みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

風化させてはならないこと

2011-07-30 08:14:23 | 震災 

東日本大震災の惨状は今も続いているのに、マスコミは隣国の鉄道事故を揶揄したり、北欧のテロ事件を他人事のように扱い、自国の現実への幕引きを図っているようです。私自身の心情も、3/11の衝撃が風化し始めた不安を感じます。そんなとき、以下の動画に出会うことが出来ました。


YouTube: 日本では放送できない 報道できない 震災の裏側   (↑クリックしてご覧ください。画像は、ニューヨークタイムズからの引用で構成されているそうです。)


忿怒

2011-07-28 09:40:39 | 原発

昨日の衆議院厚生労働委員会で参考人として発言された児玉龍彦氏(東京大学先端科学技術研究センター教授・アイソトープ総合センター長)の、被災者を思う心情の熱さと行動力、そして国の無策への抗議に、心を揺さぶられました。


YouTube: H23.7.27 衆院厚労委員会 児玉龍彦参考人 3.21の雨(←クリックしてご覧ください)

3/11以来のマスコミに登場する「学者」たちを見て、東京大学というのはまさに 御用学者の巣  という感を強くしていましたが、その東京大学にも、真摯に生きている方がいることを知ったのは、大きな喜びです。

参考人としての発言の最後に児玉龍彦氏がぶつけた言葉は   7万人の人々が自宅を離れてさまよっているというのに、国会はいったい、何をやっているのですか! でした。その忿怒の姿に、心が震える感動を覚えました。


放射能汚染の地図

2011-07-26 13:36:02 | 原発

早川由紀夫の火山ブログ からの引用です。有志の方々による被曝覚悟の実測により得られたデータに基づいて、放射能汚染が時系列でどのように広がっていったのかが、分かり易い地図になっていると思いますので、↓をクリックしてご覧ください。

「housyanou_osenntizu.mht」をダウンロード

首都圏側では、流山付近がホットスポットになっていて、当地(八郷)の2倍ぐらい強く汚染されています。八郷も強い汚染の流れが掠めていて、現在のところ 毎時0.2マイクロシーベルト台で推移しています。若い世代、特に子どもたちには、かなり心配な数値の汚染です。


翡翠

2011-07-24 20:32:11 | 八郷の自然と風景

夕蜩の声を聞きながら、田んぼ用水ポンプの機場へ行ってポンプ運転を止め、用水路の取水口付近に押し寄せていたゴミ(ほとんどが刈草、と言っても長い篠竹などが混じっています)をどう始末しよう・・と考えていたら、目の前の用水路の縁に青白く光るものが? アッ! 翡翠(カワセミ)が止まった!

 飛ぶ宝石、という別称が物足りないぐらい美しいその色光! 警戒心が強いこの鳥が、こんな目の前に止まってくれるなんて、何という幸せでしょう! 翡翠の眼差ともしっかり目が合いましたよ! 直後に上流へと飛び去りましたが、その飛翔のまた何と美しいこと! 

 


雉の子

2011-07-22 13:52:11 | 俳句

当鶏舎で6/19~21(各日の当ブログ記事参照)、雉の雛が7羽孵りました。

       鶏ひしと雉の卵を抱かせれば

       黒胡麻のやうな目つんと雉の雛

       小走りて澄まして雉の三日雛

雛の可愛さに夢中になった私でしたが、蛇の襲来などもあって残ったのは3羽・・・

       雛呑まれたり蛇殺す四囲の闇

       天仰ぐ一瞬に死す青大将

幼いながらも代理母(当鶏舎のウコッケイとチャボ)との親離れが出来た3羽は、第1保護者の知人に引き取られて大切に育てられています。私は今日も面会に行きました。

Dscn1982_2 すばしこく走りまわる雉の子を、金網越しに拙い腕で撮ったのでボヤケていますが・・(写真上でクリックして頂ければ、拡大で少し見やすくなります。) ほかの2羽も元気に育っています。

農作業に忙しい知人ですが、虫を捕まえてきては小屋内に放って雉の子に追い駆けさせたり、やがて野へ返す日のためのトレーニングに熱心です。


閾値

2011-07-19 08:52:47 | 健康・病気

放射能汚染の牛肉が全国的に流通している実態が明らかになってきました。暫定規制値をさえはるかに超える汚染肉は、深刻な内的被曝を起こします。

マスコミがややセンセーショナルに報道するのも当然ですが、牛肉に限らず、あらゆる畜産物・農産物・海産物、そして大気も土壌も河川も海も広範囲に放射能汚染していることは、福島原発事故の直後から予想されて然るべきだったのではないでしょうか。臭いものに蓋をするように、国も東電も御用学者もマスコミも、原発事故の重大さを国民に知らしめぬよう、ことさらに安全を言いふらしてきました。何を今さら、という感じもします。

肉・魚・穀物・野菜などについて国が定める暫定規制値は、放射性セシウム 500ベクレル/㎏ です。チェルノブイリ原発事故のとき、日本はソ連やヨーロッパの放射能汚染食品を輸入規制しました。その基準は 370ベクレル/㎏ でした。

放射線被曝にはそもそも閾(しきい)値というものはないそうです。閾値というのは、症状が出始める最低限の被曝量のことです。しかしどんなに少ない被曝量であっても癌や白血病になる確率が高くなることが、広島・長崎の被爆者の調査の結果、統計学的に明らかになっています。

今となっては、食物の汚染は避けようがないのです。しかし、もし私たち日本人が福島や北関東の野菜を食べなければ地域の農業が崩壊してしまいます。同じように漁業も崩壊するでしょう。ではどうすればいいのか。私だって放射能に汚染された食べ物を食べたくありません。皆さんもそうでしょう。でも、もう汚れてしまったのです。(小出裕章著「原発のウソ」より)

幸か不幸か、大人とくに高齢者は被曝による影響が少ないそうです。若い人々、特に子どもたちには出来るだけ安全なものを食べてほしい、と思うのですが、でもどうしたらそれが出来るのでしょう・・


柄谷行人&小出裕章

2011-07-15 09:10:43 | 原発

「世界史の構造」の著者でもある柄谷行人氏が、「反原発デモが日本を変える」と題するインタビュー形式の記事を、自身の公式ウェブサイト www.kojinkaratani.com/jp/essay/post-64.html に載せています。以下、抜粋します。

~過去の問題に対して責任を問うことは、まさに未来に向かうことです。これまで危険な原発を作ることになぜ十分な反対を出来なかったのか。そのような責任意識から、僕は今デモに行っています。

~京都大学原子炉実験所の助教である小出裕章さんという人の講演を聞いたときも、感銘を受けました。彼は「原発を止められなくて申し訳ない」と話しつつ涙ぐんでいた。今回の事故の後、「ほら見たことか。俺はあんなに反対していたんだ」と言うことも出来た筈ですが、何であれ、止めることが出来なかったことに変わりはない、だから申し訳ない、ということです。

誰かがやってくれるのを待っていると、結局、人気のあるデマゴーグの政治家を担ぎ上げることにしかならないでしょう。それは結局、資本=国家の言いなりになることです。

Dscn1974初版 6/1発行のこの本「原発のウソ」(小出裕章著)を、当地の書店に取り寄せを依頼したのが6/2でした。しかし、相次ぐ増刷も殺到する注文に間に合わなかったのか、届いたのは7/12でした。既に第5刷となっていました。

第1章 福島第一原発はこれからどうなるのか  第2章 「放射能」とはどういうものか  第3章 放射能汚染から身を守るには 第4章 原発の”常識”は非常識  第5章 原子力は「未来のエネルギー」か?  第6章 地震列島・日本に原発を建ててはいけない  第7章 原子力に未来はない

書かれている原発の実態は、途方もなく怖ろしいことばかりなのですが、読んでいて心が落ち着くような、安らぐような感じがするのは何故かを考えました。その理由は、著者があくまでも 読者の為に 書いていらっしゃるから、のように思います。読む私たちがまず知りたいことに焦点を合わせて、分かり易く、かといって読者に妥協せず、専門用語であっても必要なところでは避けることなく、真摯に語られているのです。

第3章では、原発の破局的事故が起きた時どう避難すべきか、等の記事の後に、小出氏は以下のように語るのです。

できるかぎりの努力をしても、全てが「手遅れ」になる場合があります。それが原発事故というものです。もし万策尽きたとしたら、そう長くはない時間を一緒にいたい人とともに過ごすしかないでしょう。

今まで徹底的に無視あるいは異端視されてきた反原発の人を、マスコミも(まだ一部ながら)ようやく登場させるようになりました。以下は、テレビ朝日7/11報道ステーションでの小出裕章氏のコメントです。


YouTube: 20110711 「原発 わたしはこう思う」 小出裕章 (←クリックしてご覧下さい)

起きてしまったことは変えられませんが、未来は変えられます。これから生まれてくる子どもたちに、安全な環境を残していきませんか。皆さんの一人ひとりが「危険な原発はいらない」という意思表示をしてくださることを願っています。(小出裕章)

 


梶の葉

2011-07-14 20:58:51 | 茶道

猛暑の昼下がり、着物で茶道の稽古へ行きました。暑さでボーとなった身と心が、帯を締めると少しシャンとするようです。

薄茶の点前は、水指の蓋に梶の葉を用いる「葉蓋」の稽古でした。七夕の際に、昔は梶の葉に歌を書いて星に捧げたそうですね。梶の葉の裏側は墨のノリが良いのよ、それに葉は裏側へ反る性質があるので秘密の願い事を書くのに適しているのよ と若先生が茶目っ気のある微笑で教えて下さいました。

水指は艶やかな漆黒に金箔が散らしてあり、その上に緑の色が深い梶の葉を置くと、もう別世界に来たような気分になります。

床の間の花入れは末廣籠で、中に仕組まれた受け筒も漆黒に切箔散らしです。そもそも葉蓋は、裏千家11世玄々斎が花入れの受け筒に用いられていたものを水指に見立てて、梶の葉を蓋にしたのが始まりだそうです。

葉蓋を取るとき、梶の葉が重いわけではないのに両手で扱うのは、葉の上の露を転がり落とさぬように、との気遣いからでしょうか。露は、葉を建水の上まで持ってきてから、そっと落とします。

稽古の間、私は相変わらずぼんやりミスの連発。先生からピシッと指導してもらうと、また少しシャンとするようです。


恥ずかしいこと

2011-07-12 09:49:01 | 原発

3/11以後では全国で初めて原発再稼働に同意した(その後撤回)玄海町長の岸本英雄。九州電力との案の定の癒着ぶりが、ようやくマスコミの俎上に上った。

朝日新聞によれば、玄海町長の実弟が経営する「岸本組」が、九州電力から5年間で少なくとも約54億円の玄海原発関連工事を受注している。さらに、原発マネー(電源立地地域対策交付金など電源三法交付金)を財源とする町発注工事を約23億7千万円分請負っている。

金に釣られた岸本英雄を非難するだけでなく、金で釣った九州電力と多額の税金を原発推進に投入してきた国のあり方が、根本的に批判されなければならない。そして「電源三法」を国会で成立させた政治家たちを選挙で選んできた国民の私たちが自己批判しなければならない。

玄海原発については、6/26の県民説明番組における「やらせメール」問題などを受けて、7/8に佐賀県主催の県民説明会が開かれたが、この際にも、九電側が社内や関連会社社員に参加申込みするよう指示していた、という。呆れ果ててしまう。

九電の動員手法が従来から常態化していたことも、ようやくマスコミが取り上げるようになった。玄海原発で使用済み核燃料を再処理して使うプルサーマル発電について、2005年12/25に佐賀県主催で開催された説明会の際にも、同様の動員があった。この説明会は公開討論会の形式で、原発推進派の大橋弘忠と、反原発の小出裕章氏が登壇している。


YouTube: 雲隠れした「プルトニウムは飲んでも安心」の大橋弘忠 (←クリックしてご覧下さい)

薄ら笑いの大橋弘忠、対する小出裕章氏の真摯な訴え・・ 東大教授の大橋弘忠には、貧弱ながらも公式サイトがあったが、最近、削除したらしい。福島原発の惨事の前では、いかに御用学者といえども羞恥のヒトカケラぐらいはあって、人前には出られなくなったのだろうか。

2005年当時、九州でこんな事態が進行していたことを知ろうともしなかった私自身も、実に恥ずかしい人間だ・・