みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

薄墨色

2009-11-30 19:17:33 | 仏教

雨は朝の内に止んだけれど、日差が無くて肌寒い一日だった。薄墨色の雲の後ろを、歪んだ生白い月が急いでいた。

Dscn1145_2 「喪中につき年末年始のご挨拶ご遠慮申し上げます」という葉書の季節だ。この頃は、同世代の友の親御さん達に係る葉書もめっきり少なくなったが、それでもポツポツと来る。

他人の死は必然でも、自分の死の受容は至難だ。受容どころか、相対して考えることさえ至難だ。太陽を見詰めることが出来ないように、死は見詰めることが出来ない。(パスカル)

「死への恐怖は感じない」という人もいる。そういう人の気持を私は理解することが出来ない。この自己が存在しなくなるという理不尽! 生きている今という存在も怖ろしい。存在とは何か、存在しないとはどういうことか・・何と不可解で空恐ろしいことか!

死を恐怖しながらも死を超越できる人、それが真の悟りを得た人=救われた人、だと思う。親鸞聖人は八十路になっても死を怖れる人だった。そして救われた人でもあった。


しっぽの仲間

2009-11-27 19:05:04 | 

ジュンのドッグフードが残り少なくなったので、iTさん宅へ行った。いつも、無添加のドッグフードを共同購入してもらっている。

Dscn1131Dscn1124_2  6頭のワンちゃん達が、賑やかに出迎えてくれた。

つぶらな瞳のピッピちゃん

照れ屋のオジャルちゃん

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お部屋の中で穏やかな老後を過ごすトミーちゃんDscn1130

白く大きくゆったりのダイちゃん

Dscn1123 スマートな体を美貌で隠したアウンちゃん

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たれみみが微妙に揺れるグリちゃん

みな捨てられていたのを、iTさんとお母様のaHさんが拾った犬たちだ。

ジュンも、7年余り前に生後1ヶ月ほどで捨てられていたのを、aHさんとiTさんが救出し、縁あって当庵へ来た犬だ。

iTさんは、NPO法人「しっぽのなかま」のシェルターへ、ボランティアに通っていらっしゃる。処分場から引き取った犬猫を保護し、去勢・避妊手術も受けさせて、里親を探してあげるところだ。

捨てられた犬の多くは、飢えや寒さで死ぬか、野犬として捕獲され処分場で殺される。繁殖業者は、不要の犬猫を処分場に持ち込むそうだ。

犬嫌いだった私だが、日本では毎年およそ30数万頭の犬猫が処分場で殺されている、と聞くと、人間の身勝手さは、あまりにもひどすぎると思う。


有難く戴いて

2009-11-25 19:05:43 | 健康・病気

昼過ぎ、K子さんと共に愛車でK薬局へ行った。心身の不調が続くK子さんは服薬が欠かせない。ご自身の運転に不安があるK子さんのために、私の下手な運転でも役に立つことが出来て嬉しかった。

薬局の奥様のtKさんは整体師、「気功」同好会の仲間でもある。御主人が漢方薬を調剤して下さっている間にお喋り。付近のでは、伝統行事のときなどに蒟蒻(こんにゃく)を手作りする風習があるそうだ。その蒟蒻を沢山貰ったから・・と、tKさんは私達にお裾分けして下さった。見るからに刺身蒟蒻に最高の品! 有難く戴いた。

Dscn1122 K子さんを御自宅に送って帰庵中の野道で、野良作業されていたkOさんが駆け寄ってこられた。「もう着なくなった着物をあげるよ」と。

晩秋にピッタリの着物用コートと正装用の無地の長着、そして帯を二つも! 写真の帯は手描き染め。もし洋服だったら私の齢では到底無理だが、着物姿なら、こんな可愛い染め模様も抵抗感がない。着物って本当に不思議。

kOさんは、お屋敷に生っていた柚子とキュウイ、そして自家製の白菜漬も下さった。私はウコッケイの卵をたった3個お渡ししただけ。いつも犬のジュンの散歩で、O家所有の野山に勝手に出入りさせてもらっている私なのだ。kOさんも御主人のsOさんも、人に喜んでもらうことが喜び・・という輝く瞳の持主。だから私も遠慮なく有難く戴くことが出来る。お二人は八十路近くだと思うけれど、心身とも矍鑠として農作業にいそしんでいらっしゃる。篤農とは、こういう御夫婦のことだと思う。


’09やさとクラフトフェア

2009-11-23 19:33:49 | 八郷の自然と風景

Dscn1103 恒例の「やさとクラフトフェア」へ行きました。近所のkSさん、首都圏から駆けつけてくれたeTさんと一緒です。

田園風景の中にテントが並んでいます。そばに確保された広い駐車場はもう満杯で、少し先の予備の駐車場に誘導されました。昨夜の雨もからりと上がって、抜けるような青空です。

Dscn1104_2 陶芸、木工、ガラス細工、篭、金工etc.多種多様の創作品の展示に、目を見張ったり、作家の方々と談笑したり。そしてレーズンと人参が入ったクッキーに三人の関心が一致。豆乳クリームが掛かっています。手作り石鹸の創作家の余技で、1個百円。口中に味のオーケストラが奏でられたようでした。食べかけの写真で済みません。

Dscn1110_2 空高くハングライダーが舞いだしました。(青空の写真上でクリックしてご覧下さいませ) 八郷は、ハングライダーとパラグライダーの名所でもあります。

Dscn1121 カレンダー形式のカードは、篆刻家の瀬川敦子さん作です。葉書にも使えて、毎年重宝しています。今回の2010年用は、「雲」シリーズになっています。

Dscn1105_3  陶芸家の飯田卓也さんのテントでは、今年も奥様が八郷産小麦を使ったドーナツを揚げて下さっていました。一個百円。去年の美味が忘れられない私はもちろん、kSさんもeTさんも舌鼓を打ちました。例によって自家製どぶろくもサービスしてくれました。ドーナツのお客さんが続いてきて、その内、本業の陶芸コーナーにも買いたいというお客さんが現れて、いつもはゆったりのんびりの飯田さんも大忙し。

Dscn1106 食欲増進の3人は、更に団子汁を戴きました。色々な野菜がたっぷり、団子も数個入って一杯三百円。

Dscn1107 仮設 ステージでは、本格的なジャズなどが演奏されていました。見れば団塊の世代位が中心のメンバー。ボーカルもなかなか渋くて、一曲ごとに大きな拍手が沸いていました。

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大空を舞い終わったハングライダーが、会場横の冬田へ次々に着地していました。皆さん上手! 

三人それぞれ草木染めシャツや無農薬栽培の野菜・古代米なども買物して、お喋りも沢山して、幸せ気分を満喫しました。


バージンロード

2009-11-22 19:45:05 | 家族

姪のnさんが横浜で結婚式を挙げた。nさんも新郎のgYさんも静かな知性の持主だが、知り合って半年弱。愛の炎は急だったようだ。

Dscn1100_sh01 バージンロードを父親と共に真直ぐに歩む花嫁の姿には、やはり胸を打たれる。讃美歌が高らかに唱われた。

ホテル付属の教会で歌ったその人は、賃労働の一環だった筈だ。しかしその声には、単なる仕事としての声に留まらない、真実の響きがあった。音楽に疎く、キリスト教には馴染めない私の心も揺さぶられた。

その声の方に、儀式終了後、私は御礼の一言を言わずにいられなかった。その方は少しはにかみながら返礼された。

記念写真に、nさんの小さな姪と甥も加わっている。可愛い盛りの世代だ。この世代の将来の希望と不安が脳裏をよぎった。


「台所のおと」を読む

2009-11-18 18:42:42 | 

Dscn1085_2 公民館の同好会「読書会」の、今日は年に1度の公開読書会だった。会場は国民宿舎「つくばね」。

取り上げられた本は、幸田文の短編集「台所のおと」。市外からの参加もあって、20余名がこの著者の緻密な世界を語り合った。

巻頭の、夫婦愛が美しく描かれた短編「台所のおと」よりも、その他(「食欲」等)の、暮らしと心の現実が容赦なく書き込まれた短編群の方が、私には興味深かったが・・・

Dscn1086_2 Dscn1088 「つくばね」製の昼食は、コーヒーまたは紅茶付きで千円。窓からは晩秋の野山の風景が望める。

全盲の方が、盲導犬と共に参加されていた。「私は音が無いと本当に困ります。天麩羅も音を聞いて揚げています。」という御発言には、ハッとさせるものがあった。

この方の話では、デジタル機器のおかげで、視覚障害者も以前に比べれば読書(聴書や触書?)しやすくなったそうだ。

盲導犬の賢さ、忍耐強さは話には聞いていたが、本当に偉い! 皆が幸田文を語り合っている時も、食事でざわついている時も、静かに侍っていた。飼主の愛情と尽力も不可欠の前提条件であるに違いない。


骨董市日和

2009-11-15 19:07:56 | 暮らし

愛車を20分ほど駆って、友人のmSさんと共に「栗の家」の骨董市へ行った。

Dscn1080 Dscn1079広場の奥に古民家の「栗の家」がある。入口脇の紅葉が鮮やか。この家の主が、骨董市の主宰者だ。

小春日和に誘われてか、賑やかな人出だ。絵画や染織がセミプロのmSさんの目の付け所にはとても学ばされた。木材加工が趣味のmSさんは、木工具も熱心に見て回られ、骨董商と忌憚の無い愉快な問答を交わしてから、鉈を買われた。

私は飯櫃らしきものを買った。漆塗が少し剥げて小さな傷も多いが、深い色合いと手肌に親しむ触感Dscn1084が気に入った。小物収納用兼飾り台になるかと。

近くの「山路」でmSさんと一緒に蕎麦を戴きながら、暮らしのことや、八郷の親しき人々のことなどを語り合った。

帰路、当庵へ寄って下さったmSさんと共に、薄茶で一服してから別れた。雑木黄葉が夕日に照り映えていた。


遠来の三人

2009-11-14 19:30:11 | 八郷の自然と風景

怪しげな空模様だったが、首都圏からsUさん・aHさん・yEさんが来てくれた。かっての職場仲間で、aHさん・yEさんは現役だ。

Dscn1072 まず「鳴滝」へ案内。昨日からの雨で、木々も足元もしっとり濡れている。数十メートルの岩肌を、滝水が勢いよく伝い落ちている。

Dscn1073すぐに sUさん・aHさんが滝沿いの険しい石段を上り始めた。身軽な二人は、たちまち小さな後姿に。右写真で見えるかしら? 

その二人を、下からyEさんがパチリ。

yEさんも上った。鳴滝の魅力に3人が喜んでくれて、私も満足。

次に向かったのは、こんこんギャラリー。「花と篭と石鹸三人展」だった。花はブリザードフラワー。美しく個性的な作品群を鑑賞し、買物も楽しんだ。猫好きの三人は、猫を11匹飼っているという相客と話が弾んだ。陶芸家でギャラリーの当番役の飯田さんは、自家製の「どぶろく」をサービスしてくれた。

空は時折ザッと降ったり明るくなったり。お昼は「しげふじ」で新蕎麦。十割だけれど食べ易いのは、細めだからか? お豆腐と卯の花の美味しさに皆で感嘆。店主と地元の農家が共同して再興した地酒の「渡舟」も賞味。この酒米は、山田錦の父親に当たる、と聞く。

雨も上がり、午後は当庵で抹茶を点てた。先般、eTさんから譲ってもらった漆塗りの茶櫃の蓋を盆に見立てて、「盆略点前」とした。茶器は、先日E師から賜った輪島塗(一閑張り)の大棗で、「菊唐草」。

aHさんは、犬も大好きらしく、当庵の飼犬のジュンをすぐに手なづけて、隣りまで散歩してくれた。

Dscn1076 再び愛車を駆って、筑波山麓の「駒村清明堂」へ。水車が、ガッタン、ゴットン働いていた。橋脚のような木柱が支える木製箱樋に引かれた山清水が、水車の上から掛けられている。

水車小屋の中を覗いたら、線香の材料となる杉の乾し葉が搗かれていた。線香の買物の時は、堂のご主人や奥様とひとしきり話が弾んだ。

Dscn1078JAの温泉施設「ゆりの郷」へお送りして、三人と別れた。

遠来の三人のおかげで、私も改めて八郷の魅力を再認識した。

帰庵の頃には、空を厚く覆っていた雲の底から、鮮やかな夕焼が輝いていた。犬のジュンにとっても、皆に可愛がられ、たくさん散歩もしてもらって、満足の日、だったことだろう。


鳴滝

2009-11-10 18:40:53 | 八郷の自然と風景

Dscn1065 ふっと思い立って愛車で10分ほどの「鳴滝」を見に行きました。

数十メートルの急坂のような岩肌を流れ落ちる滝です。私が訪れるのは3回目。好天続きだったためか、今日の水量は特に少なかったのですが、鬱蒼とした山林の環境と恋瀬川源流という清らかさ、そして岩肌ごとに変奏する水の音・・・自然の不可思議に、やはり心を奪われました。

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昔、この滝が雷(神鳴り)のような轟音を立てたので、異変を感じた村人たちが避難した後、村が大洪水に見舞われた、とか。それが滝の名前の由来だそうです。

Dscn1067 滝の上脇に不動様を祀る祠が見えます。登るのはちょっと難儀ですが、一応石段が造られています。

下流の木橋は古いけれど可愛い・・ 祠にも橋にも、この滝に寄せる人々の篤い思いが感じられます。


八郷ふれあいまつり

2009-11-08 19:04:36 | 暮らし

Dscn1064kSさんと連れ立って、恒例の「八郷ふれあいまつり」へ行きました。

仮設ステージでは、午後の本番に備えてのリハーサル、「さくらまや」という小学5年生の演歌歌手も登場しました。見事な歌声には脱帽ですが、あまりに早く有名になった(テレビを見ない私は知らなかったけれど)この子の将来には、何となく不安を覚えますね。

行政色の濃い祭ですが、ステージの両側にはテントが沢山並んで、昼頃には家族連れ等でなかなかの賑わいになりました。

Dscn1063 ぬいぐるみのような小さな犬も来て(着て?)いました。

「やさと竜神そば愛好会」が実演・販売のテント前に早めに並んで、400円のもりそばを戴きました。蕎麦の味が今ひとつ分からない私ですが、やがて長蛇の列が出来たのを見て満足!?

かなりの人出の中、同じの方々から何度か声を掛けられました。皆さまの目配りの良さに、kSさんと共に敬服してしまいました。

1串100円の焼鳥はなかなかの美味でした。障害者福祉作業所「ゆり」製作の根付(小さな貝殻を縮緬でくるんで、小鈴が付けられていました)を買い、ほっかほかの饅頭も買って、kSさんと沢山のお喋りも出来たお祭りでした。