みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

小野越の北向観音

2022-03-09 22:46:57 | 俳句
俳句の会で久しぶりに小野越の北向観音堂へ行きました。老いた小野小町が峠を越えて当地を訪ね、観音様に眼病の平癒をお祈りしたら、願いが達せられた、という伝説があるところです。



御堂へ昇る石段は風情がありますが、足腰の弱った身には危険なので、右手の回り道を杖に縋ってお参りしました。形の良い屋根と弁柄色に塗られた外壁の可愛らしい御堂です。中を覗くと、色褪せてはいるものの、極彩色だったと思われる絢爛豪華な造りの厨子があり、半開きの厨子扉に半ば隠れるように観音像が安置されていました。

世界の平和と病者の平癒を祈りました。私が祈ったところで何の意味も無いのでしょうけれども、祈らないままでこの御堂を立ち去るというのも気持が不安定になりそうだったので。

一緒に吟行した8人の仲間のうち、二人が癌の闘病中です。この二人が、大変明るくて元気が良いのです。その一人は、抗がん剤治療の合間を縫って、久しぶりの参加でした。私だったら、癌と宣告されただけでグッタリしてしまうだろうに・・・ 他の6人も、加齢に伴う種々の病苦を抱えていますが、春らしくなった日の光や、小川のせせらぎや、藪椿や、ナズナ オオイヌノフグリ ホトケノザ 等々の草花などとの出会いに笑顔が広がりました。うち一人は、数年ぶりの参加です。

          再会を祝ぐや春草とりどりに

最新の画像もっと見る

コメントを投稿