどもー。
この世のなかにある、たった一つの結び目
あの地平線のはての
あの光の
たったひとつのむすびめ
あれを解きに
私は生まれてきました
私は地平線に向かって急いでおります
誰が知っていましょう
百万人の人が気付かぬちょっとした暇に
私はきっとなしとげるのです
-まるで星が飛ぶようにー
「さよなら人間」
私はそこから舞い出る一片の蝶
かろやかな雲、さてはあふれてやまぬ泉
ふく風
ああそこから海が、山が、空が
はてしなくひらけ
またしてもあの地平線
ゆけども、ゆけども、ゆけどもー。