みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

白い花たち

2013-06-29 14:35:01 | 八郷の自然と風景

Dscn3550ドクダミの臭いを嫌う人が多いけれど、私は鈍感。梅雨湿りの木陰に白光を灯しているような花には神秘的な美しさがあります。花びらのように見える部分はガクだそうですけれど。

ただし、地下茎を伸ばして繁茂する生命力が凄まじく、抜いても抜いても、後から後から生えてきて辟易します。知人の言葉を借りれば、自分の庭に生えるドクダミは嫌いだけれど、よその庭や野に咲くドクダミは素敵! ということになります。

初夏には白い花が多いような気がします。もう花の盛りを過ぎたけれど、夏椿(沙羅)もクチナシもヤマボウシも白。

夏椿の花は、風も無いのに呆気なく、ボロリ、ボロリと、まるごと一花ずつ真下に落ちてしまいます。やがて木の裾は落花が積み重なり、美しかった白色も褪せて、まるで集団自決の場のような有様に・・ 

クチナシの白色には厚みが感じられ、その強い芳香にも魅せられます。キャサリン・ヘップバーン主演の映画「旅愁」のラストシーンを思い出してしまいます。このラストシーン、言わせてもらえばわざとらしいし、全体のストーリーも特段の深さがある訳ではないのに、観賞した記憶を懐かしく思うのは何故でしょう・・

しかしクチナシの花は、咲いた形のままで色褪せてしまうので、花木全体が襤褸を纏ったようになってしまい、老醜を晒しているかのようで無惨です。

ヤマボウシは今、小さな坊主頭のような果実が長めの首(花茎)の上に載っていて、花びらがいつの間に散ってしまったのか分かりませんでした。花びらと言っても、葉の変態のガクだそうですが。

ヤマボウシは、咲くときも散るときも目立たないんですね。地味だけれども気になる花です。

Dscn3551裏庭に咲いているハンゲショウも、一応白い花と言えるでしょうか。刷毛で刷いたように白くなっているのは、これも花びらではなくて葉の一種ですけれど。

初夏から梅雨期に咲く白い花は、風情がありますね。


五浦海岸など

2013-06-26 20:58:40 | 文化

公民館同好会「読書会」主催の文学散歩に参加しました。市の福祉バスに乗り合わせて常磐道を北へ向かいました。

Dscn3523まず訪ねた野口雨情生家は、3・11大震災&津波による損傷を修復中でした。隣接の資料館で、雨情の孫に当たる不二子さんの説明を聞きました。

十五夜お月さん 七つの子 赤い靴 青い目の人形 シャボン玉 雨ふりお月さん ・・・心に残る童謡の多くが雨情の作詞だったんですね。そして、船頭小唄「おれは河原の枯れすすき・・・」も。

Dscn3531続いて五浦海岸へ。雨は小降りでしたが、濃霧のため青海原は幻の中。それでも海岸の絶景に感嘆しました。岡倉天心が一目惚れしたのも分かるような気がしました。

Dscn3534右写真の木陰に見え隠れするベンガラ色の六角堂は、3・11の津波で流失したのを、昨年、再建したものだそうです。太平洋に面した断崖絶壁という位置の、孤高というよりも可愛らしい気配の漂う小さな御堂で、天心は何を感じ、何を考えていたのでしょうか。

昼食は二ツ島観光ホテルで。ささやかな会費ですのに、味も量も素晴らしくて大満足しました。

Dscn3545午後は高萩の畳工芸美術館へ。高等職業訓練校の卒業生の作品が展示されていました。隣接の教場?で1年生が3人、修行中のところも見学させてもらいました。写真の1年生は15歳。3人とも素直で、目が明るく輝いていて、こちらの心が洗われるような感じがしました。

帰路、茨城大学の宇宙科学教育研究センターも訪ねて、盛り沢山の内容の文学散歩でした。お世話をして下さった方々への感謝の気持で一杯です。


私の上司?

2013-06-23 14:27:24 | 八郷の自然と風景

Dscn3515梅雨晴間の今日、久しぶりの青空ですが、白雲も多いので気温は30度には届かず、程よい風も吹いて、この季節にしては快適です。私の体も、いつもの腰痛は軽めだし、時々悩まされる頭痛も無く、野良作業が捗っています。

Dscn3513薩摩藷は5月に植え付けたものの、旱で伸び悩んでいましたが、このところの長雨で勢いよく蔓が伸びてきました。

Dscn3507ズッキーニは大きな株に育って、もう2本ほど穫れました。形は太い胡瓜のようだけれど、南瓜の仲間だそうです。油で炒めたり、スープの実にしたり、軽く塩をしてサラダ風にしたり、なかなか重宝です。

Dscn3511春蒔きの人参は、間引きを兼ねて少しずつ採っていますが、どんどん太りだしてきました。薹が出ないうちに、そろそろ全収穫期かも。

Dscn3509葱も順調に育っています。7月に入ったら植え替えする予定です。植え替えは根にとって苛酷ですが、その方が後の根張りが良くなる筈です。

Dscn3512茄子の生長はまだ勢いが不十分ですが、それでも小さな実を付け始めました。煮ても焼いても塩もみでも、色々な料理に合う茄子の採れたてを、今季も期待できそうです。

Dscn3518インゲンの蔓は見るたびに伸びていて、篠竹の支柱(私の背丈ほど)を超え、中空をまさぐっています。

私の野良作業は一人での仕事。入門書や人の経験談などを参考にしていますが、日々の作業の仕方は、相手?の野菜たちに尋ね、空模様に相談し、土の了解?を得ながら進めている感じですね。言わば、自然が上司であり、同僚であり、部下でもある、と喩えていいかも知れません。更に言えば、自然は私であり、私は自然である、となるのですが、そこまでの実感は、あるような、ないような・・・


ヒヨコの写真

2013-06-19 20:30:35 | 

ヒヨコの写真を、やっと撮ることが出来ました。カメラを構えると雌鶏たちが警戒してヒヨコを懐に匿ってしまうので、なかなか撮れなかったのです。

Dscn3491右写真に写っている手前の茶系の鶏は、矮鶏の雌のウララ。黒い尾羽を広げたりしてお洒落で、おとなしく母性豊かな性格です。白い鶏は、烏骨鶏の雌のギン。淡白な性格。そしてギンの背中にちょこんと乗っているのが、6月8日生まれのヒヨコです。小さなアンヨと小さな羽根で、立派に跳躍出来るようになりました。

Dscn3490左写真の小さな白っぽい(実際は少しクリーム色がかっている)ヒヨコが、昨日18日生まれ。よちよち、よろけそうになりながらの歩みも、ピヨピヨと盛んに鳴く声も、もうメチャクチャ可愛い 見守っている茶系の鶏は、烏骨鶏のキンタロウと矮鶏のウララとの愛の結晶たるハーフのユウコです。おっとりとしたタイプです。

Dscn3495_5右写真の手前に写っている白い鶏が、雄の烏骨鶏のキンタロウ。奥の3羽が雌鶏で、左からユウコ、ウララ、ギン。ユウコの左下とギンの左下に小さなヒヨコが見えるかしら?

Dscn3497こちらは隣区画の烏骨鶏たちです。手前から雄のモモタ、雌のイチヨとリン。

Dscn3496ハーフのアサコはユウコとそっくり。正直なところ私には両者を見て区別することが出来ません。ただ、性格が違うので、振舞い方で区別できます。アサコは活発なタイプなのですが、なぜか8日生まれのヒヨコを執拗に苛めるので、こちらの区画に移したのです。すると、今度はリンに苛められて、戦々恐々としています。リンは深追いはしないし、イチヨとモモタは平和的なので、私はハラハラしながらも、当面はこの同居を維持する予定です。


ヒヨコが2羽に

2013-06-18 18:08:21 | 

8日に生まれたヒヨコの羽の色は、茶系に黒が少し混じっています。まあるい体と小さなアンヨで、鶏舎の中をあっちにチョコチョコ、こっちにチョコチョコ、活発に動いて、雌鶏のギンやウララの胸羽の下に匿われる時間が少なくなってきました

今日も夕方の給餌のために鶏舎を覗いたら、ギンとウララの周りで8日生まれのヒヨコが動きまわっているその奥で、烏骨鶏と矮鶏のハーフの雌のユウコがいて、その陰から白くて小さくほっそりした別のヒヨコが見え隠れしているではありませんか! 今朝まで巣籠りを続けていたユウコが孵化させてくれたんですね

ハーフのアサコは一昨日、8日生まれのヒヨコを突っついて苛めるので、隣の区画に移しました。烏骨鶏のモモタとイチヨとリンと一緒です。ところが、リンがアサコを突っついて苛めるので、ちょっとハラハラしながら様子を見ています。人間関係もいろいろありますが、鶏関係もいろいろあるようで。


子ツバメ&カワセミ

2013-06-14 20:12:56 | 八郷の自然と風景

夕方、田んぼ用水ポンプ機場へ行って、ポンプを止めてから用水路のゲートを上げる操作をしました。

明日は霞が浦からの導水が休みなので、この機場も休みです。しかも明日の天候が不安定で急な強雨の恐れがあるという予報ですから、細い用水路からの溢水を予防するために、ゲートが水流を遮らないよう、最上部まで上げることにしました。

ゲートが上昇している間、用水路周辺を眺めていました。田んぼの上をツバメが盛んに飛び回っています。尾羽が短めで、電線から飛び立つときに少し躊躇しているのは、機場内で3日前に巣立った子ツバメに違いありません。可愛いです。

Dscn3487飛んでいるツバメを撮影するのは、私のワザでは無理なので、機場内の天井灯の脇の巣で休憩?している子ツバメたちを撮りました。写真上クリックで拡大してご覧くださいませ。

ここの用水路では、毎年何回かはカワセミに出会うのですが、今年はまだ見てないなぁ・・と思ったその時、なんと、そのカワセミが用水路の上流から弾丸のように飛んできたのです!

幅1間ほどの用水路の真中を、水面の上1mほどの高さで、まっしぐらに下流側へ、あの文字通りの翡翠色に輝く背を見せて、私の眼前を飛び去りました。「飛ぶ宝石」の美しさには、目も心も奪われます。

それにしても、思えば会える、なんてことが本当にあるとは!

 


善光寺の今昔

2013-06-13 19:55:33 | 健康・病気

Dscn3480俳句の会で八郷地区内の善光寺を吟行しました。茅葺の楼門はなかなか端正で、室町時代の貴重な建造物として国の重要文化財に指定されています。

Dscn3475_2しとしとと降る雨の中、楼門の中で暫し雨宿りを兼ねて周りの風景を眺めました。なだらかな棚田が途切れて山林へ移っていく変わり目に位置しています。

Dscn3477_2正面の石段を上ると、ベンガラ色の阿弥陀堂がありますが、大屋根の一部が脱落するなど無残極まりない有様です。

この善光寺は、かってこの地域一帯を支配していた小田一族が創建した名高い寺で、毎夏の万灯祭には大勢の人々で賑わっていたそうです。しかし昭和40年頃に寺所有の山林経営を巡って檀家の間で内紛があり、以来、寺は顧みられなくなってしまったそうです。

Dscn3479_3雨の日にこんなひどい破れ寺へ来るなんて、俳句でもやってなければ考えられないことだわね、などと微苦笑しあいながら、皆、句作りに没頭していきました。

      捨て寺や老鶯の声遠くより

 


カワセミの旋回

2013-06-10 09:31:01 | 八郷の自然と風景

早朝の空を、聞き慣れない声が旋回しています。チッー チッー チッー と、鋭い声の小鳥です。ほぼ水平に高速で中空を旋回しては林に飛び込み、梢付近で チッチッチッチッチッとひときわ強い連射の声を上げます。かなり興奮しているようです。

最初は逆光で全体が黒っぽく見えました。嘴が長いのが目立ちます。前屈みのような姿勢での飛翔も特徴的。もしや?と思って目を凝らして見ていると、曇天の光線の加減が変わった一瞬、飛んでいる姿が鮮やかなコバルト色に輝きました。まさかと思いましたが、本当にカワセミでした!

小魚が主食のカワセミは、川などの水面の近くの崖に巣穴を造ります。当庵は小高い位置にあり、水面からやや遠いためか、カワセミの飛来はこれまで見たことがありませんでした。

定宿の巣穴が蛇にでも襲われて、やむなく避難してきたカワセミかしら? 当みつばやまが暫しの仮宿になるかどうか。

やがて菜園の草取作業に戻った私のすぐ頭上をも突っ切るように飛んだのは、地面に俯いて草刈鎌を動かす老体が敵なのかどうか、正体を確かめようとしたのでしょうか。


疲れも吹っ飛んで

2013-06-08 19:59:28 | 

毎日少しずつだったとはいえ草取りと藪刈りが続いたためか、疲労が蓄積したようで、だるい体と心を持て余しながら鶏舎に近付いたら、小さな声ながらハッキリと ピヨッ ピヨッ ピヨッ ! ! ! 巣箱を覗いたら雌鶏たちの脇から キョトン とヒヨコの顔が出ました ヒヨコの可愛さに疲れも吹っ飛んでしまいました。

Dscn3467_2ヒヨコとの面会は2~3秒で終了。小さな巣箱に烏骨鶏のギン、矮鶏のウララ、烏骨鶏と矮鶏とのハーフのアサコとユウコ、計4羽の雌鶏たちが積み重なるように巣籠りしています。ヒヨコを守ってくれる頼もしい布陣ですが、ヒヨコが押し潰されてしまわないか、少々心配でもあります。

Dscn3466_2父鶏の烏骨鶏のキンタロウは、付近を警戒している眼差です。蛇がヒヨコを狙ってきたら、撃退してね!

 


草の命のことなど

2013-06-05 20:37:00 | 八郷の自然と風景

万緑の季節です。
Dscn3461当庵からの眺めも、緑に酔ってしまいそう。

庭と菜園では、至る所で様々な草たちが顏?を出し、勢いよく伸びています。

スズメノカタビラ ツメクサ セイヨウタンポポ スイバ アメリカフウロソウ ドクダミ スギナ アカザ チドメグサ スズメノテッポウ ヨモギ カタバミ オオバコ ヤブカラシ ヤブマメ スベリヒユ クサイチゴ etc.

草たちは可愛い花を見せてくれるけれど、だからと言って大切にしたら、またたく間に繁茂されてしまいます。私という命の環境を守るためには、草たちの命を奪わねばなりません。この季節の日々は、草の命と闘っているという実感があります。

Dscn3449村の田んぼの稲は、丈はまだ高くないけれど分けつが進んで茎数が増し、株の間の水面が狭くなってきました。幼苗の頃まで水面を泳いでいたカルガモの姿は見掛けなくなりました。

Dscn3463替わって来ているのは、アオサギ。私の下手な写真の真中付近に小さく白っぽく写っています(写真上クリックで拡大すれば、どうにか鳥らしく見えます)が、実際は灰色っぽい大型の鳥です。じっと動かずに佇んでいるのは、餌になる小魚などが近付くのを待っているのでしょうけれど、その姿は人間なんかよりずっと哲学的に見えます。

早朝の田んぼには、夜行性のゴイサギがまだ身を潜めていることもあります。私が田んぼ用水ポンプ機場へ愛車を駆って近付くと、慌てて飛び去ります。

Dscn3454今日は茶道の稽古でした。知人に譲ってもらったサマーウールの青地に水模様の着物で出掛けました。広間の軸は「竹葉々起清風」、小間の軸は「一雨深千山」。濃茶と薄茶を点て、かつ喫する間、草との闘いを忘れて茶室の涼感に身と心を委ねました。

Dscn3464稽古から帰庵して、遅い午後は再び草との闘い。夕方、ポンプを止めに機場へ向かったら、筑波山の空に淡い茜色が差していました。

Dscn3460_2機場から帰庵して夕暮の庭の沙羅の木を見上げていたら、小風に揺れる梢に咲いていた花がホロリと落ちてきました。呆気ない命です。でも落ちた後も十分に美しい花だと思います。