みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

デルタとオミクロン

2021-12-28 13:47:20 | 新型コロナ
児玉龍彦先生が新型コロナウィルスについて語る「デモクラシータイムス」が、久しぶりにアップされていた。
「全然違うデルタとオミクロン 対応の根本的転換を」12/25付けUouTubeである。

児玉先生の、科学的事実と人々に対して誠実なお話には、いつも「目からウロコ」だ。

デルタとオミクロンとでは変異の様子がまるで違う。
また、同じ「デルタ株」でも、欧米等で猛威を振るっているデルタと、日本で急減したデルタとは違う変異株であることを、私は初めて知った。
オミクロンへの対策と共に、デルタへの対策も決して緩めてはならないのだ。
オミクロンの悪性(感染力大)とデルタの悪性(重症化率大)とを合体したような新たな変異株出現の可能性も否定できない、という。

行政任せではなく、医学界の奮起を! と訴える児玉先生に、今回も熱い人間愛を感じた。


年の暮

2021-12-25 14:41:30 | 暮らし
令和3年も押し詰まって、村の田んぼはすっかり枯田となり、里山は眠りに就いたような色合いとなった。



幸いにも今のところ戦争は無く、いきなり空から焼夷弾が降ってくることもない。静かで穏やかな村だ。
しかし、その1軒1軒、1人1人には、それぞれの喜怒哀楽があり、大きなドラマがある。
私の暮しも、そんな村の人々と共にある、という実感がいつの間にか私の体の中に形成されてきている。
移住して20年の間に。

御多分に漏れず、高齢化が著しい村である。この1年の間に村では3つのお葬式があった。
亡くなった一人である御婦人の場合は、天寿を全うしたと言えるかも知れない。

もう一人は、私より年下で立派な体格の、重機を使いこなす男性だった。
逞しい印象のその人は、急に病に伏してほどなく亡くなってしまった。

もう一人は、八十路となっても矍鑠として農作業に勤しみ、人望も厚かった。
村の共同作業に元気に参加されてから1週間ほど後、突然倒れて幾日も経たぬうちに亡くなられた。

この村で共に暮らしてきたあの人、この人、の死は、私という存在のある部分の死でもあると思う。
しかしまた、亡くなられた後になって、その人の存在感が増す、という実感もある。
心はいつも過去と現在を行ったり来たりしている。

先般、当地の山寺での樹木葬という形で改葬することが出来た亡父・・・
改葬を終えて、私にとっての亡父の存在感は益々大きくなったように思うのだ。

村の上空を、一羽の鷹がゆっくりと舞っていた。

          空の階巡り昇りて鷹消ゆる





卑怯&巧妙

2021-12-17 10:03:33 | 社会
18歳以下の子どもに対する10万円相当の給付について、政府は当初、5万円を現金で、後の5万円はクーポンで支給するとしていたが、12月15日、全額現金での給付も容認した。岸田総理に対しては、判断が二転三転し、優柔不断で、判断が遅過ぎる 等々の批判が報じられている。

しかし、そんなに批判されるべきことだろうか?
確かに最初から10万円全額を現金給付する、としていれば、自治体もスムーズに事務手続き出来て良かっただろう。けれども自民党内には、米軍や大企業のためには大判振る舞いするが、一般大衆には「バラマキ」と称して出し惜しみする勢力が根強い。そんな勢力との妥協策が「クーポン」だったのだ。

その当初の方針を徐々に切り替えて、ギリギリのタイミングで「全額現金」へ軟着陸した。自治体の事務に混乱が生じるなど、擦り傷はあるとしても、巧妙だったとも私は思うのだ。

赤木俊夫さんの妻:雅子さんが、国に損害賠償請求した訴訟では、12月15日、国側が雅子さん側の請求を「認諾」した。請求された側からの「認諾」は、確定判決と同じ効力を持つため、この訴訟は終了した。
雅子さん側は、森友公文書改ざん問題の真相解明の機会を閉ざされた、として、国側へ抗議している。

雅子さん側が、岸田内閣のやり方を「卑怯な幕引きだ」と憤っておられるのは当然だろう。訴訟を通して真相解明されれば、当時の最高責任者のアソウ(財務相)やアベ(総理)の罪障を白日の下に晒すことが出来る。腐った政界を洗い直す端緒となるかも知れない。それが出来なくなったのだ。

けれども、訴訟が継続されても、今のこの国で「真相解明」されることは、残念ながら現実には不可能だろう。
確かに「卑怯」ではあるが、「巧妙な」幕引きだった、と私は思うのだ。
岸田総理は、アベとアソウに「貸し」を作ることも出来た。

岸田総理は、アベやアソウに操られているように見えて、実は巧妙に操っているようにも見えるのだ。

第2次岸田内閣の外相は、日中友好議運の会長だった林芳正だ。地元の選挙区でアベと争っている人物だ。

アベが元凶となって、メディアも一般大衆も中国憎悪一色に塗り潰されようとしている今、日中戦争前夜の観がある今、現内閣が如何にアベらと向き合っていくのか、より巧妙に対処していくのか、それとも結局は身を委ねてしまうのか、注視せずにはいられない。次の戦争はこの国を亡ぼすだろうから。