みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

デルタ株も再び増えている

2022-01-26 07:08:51 | 新型コロナ
通院している歯科医院から、先日、慌ただしい電話連絡があった。患者さんにコロナの陽性者が出たので、1週間休業する、という。予約日を先に延ばすことになった。過疎の当地でも、コロナ感染拡大が私の暮しにも直接的影響を及ぼすことになった。

新型コロナウィルス抗体協議会(アドバイザー:児玉龍彦 幹事:東京大学先端科学技術研究センター特任教授 田中十志也))が、1/23付けで『1/24から1週間の緊急対応の提言』を出していた。

今まで経験したことのない規模で感染拡大していることは報道されているが、実は、PCR検査結果の陽性者数の4倍ほどの感染者が推定(東京都医学研グループによる)されている、という。

陽性者の多くはオミクロン株だが、デルタ株も増加していて、重症例が多い。首都圏近郊では、陽性者の25%がデルタ株。そのデルタの新たな変異株も流入または発生しているそうだ。

検査・医療体制が逼迫していることから、次の3本柱の緊急対応が提言されている。

1 検査体制の強化と感染確認があれば、学級閉鎖・休業での対応を行う。
2 高齢者・基礎疾患のある人の1週間の外出・接触の抑制または対応の強化。
2 国際線の感染対応の強化、検疫の強化。

オミクロンは軽い、なんて雰囲気に気持ちを緩めていたら、とんでもないことになりそう。

デルタとオミクロン

2021-12-28 13:47:20 | 新型コロナ
児玉龍彦先生が新型コロナウィルスについて語る「デモクラシータイムス」が、久しぶりにアップされていた。
「全然違うデルタとオミクロン 対応の根本的転換を」12/25付けUouTubeである。

児玉先生の、科学的事実と人々に対して誠実なお話には、いつも「目からウロコ」だ。

デルタとオミクロンとでは変異の様子がまるで違う。
また、同じ「デルタ株」でも、欧米等で猛威を振るっているデルタと、日本で急減したデルタとは違う変異株であることを、私は初めて知った。
オミクロンへの対策と共に、デルタへの対策も決して緩めてはならないのだ。
オミクロンの悪性(感染力大)とデルタの悪性(重症化率大)とを合体したような新たな変異株出現の可能性も否定できない、という。

行政任せではなく、医学界の奮起を! と訴える児玉先生に、今回も熱い人間愛を感じた。


新型コロナ感染拡大の波の謎解き

2021-09-25 10:48:13 | 新型コロナ
新型コロナウィルス感染拡大の第5波が急減している。減少の原因としては、ワクチン接種の進展やマスク着用などの感染予防行動が指摘されている一方、人流はむしろ増えているのに何故?という疑問がある。

この不思議に思われる現象の謎を、児玉龍彦先生が実に明快に解き明かしてくれている。
Eigen(ノーベル賞受賞者)が1971年に提唱した「エラーカタストロフの限界」説が、謎を解く鍵だ。

この説によれば、ウィルスの過剰な変異はゲノムの安定性を自壊させ、感染縮小に向かわせる。感染拡大が波型を描く現象を説明できる。

感染縮小の波の下降線がゼロには至らず、また再び拡大の波が上昇し、感染拡大を繰り返すのは何故か?
それは、自壊しない「幹ウィルス」が存在しているからだ。
自壊していく過剰なウィルスは、言わば、枝葉に該当する。
幹ウィルスは、感染拡大の波を経るほどに太っていく。前回の波の底よりも次回の波の底の方が高い事実がある。
幹ウィルスからは、また更に新たな変異ウィルスが生まれて、新たな感染拡大の波を作っていく。

以上、素人の私なりに概要を述べましたが、児玉龍彦先生は、『「エラーカタストロフの限界」を超えるコロナウィルス変異への対応』というタイトルの論文をネットにアップして下さっています。また、『変異と科学的対応』というタイトルで、「デモクラシータイムス」9/14版もアップされていますので、詳しくはそちらをご覧ください。

ウィルスの恐ろしさを改めて痛感させられる。
あらゆる生物の中で最も進化していると自負する人間が、生物と無生物との中間的存在とも言われるウィルスに存在を脅かされるとは、皮肉と言うべきか、必然と言うべきか・・・

しかし、このウィルスを克服する希望も、児玉龍彦先生は提示して下さっている。一つはRNAワクチン(ファイザー製・モデルナ製など)で、従来型ワクチンがもたらす液性免疫だけでなく、細胞性免疫を速やかに強力に誘導するので、変異ウィルスにも有効だということ。そして何よりも、科学的な知見に基づいた政策の推進が必要だということだ。