みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

水分神

2022-01-12 22:45:25 | 俳句
俳句の会で「一の沢」を吟行しました。筑波山の(麓寄りの)中腹です。
八郷は半ば盆地で、放射冷却による冷気が溜まりやすいのですが、「一の沢」あたりは「逆転層」の影響で比較的温かいようです。
蠟梅や水仙が花盛りで、野菜畑も青々としていました。
北風が激しく吹き付けて、歩くのもままならぬ日でしたが、「一の沢」では嘘のように穏やか。すぐ背ろの筑波嶺が風を防いでいたからでしょう。

「一の沢」で水車を動力とした線香作りを営んでいる「駒村清明堂」を、久しぶりにお訪ねしました。


寒中の山清水が勢いよく水車へ落ちて、冬日に輝き、迸り、水煙を噴きます。観光用ではない、現役の働く水車の迫力には圧倒されます。
この近辺には「水分神」(すいぶんしん)と彫られた石碑が幾つか祀られています。「水」を尊び、水を引いて利用してきた人々の心が偲ばれます。

かっての「一の沢」は、水車が幾つも並び、麦を挽いてうどん粉を作っていたそうです。昭和30年代頃までは、水車を動力とした電気を引いて、電灯を点けていたとか。地球環境の危機が叫ばれる今、「水車」が新しい時代の希望を担うことになるかも知れませんね。

          冬日溜む水分神碑や水車村

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