みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

巨大な風船のような

2022-06-27 09:52:53 | 俳句
当菜園の南側に咲いてくれている立葵、花はもうだいぶ上ってきた。茎の最上部にまで花が到達する頃に梅雨が終わる、と言われているけれど、この数日は猛暑で大変。野良仕事は早朝と夕方少しだけだ。



          立葵次々村を明るうす     小零

俳句が好きな私だけれど、いわゆる「俳句界」のことには疎い。それでも「稲畑汀子」(1931~2022)の名前ぐらいは知っている。いや、俳句に無関心な人であっても、稲畑汀子という名前ぐらいは聞いたことがあるだろう。

高浜虚子の孫娘で、俳句結社「ホトトギス」の主宰を長く(1979~2013)務め、「日本伝統俳句協会」を設立(1987)、会長に就任した。伝統俳句界の女王のような存在だったが、本年2/27に91歳で亡くなっている。

代表句として知られているのは、
          今日何も彼もなにもかも春らしく     汀子
          落椿とはとつぜんに華やげる       
          初蝶を追ふまなざしに加はりぬ
          空といふ自由鶴舞ひやまざるは
など、らしい。
一読して、お上手、とは思うが、正直に言って、何の感動も生じない。
1句、2句 ぐらいは多少の関心をもって読めるが、3句目ぐらいになるともう退屈感がじわじわと来て、眠気を催す。

それでも、安定した時代に安定した暮しを安定した心で生きている人々・・否、そう思い込んでいる人々には、共感されやすい俳句かも知れない。

汀子の祖父の高浜虚子は巨大な怪物だった、と思う。
孫娘の方は、巨大な風船のような人だったのではないか、と思う。





人類の85%の「新世界」

2022-06-25 12:36:35 | 国際・政治
ジョセフ・スティグリッツ博士(1943~ 米コロンビア大学教授 ノーベル賞経済学賞2001受賞者)が、「アメリカは中国&ロシアを相手とした新冷戦(覇権争い)に負けるだろう」と語った。遠藤誉(えんどうほまれ1941~ 中国問題グローバル研究所長 筑波大学名誉教授)のサイトで知った。

このサイトで遠藤誉は、博士のコメントを理解しやすい構成で紹介し、解説を添えている。実に明快な内容だ。以下にその一部を抜粋する。

アメリカは他国に「アメリカ流の民主主義」を押し付け、「戦争ビジネス」と連携しながらそれを実行している。

「アメリカに追随せず」「対ロ制裁を行わない」非西側諸国=人類の85%は、「新世界」を形成しつつある。
アメリカを筆頭とする西側先進諸国は、この「人類の85%」を「下等人種」と見なす傾向にある。日本もその例外ではない。

中国が経済的に米国を凌駕することは、如何なる公的指標を使用しても避けられない。
2015には既に購買力平価でアメリカを上回っている。

満州国生れの遠藤誉は幼時、毛沢東の中国共産党軍による長春(満州国の首都=新京)包囲作戦=食糧封鎖に遭い、累々と続く餓死体の上を彷徨い、家族からも餓死者が出た。この地獄の体験が原点だという。であれば、中国共産党への憎悪・怨念は底知れず、中華人民共和国の全てを否定する立ち位置にあるのだろう、と私は思い込んでいた。浅はかで愚かで恥ずかしい思い込みだった。

遠藤誉に善玉対悪玉論は無縁だ。
なぜ人類は愚かしく悲惨な戦争を繰り返すのか、その原因を事実に即して探究し、知らしめる、その知的エネルギーに私は驚嘆し、感謝している。

咲いてくれて有難う

2022-06-10 09:00:04 | 八郷の自然と風景
梅雨入りと同じ頃に立葵が咲き始めた。



当地では農屋敷の周りや辻の傍らなど、あちこちでよく見かける花だ。色は白、薄いピンク、濃いピンク、薄い赤紫、濃い赤紫、どれも美しく目立つ。鬱陶しい梅雨の間も、この花に出会うと気持が明るくなる感じがする。花は茎の下の方から咲き始めて、次第に上の方の花が咲き、茎の天辺の花が咲く頃に梅雨が終わるのだ、と教えてもらったのは、当地へ移住してまもない頃だった。

近所のお宅では数年前から、広いお庭の周りにぐるりと立葵の花を巡らせて、実に美しい光景を見せてくださるようになった。昨年、働き者で花好きの八十路の御主人におねだりして種を分けてもらい、当菜園の傍らに蒔いた。小さな芽が出て、冬を無事に越して、咲いてくれたのが上の写真。

花は裏切らない。咲いてくれて有難う!