みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

道普請 第3期

2016-10-29 22:35:38 | 暮らし
当庵へのアクセスの道普請が今期も行われました。初年度の26年度に当庵前から50メートルほど、27年度は90メートルほど、今期は100メートルほど。既舗装部分まであと少しになりました。

村からの申請により役場から砂利と生コンは支給されますが、作業はすべての皆様の奉仕です。稲刈が終わり、冬野菜の収穫が本格化する前のこの時期が選ばれています。

区長さんは22日に草刈りしたり、道路境界を確認したり。28日は降雨の中を生コン会社の方が下見に来られて、ぬかるんだ山路でのミキサー車のUターンに備えて対策を講じられたり。23日(日)に砂利敷、29日に生コン打ち。区長さんをはじめ、10余名の皆様が来てくださいました。プロの左官業や重機に手慣れた土建業の方もいて、協働態勢も見事。お天気にも恵まれて良かった!

体力ガタ落ちの私は、昨年度に増して何の役にも立たず、ただ見守るだけで精一杯。この道路舗装で一番恩恵を受けるのは私なのですが、皆様に気遣って頂くばかり。お茶菓子を用意する女性陣に加わっただけ。

29日昼過ぎに生コン打ち終了。麗らかな日を浴びながら道路脇に円陣を組んで、JA直売所製のお弁当を一緒に戴きました。美味しかった!

秋雲

2016-10-18 22:38:39 | 俳句
俳句の会で根小屋の泰寧寺を吟行しました。周りは一面のヒツジ田・・稲刈の後の切り株から芽生えて青々と伸び、まるで田植えの後のような色です。所々黄金色に熟れた稲田が残っていますが、おそらく飼料用の米でしょう。



泰寧寺からは西側に展望が開けていて、向こうに双峰を重ねた筑波山、その手前に富士山(ふじやま かっては「鼓ケ峰」と呼ばれていたそうです)、が穏やかに座しています。昨夜来の雨も上がり、雲と霧とが共にゆっくりと流れています。そこへ一機のヘリコプターが藍色の機体を光らせながら飛んできました。

          秋雲を撥ねのけヘリコプターが来る

高齢だけど身も心も一番達者な大先輩の俳友が、私の体調を気遣ってくださり、なんと、手料理のものを持参してくださいました。大好物なのに私は自分ではどうしても上手に作れない「母の味」です。温かい思いやりのお気持が勿体なくて、何とお礼を申し上げたらよいか・・

庭と垣根

2016-10-14 14:47:25 | 暮らし
当庭の改修工事が終わりました。8月末の台風禍で庭木の太枝が折れたり、垣根が傾いてしまったりしたので、これを機会に庭木全体の剪定や茶庭の再整備を庭師さんにお願いしていたのです。

この庭師さんは、会社勤めを定年退職後に庭師の国家資格試験に挑戦して合格した方で、70代後半らしいのですが、早朝から夕方まで敏捷に動き、力仕事も難なくこなされて、齢を感じさせません。

庭木の剪定も茶庭のデザインも、すべて庭師さんにお任せでしたが、出来上がりに納得の私です。 







垣根にもいろいろなデザインがあるんですね。蹲踞の後ろには建仁寺垣、隣地側に一般的な四ツ目垣(同じ四ツ目垣でも、庭師さんは杭の左右で変化を施してくれました)、庭の区切りには低いけれど格が感じられる金閣寺垣。

老病で体力も気力も衰えて、出掛けることも少なくなりましたが、整えてもらった庭を眺めると、心が安らぎます。南天の実もほんのり色づいてきました。




人間の脳と共感力

2016-10-11 10:47:10 | 


発行者:本田弘之(親鸞仏教センター所長)
『アンジャリ』は、サンスクリット語で「合掌」を意味する。小誌は「現代」の課題と「親鸞の教え」との関係を明らかにし、それを多くの人々と共有することを目的としています。

言葉以前の、対面によるコミュニケーション(共感)についての山際寿一氏(京都大学)の記事が目を引いたので、取り敢えず一部を引用しておく。



人間の赤ん坊の脳は・・生後1年間で2倍になり、12~16歳まで成長を続ける。これは、・・直立2足歩行(に伴い)・・骨盤の形が皿状に変わり、産道を大きく出来なかったことによる。・・急激な脳の成長を助けるため、人間の赤ん坊はゴリラの3~5倍の体脂肪率で生まれてくる。・・頭でっかちで体重の重い、しかも成長の遅い幼児をたくさん抱えることになった。とても母親ひとりでは子どもを育てることができない。そこで、・・家族をつくり、・・共同体を作り、分担して多数の子供を共同保育するようになったのである。

親子の間で交わされていた対面交渉がおとなの間に普及し、それが白目の発達に伴い距離を置いて行われるようななった。相手の内面の動きを読んで心をひとつにし、協力して難題に立ち向かうためである。人間の祖先が暮らした危険な環境がその能力を促進し、ついに人間は共感力の高い家族を中心にした共同体という社会を想像するに至った。

言葉は日常生活に不可欠なコミュニケーションだが、その登場はたかだか数万年前のことに過ぎない。人間の脳の大きさは60万年前に達成されている。つまり、言葉は脳を大きくした原因ではなく、言葉以前のおそらく対面による音楽的なコミュニケーションなのである。

この数千年の間に、言葉は文字に、文字は電子記号に変化し、時空を超えてあらゆる情報がインターネットを飛び交う世の中になった。・・それは共感に頼らずに、機械的で効率的な解決をめざすサルの社会へもどることにつながる。

希望のしるし

2016-10-06 21:02:15 | 暮らし
午前中のショッピングセンターでK子さんに出会いました。いつものことながら私の体調を気遣ってくれます。率直で的確なアドバイスが本当に有難いです。午後は別の友人が、忙しい方なのに貴重な時間を割いてお見舞いに来庵してくれました。私の皮膚炎は河島医師の処方薬で9月中旬ごろまでは順調に治癒が進んでいたのですが、その後の経過が思わしくないので、再び鬱に陥りがちでした。でも、優しい人々から気遣ってもらったり、愚痴を聞いてもらったりすると、落ち込んでいた気持が穏やかになります。症状も数日前から改めて治癒の兆しが見られるようになりました。

来庵してくれた友人がお帰りになるのを見送ろうとしたとき、庵前の緋寒桜が数輪、返り咲いているのに気が付きました。希望のしるしのように見えました。


まぶしい星空

2016-10-06 08:44:15 | 八郷の自然と風景
真夜中、風の音で目が覚めた。北陸沖を通過している筈の台風18号(→温帯低気圧)の影響だろう。吹き荒れる風の音の中に身をゆだねて2時間ほど。いつしか再び寝入って4時前に起床。雨戸を開けたら夜空が眩しかった。正面にオリオン座が輝き、オリオン座の内側にも外側にも数えきれない星たちが輝いていた。

八郷へ移住して驚き嬉しかったことの一つは星空だった。数え切れない星たちの輝きの素晴らしさに、首都圏で味わったことのない喜びを知った。ところが、齢を重ねるにつれて視力が衰え、星たちが降り注いでくれる光の数が少なくなり、輝きも弱くなって、仕方ないこととはいえ寂しさを否めなかった。

吹き荒れた風が宙の塵を払ってくれたのだろう、星たちはそれぞれの色合いで、それぞれの瞬きで、それぞれの光を存分に私へ降り注いでくれた。星空に心を奪われたのは久しぶり。