みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

代田

2009-04-29 15:20:23 | 八郷の自然と風景

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写真奥の小さな施設が用水ポンプ機場です。 今朝も5時半ごろ行って取水口に引っ掛かったゴミを取り除き、堰のゲートを閉めて、霞ヶ浦からの導水が届き始めた6時過ぎからポンプを稼動させました。代田(代掻きを終えた田)が、静かに光っています。蛙が鳴き、鴨が泳ぎ、燕が飛び、小鷺や青鷺がやってきます。

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田植えを終えたところもあります。当地では連休期間頃が田植えシーズンです。普段は都会で会社勤めの世代も、実家の田んぼで代掻機や田植機に乗ります。


鯉幟

2009-04-26 21:05:32 | 八郷の自然と風景

Dscn0510 所用のため、kSさんと共に往復30分余の道を歩いた。野も山も緑が鮮やかな季節だ。

Dscn0507 tK家の鯉幟が泳いでいた。御夫婦が孫鯉の取り付けを直したところだった。傍らの乳母車から男孫のアンヨが覗いていた。曾祖母になられた方が乳母車の後ろで微笑んでおられた。


雉の卵

2009-04-25 19:58:25 | 八郷の自然と風景

菜園に茄子・胡瓜・シシトウ・ピーマン等の苗を植え付けていた昨昼、南隣の栗畑で草刈中だったnIさんが両手に何かを抱えて来られた。10個ほどの雉の卵だった。茂った草むらの中の雉の巣に、nIさんの草刈機がぶつかってしまった、とのこと。

当庵周辺では雉の高く大きな声が毎日聞かれるし、雄雉の雄姿や地味な雌雉もよく見かける。繁殖地になっているのだ。今回は雉にとっては不運だったが、抱卵には不適当な場所だから止むを得ない。

Dscn0502_4 一般の鶏卵より一回り小さく、淡い青灰色を帯びている。一つ戴いて今朝、目玉焼にして筍スープに浮かべた。黄身の味が濃厚だった。筍は先日、近所の竹林の持主から掘り立てを頂戴して、すぐにアク抜きしたもの。香りの高さを味わった。


用水ポンプ稼動開始

2009-04-21 16:24:34 | 暮らし

Dscn0500 朝6時。近所のtSさんと共に、当周辺の田んぼへ用水を送るポンプ機場(門柱には「恋瀬川上流地区第8揚水機場」と書いてある)へ行く。本格稼動の初日だ。

水がはるばるやってくる元の霞ヶ浦の方のポンプが故障というハプニングで、代掻き用の水を待っている農家の方々をヤキモキさせたが、やがて復旧。ポンプ運転を開始出来た。

Dscn0501 田んぼのバルブが開かれると、勢いよく水が飛び出す。霞ヶ浦の水質は以前よりマシらしいが、山清水や湧水には敵わない。しかし水管理が楽だから、70~80歳台が担い手の兼業農家にとっては止むを得ない選択だろう。

ポンプ機場の運転管理も、地元農家には引き受け手がいないらしく、私のような新参者の細腕にもやらせて下さる。おかげで私はささやかながらも張り合いがある日々を過ごせる。


骨董市

2009-04-20 09:23:54 | 文化

Dscn0498_sh01_2 昨日は eTさんと愛車で20分弱の骨董市へ行った。過疎の地だが、毎月1回の市にはそれなりの人出がある。主宰の「栗の家」の御主人の人徳で、信用できる骨董商の方々が店を出すから、と仄聞している。

Dscn0495 径2尺ほどの織部の器が目を引いたが、細腕の私には手に余る。鑑賞だけ楽しませてもらった。この骨董商は粋な眼鏡を掛けて、まだ青年と言えそうな若さだった。

eTさんは漆塗のお椀を入手された。私は手頃な小紋(着物)をeTさんに見立ててもらった。裏地に少しシミがあるが、新品だったら桁違いの価格・・・有難く購入した。

骨董品の数々を鑑賞し、買物にも満足してから、近くの店「山路」で蕎麦を戴いた。店主は、前業を辞めてから蕎麦打ちの修行を経て、10数年前に是の店を開いたそうだ。喉越しの良いお蕎麦だった。胡桃入りの麺つゆも珍しかった。

ティータイムには古民家を修復した店「栗の家」で、由緒のある家具調度品を鑑賞しながら、抹茶セットを戴いた。東京からeTさんがはるばる来て下さったおかげで充実の一日となりました。


静かな春雨

2009-04-17 20:16:23 | 八郷の自然と風景

友人のK子さんは、不安定だった心身の調子を服薬で整えながら、会社勤めの合間に田植え前の作業にいそしむ御主人に従って精を出したそうです。頑張り過ぎたのか、?歳肩を発症してひどく痛かったけれど、それも整形外科で注射してもらって、軽快したそうです。

服薬も注射も、化学物質過敏症(CS)が重篤だったときのK子さんには受け入れられないものでした。CSはもう治った、と言ってもいいのかも。心身の不調も、きっと治ってゆかれることと思います。今日のK子さんの電話は、静かで落着いた、いいお声でした。

Dscn0488 Dscn0489 Dscn0490 当菜園のエンドウも春菊・ジャガイモの芽も静かな春雨に濡れていました。

Dscn0486 裏山のコナラもしっとりと濡れていました。淡緑の慎ましい花序を、簪のように微かに揺らしながら・・(写真上でクリックして見て下さいませ)


夜桜

2009-04-14 17:32:58 | 芸術

Dscn0485_sh01 愛車で10分程のySさん宅へ、お招きを受けて伺った。淑やかなySさんの御点前のお抹茶を、出来上がったばかりの茶庭を眺めつつ庭師のjOさんと一緒に戴いた。

jOさんは当庵の茶庭も造って下さった方だ。会社を定年退職後に一級造園技能士の資格試験に挑戦し、見事合格されて第2の仕事に情熱を燃やされている。

ySさんのお棗(薄茶器)を拝見した。全体が黒漆で真っ黒に見える。手に取って少し角度を変えながら見ていると、不意に桜花の模様が透けるように浮かび上がった。少庵(利休の跡継ぎ)好みの「夜桜」という銘が付いている。

昨今のライトアップなどとは無縁の、本当の夜桜だ。真の闇の中でこそ、桜の色香も濃く想われる。


山桜

2009-04-11 19:44:54 | 八郷の自然と風景

Dscn0484 裏山の雑木林の中でひときわ高い山桜が咲いた。花と共に幼葉の色も青空に映えている。幹へよじ登っている蔓はミツバアケビだ。

ソメイヨシノは行政主導で日本中に植樹されて増えた。クローンだから、一斉に咲き一斉に散る華やかさはあるが、あまりに偏愛される風潮には付いていけない。

山桜は個性的だ。開花期や葉の色などが一樹ごとに微妙に異なる。幹肌には艶がある。そして花びらは少しずつ、ひっそりと散っていく。


桜と鯉

2009-04-08 06:46:21 | 俳句

Dscn0480 昨日は地元の俳句の会で、市内の「常陸風土記の丘」を吟行した。ソメイヨシノは八分咲きぐらい。園内には枝垂桜が多くて三分咲きぐらい、微風に揺れていた。

過疎の地の小さな会だが、仲間の二人の句が高野素十系の結社誌上で相次いで巻頭に挙げられたので、お祝いにkYさんが赤飯を炊いて持参、園内で皆に振舞ってくれた。

池の端で大きな鯉が数匹、烈しく旋回していた。愛の営みだ! 厳粛なその行為には、甘さなど微塵もなかった。

             


浚う

2009-04-05 19:44:35 | 俳句

Dscn0479 朝8時、用水ポンプ機場に当周辺から10名程が集まった。大きなスコップを手にした方々が、取水口からポンプ吸水槽までの泥浚いに取り組んだ。

泥水排出用の重たい揚水ポンプを、1人がヒョイと持ち上げたのには驚いた。皆さんそれぞれの得意技?に応じた役割を自然体で担って、作業は順調に進んだ。私は用水ポンプの試運転などを担当した。

4/21から8月末まで本格稼動の用水ポンプ運転を、今年も私はtSさんと共に担当する。水は霞ヶ浦からはるばると導水される。

「溝浚へ」「堰浚へ」は夏の季語だ。歳時記には「田植え前に田に十分に水を入れるために用水などの溝を浚って水の流れを良くする」と解説。かっての農村の田植えは梅雨時だから、代掻きも今より1ヶ月位先だった・・