みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

小さな影のような ミソサザイ

2018-11-30 17:26:06 | 野鳥
夕方4時頃、背腰脚痛に耐えながら飼犬ユキの散歩をしていた。切り通し状の山路の端の薄暗い辺りを、何か小さな影が走り去ったような気配がした。風の悪戯で落葉が動いたのかも? でも最近、この辺りで何度か同じような気配を感じている。

目を凝らして気配の先の方を見たら、いた! 地面に落ちている朽枝の上で、とても小さな茶色っぽい小鳥が尾羽をピンと立てている。瞬時に見失ってしまったが、帰庵して図鑑などで調べたら、やはり ミソサザイ だった! 初めての観察でした。

体長11センチで、キクイタダキの次ぐらいに小さな小鳥。地方によっては ヤブクグリ とも呼ぶらしい。影のようにすばしこく地面付近を動く生態にピッタリの呼称だと思う。

冬季には低山にも現れるが、主に山地から亜高山帯で繁殖する。早春になると、小さい体なのに大きな美しい声で囀るそうだけれど、その頃にはもう当地を離れてしまっているだろうから、残念ながら聞けそうにない。

野鳥のほとんどは一夫一妻制だけれど、このミソサザイとウグイスは一夫多妻制なんですって・・・

八郷で出会った野鳥は、これで67種となりました。

オオスズメバチの巣

2018-11-23 22:08:25 | 八郷の自然と風景
当敷地西側の崖っぷちで、9月6日、スズメバチに刺されて以来、崖に近づくのも怖かった。

霜が降りる季節になったので、さすがのスズメバチも滅んだだろうと思い、篠竹などが繁茂して藪になっている崖の草刈りを人に頼んだ。

藪が払われて、スズメバチの巣が現れた。蜂は全滅してなかった。数匹が巣から飛び出し、飛び回った。私は怖くて、10メートル以上離れたところから見ていた。蜂は飛び回ったが、草刈りの人は、「攻撃はもうしないから大丈夫だ」と言って、キンチョールを巣穴に吹き込んでくれた。穴の中から羽音が聞こえていたそうだ。

巣の直径は40センチぐらいありそう。スズメバチにも色々な種類があるけれど、この巣の形態から判断すれば、オオスズメバチ! 一番大きくて凶暴な奴だ。改めて恐怖を覚えた。しかしながら蜂たちは、土一粒ずつを運んで、何と立派な巣を作ることよ!
 
  
 

朝霜の季節

2018-11-23 10:22:16 | 菜園
今年の秋は短かった。朝霜が降りるようになり、当菜園も冬らしくなりました。

スナップエンドウ、エンドウ、ソラマメは小さな芽で冬を越えます。エンドウは少し伸び過ぎかも。
       

人参は、前年収穫貯蔵していたのがちょうど尽きたところです。来春まで、少しずつ収穫します。大根は今季は細身。昨季は太り過ぎて扱うのが大変でした。白菜はご近所から頂いた苗を育てました。大きくしっかり巻いていて、先日一株収穫しましたが、食べ切るのに1ヶ月ぐらい掛かりそう。
       

コカブは初めての栽培です。葉も癖がないので、青菜が乏しいこの季節に重宝します。タマネギ苗は霜柱と闘いながらの冬越しです。マルチをやれば安心だけど、ビニール類はなるべく使いたくないので。前年収穫貯蔵のタマネギは豊作だったので、まだまだ在庫があり、友人にも分けています。ほうれん草はそろそろ収穫期です。
      

ネギは来春まで少しずつ収穫できるので、とても重宝します。刻んで納豆に混ぜたり、丼ものに散らしたり、煮物にも。大好きです。


加齢で衰えてくるにつれて、この菜園が私の心と体の健康にとても貢献していることを痛感するようになりました。

菜園で写真を撮っている私を、ジョウビタキが柿の枯枝から観察していました。



 

反知性主義

2018-11-16 09:00:39 | 文化
稀勢の里が未だに引退表明しないのは異様だ。

モンゴル横綱の独壇場を嫌う世間と、それに乗っている協会には呆れ果てるしかない。

稀勢の里も、憎めない人柄とはいえ、この期に及んでも引退を決断できないとは愚か過ぎる。相撲の取り方も愚かだ。横綱の器でないのに高下駄を履かされて以来、横綱の名を汚し、横綱の権威をぐちゃぐちゃにしてしまっている。

愚かなトップに大甘の世間。

この国には反知性主義がはびこっている。

北山公園の自然

2018-11-09 17:26:50 | 俳句
この秋、石岡地区の公民館が「俳句入門講座」を主催している。月2回、全6回の予定。その公民館まで当庵から愛車で25分。ちょっと遠いけれど、講師の先生と少し御縁もあって、受講している。

振り返ってみれば、俳句に親しむようになってから30有余年。しかし「講座」という形で指導を受けたことは一度もなかった。初心に帰るにはあまりに加齢が進んでしまっているけれども、思っていた以上に新鮮な刺激を頂いている。

第3回目の10/30は吟行だった。行先は笠間市の北山公園。こんなに広くて変化に富み、しかも無料で入れる公園が八郷の北隣にあるとは知らなかった。手元のデジカメで写真を撮ったけれど、逆光で真っ暗だと思い込んでいた。ところが今日、まあまあ撮れていたのに気付いたので、10日遅れながらアップする。





とても広いので、当日見て回れたのは3分の1に満たなかったと思う。とてもいい公園なのだが、「公園」の宿命というか、外界?の自然と異なり、「人為的自然」という性格が少し気になるところもある。だから俳句を作ろうとするとき、心の隙間に嘘が入り込むような気がすることもある。

集団で限られた日程で吟行するには、こういう公園は最適ではある。何よりも安全性が高い。句材も豊富だ。今回の吟行先としては打ってつけだったと思う。

          溝蕎麦を仄と咲かすや地の間(あはひ)

映画 「日々是好日」

2018-11-01 22:07:34 | 文化
近所の友人に誘われて「ユナイテッド・シネマ水戸」へ行った。映画館で映画を見るのは20余年ぶり。

毎月1日は「映画の日」とかで、通常1800円が1100円だそうだ。60歳以上はシニア料金で、いつも1100円らしいが、友人は若いからお得な日だ。9月15日に亡くなって改めて話題になっている樹木希林さん(1943~2018)が登場する映画だから、観客が相当多いのではないかと思っていたが、460席のホールの3分の1ぐらいは空席。映画産業の衰退を実感した。

監督は大森立嗣。主人公の典子を黒木華(1990~ ハナではなくハルと読むことを後で知った)が演ずる。樹木希林が演ずる茶道の先生のところに、稽古に通う典子の日常を描く。

友人は、私が樹木希林に関心がある筈だと推測し、また私が茶道にのめり込んでいたのを知っていることから、この映画を薦めたのだそうだ。そして、加齢による衰えが目立ってきている私と一緒に映画を見れるのは、これっきりになるかも知れない・・との思いもあった、と。一期一会だと。

実にしみじみとした映画だった。非日常的な出来事が無いわけではない。恋人に裏切られたり、父親が亡くなったり。しかしそれら総てが極めて抑制的に描かれている。抑制によって、却って感慨が深くなり、後々まで残る。

主役が黒木華に決まったとき、「これでもう、この作品は成立した」と樹木希林は思ったそうだ。確かに、そう思わせられる映画だった。映画界のことをほとんど知らない私は、観賞後に友人に教えられて知ったのだが、黒木華は2014年、第64回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞(銀熊賞)を受けている。確かに深いものを感じさせてくれる人だ。おかげさまで上映時間100分が充実していた。