みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

緑の影で

2017-05-22 19:23:44 | 八郷の自然と風景
風景の至る所に緑が溢れ、ひしめき合い、風に揺れ、影を落とし合う季節だ。暑い日が続いているが、木陰は嘘のように涼しい。

小さな自家用菜園でも、やるべき野良仕事に限りはない。でも、衰えている体調に合わせて、小休憩を何度も入れながらのマイペースに努めている。庇影の外縁に身を横たえると、身も心も解き放たれていくように気持がよい。

外昼寝の私へ、ツバメ、ヒバリ、ホオジロ、シジュウカラ、キジ、ウグイス 等々、鳥たちが、歌を届けてくれる。春の囀りの季節に比べると、鳥たちの声は少し慎ましく聞こえる。特にホトトギスの声は、鋭いようでいて哀愁を帯びており、私の心は連れていかれてしまいそうになる。

     



緑の季節に咲く花は、旺盛な緑に遠慮するかのように、慎ましい姿のものが多いような気がする。緑陰の足元には、小さなユキノシタがひっそりと咲いている。ヤマボウシの花は、緑の葉の上に載るように咲くから、地上の人間には目立たない。エゴの花は、いつのまにか鈴なりに咲いているけれど、緑の繁みに隠れるように俯いているから、地面へ落下するようになってから初めて開花に気付くこともある。

夜になると、村の田んぼから蛙たちの鳴き声が沸き上がってくる。大勢の蛙たちの賑やかな大合唱なのだけれど、どこか切なく淋しくも聞こえる。


善光寺の崩壊

2017-05-09 22:43:03 | 俳句
俳句の会で太田の善光寺へ行きました。創建当時(室町時代)の遺構として、茅葺の楼門が国の文化財に指定されています。阿吽の仁王像の迫力も、なかなか見応えがあります。この楼門を潜り、正面の石段を上ると、堂々たる構えのお寺があるのですが・・・





屋根は破れ、壁は崩れ、荒れ放題です。上の写真の反対側はもっとひどい惨状・・・ 訪れる度に崩壊が進んでいるようです。軒下の斗組も彫物も立派な、由緒のあるお寺なのに。

かっては、万灯会(まんとうえ)のときなど、大変な賑わいで、健脚の若者たちが遠くからも来て、男女の出会いの場だった、とは、俳句の仲間の長老の話。数十年前ごろ、檀家の村人の間で争い事があって以来、このお寺が放置されるようになった、とか。

手入れされていない境内では、多種多様の草たちと出会いました。

          

       小さいといふこと美(は)しく白菫

       風さへも通はぬ寺や浦島草






燕に降参

2017-05-06 08:49:51 | 田んぼ
あちらの田んぼでも、こちらの田んぼでも、代掻きと田植えが進んでいます。植えられてまもない幼苗たちは、心細げながらも、生命の神秘と力を感じさせます。

     

機場の建屋内の燕の古巣は、先日、落としておいたのですが、すぐにまた新しい巣を作られてしまいました。せっかく新機種に交換されたポンプが、糞害を受けては困る・・・ 機場担当の相棒が新築の巣を壊しても、またすぐ燕が来て再築。相棒も私も、燕たちの懸命さに降参しました。糞害も、心配していたほどではないし。

晴れて新居を成した燕夫婦は、勢いよく出入りしたり、巣の内外で鳴き交わしたり。早速、巣籠りが始まって、何だか私はとても嬉しくなりました。

     

機場を囲むフェンスの上に止まって、ポンプ運転操作をしている私の様子を見守っていることもあります。