みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

春を探す

2022-01-26 12:36:09 | 八郷の自然と風景
冬旱が続いているけれど、昨夜の小雨で潤いのある朝となった。

裏庭のウグイスカグラが、かぼそい分枝毎に小指の爪の先より小さな蕾を付けていて、数輪が花開いていた。
径5~6ミリほどの実に小さな花である。スマホのカメラで撮ってみたけれど、拙い私の腕では焦点を合わせることが出来なかった。
ウグイスカグラという命名の由来は、鶯が鳴き始める頃に咲くから、というけれど、鶯の初音の季節より1ヶ月余り早い。

茶庭の傍らの侘助椿(ワビスケツバキ)は、蕾の先を紅色に染め始めていた。
一輪だけ、密生した葉の蔭に隠れるようにして咲いていた。径1センチほどの小さな椿だ。

デルタ株も再び増えている

2022-01-26 07:08:51 | 新型コロナ
通院している歯科医院から、先日、慌ただしい電話連絡があった。患者さんにコロナの陽性者が出たので、1週間休業する、という。予約日を先に延ばすことになった。過疎の当地でも、コロナ感染拡大が私の暮しにも直接的影響を及ぼすことになった。

新型コロナウィルス抗体協議会(アドバイザー:児玉龍彦 幹事:東京大学先端科学技術研究センター特任教授 田中十志也))が、1/23付けで『1/24から1週間の緊急対応の提言』を出していた。

今まで経験したことのない規模で感染拡大していることは報道されているが、実は、PCR検査結果の陽性者数の4倍ほどの感染者が推定(東京都医学研グループによる)されている、という。

陽性者の多くはオミクロン株だが、デルタ株も増加していて、重症例が多い。首都圏近郊では、陽性者の25%がデルタ株。そのデルタの新たな変異株も流入または発生しているそうだ。

検査・医療体制が逼迫していることから、次の3本柱の緊急対応が提言されている。

1 検査体制の強化と感染確認があれば、学級閉鎖・休業での対応を行う。
2 高齢者・基礎疾患のある人の1週間の外出・接触の抑制または対応の強化。
2 国際線の感染対応の強化、検疫の強化。

オミクロンは軽い、なんて雰囲気に気持ちを緩めていたら、とんでもないことになりそう。

夢のはなし

2022-01-20 06:35:04 | 生死
夢を見ても大概の夢は、目が醒めると直ぐに忘れる。僅かな時間だけ思い出せても、気にならないから忘れてしまう。

何処かの街角で、芳子(仮名)さんと別れた私は、真直ぐの道を歩き始めていた。振り返ると、芳子さんは微笑みながら私に手を振っていた。
私はまた歩き始めた。真直ぐの道なのだが、何処へ向かっているのかは分からない。そして・・・振り返らなくても、芳子さんが微笑みながら私に手を振ってくれているのが分かるのだった。

そんな夢を今朝の寝覚め前に見た。

芳子さんは或る老人病棟の看護助手だった。大勢の患者さんたちのオムツ交換・入浴介助・食事介助・掃除・洗濯物の仕分け等々の雑用すべて。
低賃金で汚れものを扱い、神経と体力の両方を酷使する仕事だ。患者さんに対しても自分に対しても優しくしている暇は無い。大方の看護助手の面々は患者さんに対しても自分に対しても厳しくならざるを得ないのだ。

そういう職場で芳子さんだけは優しかった。不思議だった。駆け回るような忙しさの中の一瞬、ほんのひとひらだが、花びらのような優しい視線や言葉を患者さんへ投げかけるのだった。看護助手の仲間たちにも、仕事の僅かな狭間に美しい微笑を贈ってくれた。

独身時代の芳子さんは、都心のデパートのエレベーターガールだったそうだ。あの優雅な手つきで「上へ参ります」などと、口調も優雅な仕事。当時の娘たちの憧れの職業の一つだった。
芳子さんに惚れてしまった男性客は、さぞ多かったことだろう。その一人があまりにも熱心だったので、芳子さんは「根負け」して結婚した。誠実な人だが、生活能力はイマイチだったらしく、芳子さんの美しい肩に生活の重みが掛かり続けてきたのだ。

20年近く前、芳子さんは癌を患った。容姿も心も美しい芳子さんを癌が蝕むという運命を私は呪った。回復を祈った。
それから10年ほど経って、「再発も無く、無事に術後10年を迎えました」という便りが届いた。10年経てばもう大丈夫だ、と私は思った。
ただ、便りに添えられたご家族の写真の中で、芳子さんだけ、影が薄く見えるのが妙に気になった。
それから1年も経たない或る日、芳子さんの訃報が届いたのだ。

今でも芳子さんの美しい微笑みが、花びらのように私の心の中へ届く。美しい手つきで手を振ってくれているように思う。

水分神

2022-01-12 22:45:25 | 俳句
俳句の会で「一の沢」を吟行しました。筑波山の(麓寄りの)中腹です。
八郷は半ば盆地で、放射冷却による冷気が溜まりやすいのですが、「一の沢」あたりは「逆転層」の影響で比較的温かいようです。
蠟梅や水仙が花盛りで、野菜畑も青々としていました。
北風が激しく吹き付けて、歩くのもままならぬ日でしたが、「一の沢」では嘘のように穏やか。すぐ背ろの筑波嶺が風を防いでいたからでしょう。

「一の沢」で水車を動力とした線香作りを営んでいる「駒村清明堂」を、久しぶりにお訪ねしました。


寒中の山清水が勢いよく水車へ落ちて、冬日に輝き、迸り、水煙を噴きます。観光用ではない、現役の働く水車の迫力には圧倒されます。
この近辺には「水分神」(すいぶんしん)と彫られた石碑が幾つか祀られています。「水」を尊び、水を引いて利用してきた人々の心が偲ばれます。

かっての「一の沢」は、水車が幾つも並び、麦を挽いてうどん粉を作っていたそうです。昭和30年代頃までは、水車を動力とした電気を引いて、電灯を点けていたとか。地球環境の危機が叫ばれる今、「水車」が新しい時代の希望を担うことになるかも知れませんね。

          冬日溜む水分神碑や水車村

揶揄

2022-01-06 07:41:08 | 社会
『連合』とは「大企業の正社員クラブ」だ、と揶揄されているそうだ。なるほどね。
そんな揶揄をしているのは、もちろん一部の人々に限られているのだろうが、私はこの揶揄が腑に落ちた。

岸田総理が連合を引き寄せる戦術に出てきた。実に巧妙な戦術だ。
この国の政権は一般大衆の敵だが、敵ながらアッパレ。

こんな『連合』に付き従っている「野党第1党」って何だろう?
そんな「野党第1党」に熱心に抱き付きたがっている「ニホンキョウサントウ」って、一体何なんだ?