みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

暮らしの智恵と技

2008-10-30 19:17:23 | 八郷の自然と風景

1週間ほど前から、ジョウビタキがやってくるようになった。美しい季節だ。昨日、eTさんが遠路を来庵して下さった。筑波山中腹の国民宿舎で昼食を摂った。八郷の風景が一望できる好立地だが、客足は少ない。勿体ないほど落着いた時間が過ごせた。

Dscn0209_sh01_3 Dscn0211 万葉集の歌碑が幾つか配置されている。山清水が滴る斜面には、リンドウが群れ咲いていた。

eTさんのお母様がお召しになっていた帯などを譲ってもらった。どれもeTさんが手洗いで甦らせて下さったものだ。

Dscn0213 端布利用のeTさん御手製の買物袋も戴いた。手触りが良く、大きさも手頃、そして爽やかな色

eTさんからは、お母様と共に仕立てて下さった作務衣を贈ってもらったばかりでもある。

暮らしの智恵と技を、しっかり身に付けていらっしゃるeTさんに、私はいつも脱帽、そして感謝!


歯科治療

2008-10-27 19:20:27 | 化学物質過敏症

虫歯があるのに、K子さんは治療を受けることが出来なかった。被せもの・詰めもの等々、歯の治療には様々な化学物質が使われる。化学物質過敏症(CS)のK子さんにとっては、辛い症状が起きる危険が一杯だ。

CS症状が軽快してきたK子さんは、25日に歯科医院へ行った。待合室に入ると、様々な化学物質の臭いで気分が悪くなった。K子さんは自らの気功(内気功)で気をコントロールして落着いた。でもまた気分が悪くなり、不安が募った。

順番が来て、K子さんは診察室に入った。お医者さんがにこやかに声を掛けて下さった時、K子さんの心の不安はすっと消えて、同時に気分が悪い症状も無くなったそうだ。

そのお医者さんは、CSに配慮した治療方法をK子さんに事前説明して下さった。慎重かつ自信をもった治療だった。K子さんは身も心も落着いて治療を受けることが出来た。

心の不安や怖れがCSの身体症状を呼び寄せることを、K子さんは再認識された。心は体の一部、と私は思っていた。今、体は心の一部でもある、と思う。そして人の心は他の人の心へ、確かに伝わっていくのだ、と。


身体と心の快復

2008-10-23 17:29:47 | 化学物質過敏症

化学物質過敏症(CS)の身体症状が軽快してきたK子さんは、小一時間ほど歩いたりして体力の回復を図っています。少しだけだけれど、稲刈りの手伝いも出来ました。

昨日と今日の2日間、近くのゴルフ場で除草剤が全面撒布されました。数ヶ月前の全面撒布の際は、K子さんは窓と雨戸を締め切った家の中に閉じ籠っていても、CSの反応で気分を悪くしました。

今回は・・ 大丈夫でした! 窓は一応閉めたけれど、時々開けても大丈夫でした。精神的にも落ち着いていられました。

K子さんは公民館の気功講座を熱心に受講したり、CS経験者で「気」にも詳しいM氏のアドバイスを受けたりして、気のコントロールが随分上手になったようです。気の流れが良くなると、CSの身体症状のみならず心の症状(恐怖心など)も起こりにくくなるのが分かってきました。

K子さんの快復が新しい段階に進んだことを、実感できた今日でした。


作務衣で気功

2008-10-18 18:00:33 | 化学物質過敏症

公民館の講座「気功」へ行った。K子さんも参加している。化学物質過敏症(CS)のK子さんは、気のコントロールによる症状改善を実体験されている。私も、気への関心を強めている。

受講するに当たってK子さんには不安もあった。色々なものを身に纏っている数十名の受講者と共に、CSの辛い反応を起こさずに受講出来るか・・  大丈夫だった。ご主人が一緒に参加されたことも、K子さんには心強かったに違いない。

Dscn0207_sh01 受講3回目の今日、私は作務衣で参加した。友人のeTさんが御高齢のお母様と共同で仕立てて下さったものだ。余り布で巾着も! 写真はK子さんのご主人が撮って下さったものを編集した。

eTさんの無二の親友が、最近、癌で亡くなった。お元気だった頃に、その叔母様がお召しになられていた着物を、染め直して出来た反物・・それを「何かに役立ててほしい」と、裁縫が得意なeTさんに譲られていたのだ。

とてもとても着心地が良く、気功の先生や受講仲間達からも褒めてもらえた作務衣! 女の思いが引き継がれてきた布地・・ 着ていると、時間と場所そして結界を越えて、命を共有している思いがする。


3人プラス・・

2008-10-14 17:29:39 | 暮らし

Dscn0196_sh01 友人2名が、先日来庵してくれた。首都圏で初めて出会った頃は、3人とも仕事が面白くて意気軒昂としていた。

mHさんは早めに退職、バレー(ボールではない、舞う方)に、ピアノに、その他もろもろ、今が青春の勢いで都会生活を目一杯楽しんでいる。

mNさんはスリムな肢体で女優的風貌だが、実は現役の要職にあって、しなやかに、かつ厳しく仕事をこなしている。

4年前に来庵してくれた時は、もう1人、jHさんがいた。見るからに男勝りのキャリアウーマンだった。しかし自分の仕事が、ややもすると正当に評価されないことを憤慨し、やがて諦観されるようになった。

昨年、jHさんは向うの世界に逝ってしまわれた。逝かれた後で、彼女がご主人と終世変わらぬ深い絆で結ばれていたことを知った。一番女らしいのは彼女だったのかも・・

性格も生き方もまるで違う3人(プラス亡き1人)、これからも、たまに会おうね、と言い合って別れた。


藁にも縋る思い

2008-10-13 14:26:04 | 化学物質過敏症

インターネットの功罪を、それなりに自覚しているつもりだったのだが、まだまだ私は甘かった。

ネット検索で私が見つけた東京の治療院、化学物質過敏症(CS)のK子さんの症状を、多少なりとも改善してくれるかも知れない、と淡い期待を抱いた。K子さんは大きな期待を抱いて、ご家族と共に出掛けた。

結果は、「治療」の名に値しない対応だった。K子さんの落胆は大きかった。辛い症状に苦しむ人の、藁にも縋る思いに付け込む商法だったのだ。誠実そうに見えたネット上の説明は仮面だった。

K子さん、ごめんなさい、と恐縮する私を、K子さんは逆に労わってくれた。ご家族も「高かったけれど、授業料と思えばよい」と言って下さったそうだ。

期待は裏切られたけれど、でもK子さんは遠路を東京まで、何はともあれ往復出来た、これは画期的なことだ。大きな落胆からも、立ち直って下さるように・・


名残り

2008-10-10 19:40:44 | 俳句

茶道の10月は面白い。来月の炉開きを前にして、風炉(床上に据える移動型の炉)の名残りを惜しむ。常の厳格なルールが外される。茶道具の置き場所が中途半端な位置になる。季節を間違えて咲いた「返り花」も、「金継ぎ(欠けた縁などを金で継いだもの)」の茶碗も許される。

実際に使う「金継ぎ」は、陶工が意図的に金継ぎをデザインして作った茶碗だ。若い頃の私だったら、そんな贋物のようなものを!と嘲笑しただろう。今はただ、愉快に思う。

常のルールは外されるが、闇雲になるわけではない。外しかたに厳格なルールがある。ルールという舞台の上で、如何に自在に演じるのか、が茶道の醍醐味なのだろうか・・

Dscn0177 秋の日は短い。まさに釣瓶落とし。先夜、久しぶりに長い小説を読んだ。(写真の近景は当菜園の大豆畝)

          閉ぢてなほ長篇切々夜半の秋 


電車に乗って油屋へ

2008-10-06 15:14:15 | 化学物質過敏症

Dscn0181 羽鳥駅からK子さんと一緒に電車に乗りました。1駅だけですが、化学物質過敏症(CS)のK子さんが電車に乗れたのは1年半余ぶり!

乗客の化粧や残留洗剤に添加されている香料等が揮発浮遊していることもあって、CS症状のひどい(特に香料への反応が深刻だった)時期には、K子さんが電車に乗る、なんて想像だに出来なかったことです。

岩間駅で降りて少し歩くと、いろり豆が人気のお店「油屋」があります。土間の奥に囲炉裏があって、その絵が紙袋にデザインされています。

豆菓子、胡麻油、お茶、お茶椀、そして骨董めく小箪笥の中には会津木綿の反物が並べられています。因果関係があるような、無いような、ちょっと不思議な品揃え・・

余計なお愛想は無い、むしろ無愛想なぐらいの応対、それが何だか愉快なお店です。豆菓子などを買って、今度は上りの電車に1駅乗り、K子さんは無事、帰れました


遺句集

2008-10-03 20:44:09 | 俳句

Dscn0172 犬小屋が新品になりました。組立て式の木製のを買い、スパナとドライバーを使って小一時間で出来上がり!

今までの犬小屋は、Iさんから譲ってもらったもの。6年間重宝しました。解体後、他の用途に再利用を検討中です。

当の犬は、新品への警戒心は束の間で、まもなく「自分の家」と心得た様子です。

犬が吠えました。赤いバイクの郵便屋さんが来たのです。Wさんが送ってくれた句集を受取りました。Wさんの亡夫の遺句集、Wさんの手で編集されたものです。深く静かな心の世界に魅せられて、最後のページまで読みふけりました。 夜なべの灯まろし小さき妻の膝