みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

古刹の僧

2021-05-12 21:39:39 | 俳句
コロナ禍の中、俳句の会も昨春から試行錯誤です。今年は1~3月休会しましたが、4月に再開。感染予防と心の健康とのバランスに苦慮しながらの運営です。

今回は、真壁(桜川市)の「椎尾山薬王院」を吟行しました。仲間の車に乗り合わせて、筑波山の峠を越えました。新緑の連山のあちこちに山藤の薄紫色が懸かり、麓の平野には一面の植田が広がっています。

薬王院は筑波山の北側中腹に位置している天台宗の古刹で、御本尊は薬師如来でした。
     

木組みが見事な仁王門(仁王様はお留守でしたが)は、名高い桜井一門の大工棟梁により1688年に竣工したものだそうです。現存の本堂は1680年、三重塔は1704年の竣工。いずれも素晴らしい木組みと彫刻で、実に堂々たる構えの伽藍です。私は特に、三重塔の迫力に圧倒されました。
 
          気魄もて夏空へ反り塔の屋根



伽藍も見事ですが、境内に数多のスダジイの大樹も見事! 樹齢300~500年だそうです。

          老いぬれど樹幹隆々椎の夏

そして最も印象に残ったのは、実は寺僧でした。

          風薫る古刹の僧のベレー帽

とても気さくな雰囲気の僧で、草をむしったりされていたので、いわゆる「寺男」と呼ばれるような身分の方かと最初は思いました。仲間とともに、なんとなく言葉を交わすうちに、確固たる精神の持ち主らしい風格が伝わってきました。御住職なのでしょう。去り際の自然態も心に残りました。
 





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