みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

ラウンジでの茶会

2016-02-14 13:48:47 | 茶道
猛烈な風が吹きすさび、木の枝が折れて山路に落下したり。怯む気持はありましたが、やはり予定通りに行きたくて愛車を1時間余り駆りました。強い横風でハンドルがふらつくのを初体験。緊張の連続でした。

雛祭に因んだ茶会が文化ホールのラウンジで催され、茶道の大先輩が席主を務められているのです。私は昨11月以来、ちょっとした体調不良が続いているため茶道から遠ざかりっぱなし。ラウンジでの気軽な茶会であれば、万全の体調ではなくても久しぶりに茶道の雰囲気を楽しめそうだと思ったので、どうしても行きたかったのです。

               

ラウンジには大先輩手作りのお内裏様や紅い和傘などが設えられて、ささやかながらも伝統文化の時空間を醸し出していました。きりっとした立礼のお点前(お点前中は撮影を控えました)を拝見し、香り高いお抹茶を戴き、茶道の友人たちとも再会出来て、何よりのひとときでした。行って良かった!

一二三之式

2015-09-01 23:37:50 | 茶道
久しぶりに国道6号線経由で、愛車を1時間余り駆って茶道の稽古へ行きました。9月になりましたので着物は単衣、帯はやや薄手の名古屋帯にしました。着物も帯も草履も、近所の方から譲って頂いたものです。普段はシミだらけの素顔をさらしている私ですが、着物のときだけは薄化粧します。化粧したり着物を着たりしているうちに、気分が茶道モードになっていきます。



お軸は 白雲自去来 、お筆は前大徳の宗興和尚です。

今日のお稽古は、一二三之式を2順と花月之式でした。一二三之式を稽古するのは、私は初めて。亭主の点前に対して連客が採点をする、というストーリーになっていて、様々な花月の中でも特に変わった印象を受けました。とても小さな木箱の中に採点用の小さな札が12枚入っていて、その札の取り扱いが意外に難しく、苦笑・失笑・微笑し合いながらの稽古となりました。難しく、かつ楽しい、という点では、他の花月と同じですね。


廻り花之式

2015-06-21 17:25:09 | 茶道
田んぼ用水ポンプ機場の今日の担当は相棒の方なので、私は心置きなく茶道の稽古へ出掛けることが出来た。梅雨空で、時折サッと雨が降ったと思うと止むことを繰り返していたが、暑くもなく寒くもなく、意外に心地よい日だ。

濃茶付花月の前に「廻り花之式」という花月の稽古をした。皆が順番に進み出て、花台に盛られた色々な花々の中から1~3種ぐらい選んで、床の間の花入に入れる。

   

鬱陶しいと思いがちな梅雨だけれど、意外に心魅かれる花が多い季節なんですね。クチナシ アジサイ ホタルブクロ ハンゲショウ ネム 等々。雨に濡れたこれらの花々と出会うと、どうしてこうも心がしみじみとしてくるのだろう ・・・

花台から花を選ぶときも、花入に入れるときも、理屈を忘れて気持のおもむくままにした方が、花も花入も引き立つ感じがする。ああでもない、こうでもないと理屈に囚われていた若い頃の自分を思い出して、我ながら苦笑した。こんなことを思いながら帰庵して、復習のつもりでテキストの「廻り花之式」のページを開いたら、「自然に型にとらわれることなく活けるようにと願われてこの式はつくられました。」と書いてあった。「花を入れるときに思量をこらして考えるとよけい真実に背いてしまう」云々とも。そうだったんだ!

それにしても今日は降ったり止んだりだったから、機場担当の相棒は落ち着かなくて大変だったかも。

花月「三友之式」

2015-06-02 22:06:47 | 茶道
5/22に、愛車で70分ほどのところの先生から6/2の茶道稽古の御案内を頂いたときは是非行きたいと思って、田んぼ用水ポンプ運転担当の代りを相棒にお願いした上で「参ります!」と返事した。ところがその後、体調不良に陥ってしまった。ようやく軽快してきたとはいえ、国道を1時間ほど運転するだけの気力が出ない。残念ながら稽古はキャンセルしよう・・と思った一昨日、社中の仲間から彼女の車への同乗を勧められた。有難い御好意に甘えることにしました。

稽古は花月(かげつ)の「三友之式」(さんゆうのしき)。 ①花を入れ、②香をたき、③薄茶を点てる という変化に富んだ花月です。花は全員が順に入れますが、その他の役回りは籤(「折据」という小さな紙袋の中に入っている札を取る)で決まります。私は亭主役になった上に、香をたく役にも当たりました!

香をたくのは初体験です。香炉の上に銀葉を載せ、その銀葉を薬指で押さえたとき、「アチッ!」と思わず声を上げてしまい、皆さま微苦笑。しっかり押さえ過ぎたんですね。香炉の火もやはり火、熱いんですねぇ。香包から銀箸で香を取り出すときの要領とかも、人様の所作を見たことは何度かありましたが、見るのと自分がやるのとでは大違い。夢中で務めました。

「三友之式」を2回、更に「濃茶付花月」も稽古、充実の時間に恵まれました。完治していない体調のことなどスッカリ忘れていました。



床の間のお軸には先ず「東宮御歌」と書かれています。昭和天皇が皇太子のときの御歌で、現代仮名遣いで書くと「広き野を流れゆくとも最上川 海に入るまで濁らざりけり」となるようです。筆は入江侍従長(当時)。昭和天皇在位60周年のときに真筆の写しが60部作成され、その1部がこの軸だそうです。

昭和天皇に対しては複雑な思いを払うことが出来ません。この歌に対しても、巧みだけれどイイ歌と言えるかどうか・・・ 率直に言えば、独善的な臭いを感じるのです。とはいえ、貴重な軸であることは確かですね。





初めての「茶カブキ之式」

2015-04-07 22:36:36 | 茶道
愛車を70分余り駆って、茶道の大先輩による代稽古を受けに行きました。国道のバイパス(一般道)は怖い! 流れの中でやむなく時速70キロ以上を出していたとき、今回もやはり追い越されました。

今日の稽古は花月(かげつ)の 茶カブキ之式  私は初体験です。事前に手元のテキスト(裏千家茶道教科16 七事式 中)で予習していたことが少しは役に立ちましたが、やはり実際に体験してこそのテキストです。

先ず 試み茶 を二種、点茶役が点てて連客が喫します。茶銘は上林の嘉辰昔(かしんのむかし)と小山園の式部昔(しきぶのむかし)であることが示されていました。連客は、喫しながら各茶種ごとの味覚の記憶に努めます。末客役の私も真剣に試みましたが、暗中模索の思い・・ ただ美味しい! と思うだけで済ませているいつもの調子とは大違いです。

味覚を慎重に確かめるように喫しながら、「強い味」とか、「散らばるような味」とか、「突き通すような味」とか「烈しい味」とか、それぞれの味覚を 言葉 に置き換えて記憶しようとしている自分に、後から気付きました。香道を経験したときも同様だったのを思い出しました。人間は言葉に頼って生きていることを再認識させられます。

試み茶 の後は、本茶 の三種です。たてまえは三種ですが、三種目は正客が辞退するので、実際に連客が喫するのは二種です。

本茶 の茶銘は開示されていません。喫しながら、試み茶 の味覚の記憶と比べます。上林の嘉辰昔なのか、小山園の式部昔か、それとも、試み茶 ではない先陣昔(せんじんのむかし)なのか・・・

連客の判断の当否が、最後に公表されます。私の判断結果は・・ 三種とも正解でした!

茶銘の判断が当たったからといって喜ぶべきことでなないし、当たらなかったからといって残念がることもない、淡々と事実を受け容れなければならないのだけれど、そして、当たったのはマグレだと分かっていても、やっぱり嬉しい気持を抑えることが出来ない煩悩の私です。

茶カブキ之式 をもう1席、その後に花月之式  全部で3時間半ほど、楽しくも緊張感に満ちた稽古でした。

 

お幸せに

2015-03-15 14:26:19 | 茶道
茶道の稽古仲間のお一人が、もうじきお引越し予定で、稽古を御一緒できるのは今日が最後。という訳で、代稽古の先生にも並んで座って頂いて、記念の写真を撮らせてもらいました。



短いお付き合いでしたが、爽やかで美しい所作とお人柄との出会いは、私にとって年齢差を超えた貴重な思い出となりそうです。お引越し先で新居を営まれるとのこと。お幸せに!

移り白

2015-03-08 17:15:07 | 茶道
雨催いだったけれど今朝は鬱(春愁?)気分が抜けていた。腰痛に顔を顰めることもなく、ユキとの散歩の足取りももたつかない。茶道の稽古に出掛ける予定があるということが、こんなにも私の心身に影響するとは!

茶道の稽古には、程よい緊張感と静かな感動の蓄積がある。

今日の稽古は台天目(だいてんもく)。久しぶりの四ケ伝(しかでん)で、老脳のぼやけた記憶をまさぐりながら、とんでもない間違いを幾つか交えながら、まあそれでも自分では案外それなりに出来たつもりだけれど、この「つもり」というのが一番怪しいかも?

病気療養中の恩師に代わって御指導下さっている先生は、茶道を習得されているのみならず、本当に素晴らしいお人柄の方で、この先生や、良き弟子仲間と共にひとときの時空間を過すことの有難さを改めて思います。

床の間に飾られた花椿の「移り白」という名前も心に残りました。微かに桃色がかった美しさに見とれました。咲いているうちにだんだん白くなるそうです。

廻り炭

2015-02-03 19:25:06 | 茶道
大先輩の茶人の社中のお稽古に参加させて頂きました。愛車での往路は1時間10分ほど。バイパスでの車の流れに必死で就いていこうとしても時速80キロ以上は怖くて出せず、今回もまた数台に追い越されました。高速路ではないのに!


今日の稽古は先ず「廻り炭」という花月。私は初体験でワクワクするやらドキドキするやら。全員が順に炉の炭を上げては入れます。炭手前の修練が目的の花月だそうです。亭主は決められた形に炭を入れますが、連客はそれぞれ自由な形に入れます。

この「自由に」というのが意外に難しい。決められた形にしてはダメ。他の客が入れた形を真似してはダメ。与えられた「自由」が却って桎梏になってしまうかのようです。でも面白かった!



続いて「員茶」(かずちゃ)、更に「濃茶付き」。この二つの花月はもう何回も(何十回も?)経験している私ですが、ミスを連発。自ら笑うしかありません。でも久しぶりの花月で、しかも3種類も稽古できて、楽しかった!

稽古仲間には足腰が衰えて正座等が出来ない方もいらっしゃいましたが、小さな椅子や小さな台などで補助したり、大先輩や皆さんが手伝って皆一緒に稽古し楽しむ雰囲気が素敵だったなあ・・

復路はスムーズな流れで、1時間ほどで帰庵。大急ぎで着物から野良着へ替えて暮れ始めた山路をユキと散歩しました。雑木林の上に真ん丸の金色のお月さまが出ていました。

千鳥の杯

2015-01-13 21:55:15 | 茶道
愛車を一時間余り走らせ、先輩茶人の「初釜」の席へ参りました。闘病中の恩師に代わっての稽古を兼ねて、という有難い御配慮です。



代稽古とはいえ、初入り・初炭手前・懐石・中立(なかだち)・後入り・濃茶・後炭手前・薄茶、という本格的な茶事。メンバーは、亭主・半東(亭主の補佐)・水屋番の各1名ずつと、連客が5名。先輩茶人の先生は、指示したり、各人の所作の間違いを正したり、ときには「お詰め」(末客)の役を手伝ったり、大忙しですが明るくテキパキと進められ、その上デジカメを離さずに撮影記録も怠らず、敬服!



懐石の後半では「千鳥の杯」も体験できました。手元の本によれば、「昔から杯の献酬はいろいろな形がありましたが、茶席で行うこの杯の献酬が、最もその意を得たものだといわれています。」とのこと。正客の杯をお借りして、亭主も連客もお酒をいただきます。その杯が、正客→亭主→二客→亭主→三客→・・と受け渡される動きが「千鳥足」に似るので「千鳥杯」という訳です。(なおこのとき、連客は自席に座ったままですが、向かい側の亭主は上座から下座へ移動していきます。)

慣れない身には複雑そうな千鳥杯ですが、杯の受け渡しを通して互いの気持の交流が醸し出され、何ともなごやかなひとときでした。

今回初めて席を同じくしたお一人から、「私は八郷の風景が大好きなんですよ・・」と静かな感動を湛えた眼差しで言われたことも大変嬉しかったですね。


炉火

2014-11-04 21:21:36 | 茶道
大先輩の茶人からお招きを受けて、炉開きの茶事に参りました。

運転が苦手な私は、めったに走らない国道6号線を1時間近く通らねばならないことに怖気づきましたが、久しぶりのお茶の世界へ行きたい一心で、緊張のハンドルでした。途中、車線変更のミスなどで戸惑ったりしましたが、何とか無事にお茶室へ到着。

軽く濡らしてあった平丸筋入の釜肌が、炉熱で乾いていく風情に見入りました。御心づくしの懐石料理と濃茶、そして後炭も省略なさらず、炉火の美しさを再認識しました。薄茶の頃には席も打ち解けて、初対面の皆様ともお近づきになることが出来ました。

数人規模のこうしたお茶席の雰囲気が、私は大好きになりました。

帰路は緊張もとれて、快適ドライブ? 帰庵したら飼犬のユキが飛び跳ねて出迎え。着替えてすぐに一緒に散歩しました。濃い夕焼けでした。