みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

制御盤の蛙

2016-04-22 08:41:34 | 田んぼ
村の田んぼへ送水するポンプの運転管理が昨日からスタートしました。今季も相棒と1週間交代で8月末まで担当予定です。既に水を満々と張った田んぼもあります。蛙が鳴き、燕が飛び、雲雀が空高く囀り、命の躍動を感ずる季節です。

            


体調が思わしくない状態が長引き、特に低気圧のときは心身ともにグッタリ・・情けない有様ですが、昨宵は故郷の旧友から電話があり、優しく、かつ頼もしいお声は、私の心身にとって何よりのお薬でした。そして・・ポンプ機場へ行かなければ! と思うと、不思議なくらいシャンとします。生きる張り合いになっているんですね。ヨソモノで女の私に担当させてくださっている村の方々に感謝!

用水路のゲート制御盤がお気に入りらしくて、いつも潜んでいる蛙。制御ボタンを操作しようと小扉を開くと、扉枠の隙間から迷惑そうな顔つきで這い出てきます。蛙にも、いろいろな生き方、暮らし方があるんですね。

           

プチッ ペチッ

2016-04-18 17:28:15 | 野鳥
当菜園の端で、ノビルが勢いよく繁殖している。太めに育ったのを選んで掘り取っていたら、近くのコナラ林の方から プチッ ペチッ という声。   1羽の野鳥が薄緑の芽吹きの中に見えた。近づくとサッと飛び去った。スズメより大きい。逆光で羽色はよく見えなかったが、その変わった鳴き声から シメ に間違いないと思う。そんなに珍しい野鳥ではない筈なのに、私は今まで出会ったことがなかった。体調の不良を暫し忘れることが出来ました。

八郷で出会った野鳥は(声のみの出会いで未視認を含む)64種となりました。

被災されている方々へお見舞い申し上げます

2016-04-18 14:42:38 | 震災 
やや遠縁ながら親戚が熊本に在住。怪我は無いらしいものの、家屋に亀裂。屋内は散乱。墓石が倒れた。水道は断水しているが、電気は来ているので、ポンプ式の井戸水を利用出来ているのは不幸中の幸いか。しかし食べ物が無い! 厳しい!

被災地の隣県に別の親戚がいて、直接的な被害は無い、という。熊本在住の親戚を支援したくとも、電車はストップ、道路は寸断で行けない! と嘆いている。

強い余震が頻発している報道に胸が詰まりそう・・ 私は自分自身の小病にさえ体力も気力も奪われそうで、被災地への支援など全く出来ない。地震の収束と復旧をただ祈るのみです。

木の芽晴れ

2016-04-12 09:42:00 | 八郷の自然と風景
大病は今のところ無さそうだけれど、次から次に色々な病気に罹患して、そのうち病気の百貨店でも開こうかしら、なんて自らに嘯きながら、せっせと病院通いに忙しいこの頃ですが、それでもこの季節は素晴らしい! 花々が咲き揃い、木々の芽吹きは日々その色合いを変えています。当庵もそんな木の芽たちと野鳥たちの囀りに包まれています。



当菜園では、待ちに待った人参の発芽が先日から始まりました。3月のお彼岸の日に蒔いたのですが、その畝を何度覗いてもノッペラボウのまま・・・ 蒔いたのが早過ぎたのかしら? 種が霜でやられたのかしら? 春疾風に種が飛ばされてしまったのかしら? 等々、不安に駆られて、もう半ば諦めかけていたところでしたので、小さな小さな幼い芽を見出したときは本当に嬉しかったです! 人参の発芽にはいつもヤキモキさせられます。 


花の昼

2016-04-05 22:12:05 | 俳句
俳句の会で常陸風土記の丘へ行きました。暖冬だったので、ソメイヨシノは以前の予想では今日あたり満開かも・・と思っていたのですが、昨日の雨が未だ少し残る寒い朝です。「花冷え」だと言ってみても洒落た気分になれず、あいにくの吟行になりそう、と心配しましたが、乗合タクシーで着いた頃には霧雨も止んで、「花曇」ながら寒さは緩んできて、気持も穏やかさを取り戻すことが出来ました。ソメイヨシノは7分咲きぐらい、枝垂桜は個体差が大きいけれど1~3分咲きぐらいだったでしょうか。

          

桜花を愛でながら池の周りを歩いていたら、初蛙の声が聞こえてきました。透き通った玉を転がすような美しい声でした。枝垂桜を見上げたときには、その上の空高くに初燕の飛翔を目撃しました。

少し小高いところには会津民家(江戸時代後期に建築された名主の家)が移築保存されていて、戸や障子は開け放たれています。縁先などに民家ならではの親しみやすさが感じられる一方、薄暗い奥座敷には代々の怨念のような不気味なものが漂っているようにも思われました。

          影多き会津民家や花の昼



正直な字&手根管症候群

2016-04-02 22:48:18 | 書道
隣村の公民館で、月1回の書道教室に参加させてもらっています。「書道」というより「お習字」と言った方がふさわしいような、優しくて穏やかな教室です。頑なな私の心も解けそうなひととき・・



真っすぐ書いているつもりでも、字形が傾いたり全体の配置がゆがんだりしがちなのは、私の心身の歪みを反映しているのだ・・と、自ら苦笑。私の字は私に正直です。

いつも隣り合わせの席で筆を運んでいる御婦人が、今日はお休みです。一か月ほど前から右手に痛みと痺れがある、と聞いていましたが、一向に治らないので病院を替えたら「手根管(しゅこんかん)症候群」という診断だったそうです。症状が進行してしまっているので、投薬で快癒できるかどうか・・・場合によっては手術ということになるかも、と。女性に多い病気だそうですが、私は全く知らない病名でした。筆を運ぶことも難しい状態のようです。

彼女は私より更に高齢ですが、素晴らしい行動力の持主です。書道のほか様々な趣味を楽しみ、ご家族のお世話も懇ろになさっています。煮物や漬物などの家庭料理もお好きで上手で、しばしば振舞ってくださったり。野良仕事にも熱心で、聞けば、今回の発症前にお屋敷の篠刈りを頑張られたのだそうです。通常の草刈りも大変ですが、相手が篠竹となると大変さの程度が違います。その篠竹を、彼女は鎌で根っこから刈る作業を数時間も続けたらしいのです。このことが、発症の直接の引き金だったのかもしれませんね。

働き者の彼女も、さすがに今回は手作業を避けることにした、とのこと。でも引きこもったりはせず、手に負担にならない場には出掛けられるようです。生きることに積極的な彼女の姿を眩しく思います。